自動車のデータロギングに関する規制が厳格化するにつれ、それに合わせてメモリ ソリューションも進化していく必要があります。イベント データ レコーダー (EDR) や自動運転用データ ストレージ システム (DSSAD) は、米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) から国連欧州経済委員会 (UNECE) に至るまで、世界中で法規制上の厳しい審査に直面しています。これらのシステムには、速度、耐久性、および電源喪失保護機能を兼ね備えたストレージ ソリューションが必要です。

Comparison between EDR and DSSAD data loggers

表1: イベント データ レコーダー (EDR) と自動運転用データ ストレージ システム (DSSAD) のデータ ロガーの比較

揮発性RAMバッファとEEPROMまたはデータフラッシュを長期保存用として使用するEDRシステムには、重大な欠陥があります。それは、クラッシュ時にバッファ内のデータが完全に消去される可能性があるという点です。

NHTSAの改訂要件により、この課題はさらに重要になります。EDRシステムは、従来の「5秒間を2 Hzで取得」から、「クラッシュ前データを20秒間、10 Hzで取得」へと要件が強化され、施行は2027年9月1日から開始されます。同様にDSSADシステムは、定義された期間 (多くの場合、数か月以上) にわたり、すべてのイベントを継続的に保存する必要があり、フロントエンドとバックエンドの両方のメモリ コンポーネントにさらなる負荷をかけます。

解決策は明確です。車載データ ロギングには、フロントエンドでの電源喪失保護と、バックエンドでの高密度ストレージが求められます。

強誘電体RAM (F-RAM) と NORフラッシュを組み合わせることで、これらの要件を効果的に満たすことができます。

フロントエンド用のF-RAMは、受信データのリングバッファとして機能します。揮発性SRAMとは異なり、F-RAMは電源が切れてもデータを保持するため、クラッシュによるデータ損失を防ぐことができます。主な利点は以下のとおりです。

  • 高頻度データ ロギングに対応する高速書き込み
  • 最大10¹⁴回の書き込みサイクルに耐える耐久性 (20年間にわたるログ記録要件をはるかに上回ります)
  • バックアップ バッテリー不要の不揮発性ストレージ

バックエンドのNORフラッシュ メモリ は、長期データ保存を担います。インフィニオンのSEMPER™ NORフラッシュ ファミリーは、EDRおよびDSSADアプリケーションに必要な容量を提供し、次のような機能を備えています。

  • ギガビット級のストレージ容量
  • 効率的なイベント取得を可能にする小粒度のランダム アクセス
図1: ログ記録動作におけるフロントエンドおよびバックエンド ストレージを示すブロック図

図1: ログ記録動作におけるフロントエンドおよびバックエンド ストレージを示すブロック図

比較として、揮発性RAMベースのシステムでは、動作中に電源が切れた場合、クラッシュ前の最大20秒分のデータに加え、消去サイクル中の追加時間分のデータも失われる可能性があります。F-RAMをフロントエンドに使用すれば、このリスクを完全に排除できます。 一方、DSSADでは、頻繁なイベント ログにより、数百メガビット規模のストレージ容量が必要になる可能性があります。SEMPER™ NOR フラッシュは容量要件を満たし、EXCELON™ F-RAMは20年間の車両寿命を通じて耐久性を確保します。

EDRおよびDSSADシステムを設計する自動車エンジニアにとって、F-RAMとNORフラッシュの組み合わせは、厳格な規制基準を満たすための信頼性の高いソリューションとなります。このアーキテクチャは、揮発性RAMの電源喪失に対する脆弱性に対処し、十分なストレージ容量を提供するとともに、車両寿命を通じた耐久性を確保します。

規制が強化され、自律システムが生成するデータ量が増加するにつれて、信頼性の高い不揮発性メモリが不可欠になるでしょう。インフィニオンの EXCELON™ F-RAMおよび SEMPER™ NOR フラッシュ ポートフォリオをご覧いただき、車載データロギングのニーズに最適なソリューションをお探しください。