品質管理システム

品質は、コストではなくて投資です。これは、インフィニオンだけでなく、お客様にとっても言えることです。洗練された品質管理システム(QMS)によって、すべての品質関連プロセスを系統的に管理することができ、製品およびサービスの適切な品質を確保できます。このQMSを拠り所として、インフィニオンは、積み上げてきたノウハウを最大限に活用し、お客様のために価値を創造します。お客様との信頼できる誠実な協力関係を築き、お客様からのフィードバックを改善に結び付け、最高レベルの顧客満足を実現します。

インフィニオンのQMSの主な特長:

  • 明確に定義された管理体制、ゆるぎないプロセス、戦略的な取り組み
  • トップダウンの戦略決定および目標展開
  • ボトムアップの目標達成および報告
  • 常に高いレベルの品質意識を保つための確固とした方策

インフィニオンは、ISO 9001およびIATF 16949(自動車)などの国際的な品質管理規格を遵守しています。

6949 (automotive).

インフィニオンは、常にお約束した事を実行し、求められる品質の製品を提供することを目指しています。だからこそ、インフィニオン製品には、定められた製品認定のプロセスを適用しているのです。このプロセスでは、製品の機能性、信頼性、製造の容易さを検証します。さらに、製品が、その後お客様が実施する工程に適合していることを確認します。

このように、インフィニオンでは、自社からお客様の工程まで通じた全体的アプローチを採用しています。対象となるのは製品そのものだけではありません。その後の動作環境で求められる個々の要求も考慮されます。関連するソフトウェアおよびファームウェアもプロセスの対象に含まれます。

技術および製品の品質認定

製品の品質認定に先立って、関連するウェハテクノロジーおよびパッケージテクノロジーについて品質認定を行います。このステップでは、特定の故障メカニズムについて詳細に調査します。この手順は、早い時期にお客様のニーズを認識することにより明確になってきます。また、将来の市場での展開の可能性も考慮します。ウェハおよびパッケージテクノロジー開発の全過程において、信頼性試験を一つ一つ詳しく実施することにより、インフィニオン製品に対して作り込まれた品質を保証します。

製品の品質認定は、チップ、パッケージ、チップとパッケージ間の相互作用および設計を含む最終製品の信頼性を証明します。

すべての品質検証試験は、AEC(Automotive Electronics Council:車載電子部品評議会)、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council:半導体技術協会)、MIL(Military Standard:米国軍用規格)、IEC(International Electro technical Commission:国際電気標準会議)の国際規格に従って実施されます。

信頼性の技術

信頼性とは、対象品目が、定められた使用条件において、特定の期間にわたって、要求される機能を実現する確からしさを意味します。これは、加速ストレス条件において、一般的な加速モデル(たとえば、アレニウス、アイリング、コフィン・マンソン、ペック)による外挿計算を使って表すことができます。インフィニオンは、次に示す2つの重要な要素に基づく品質認定および妥当性確認のアプローチを採用しています。

  • ミッションプロファイル:製品の使用条件に関する知識
  • 故障の物理的理解
    • 故障メカニズムおよび故障モードに関する知識、さまざまな故障メカニズムの間で起こりうる相互の影響に関する知識
    • 加速試験を決定・査定するために必要な、それぞれの故障メカニズムに対応する加速モデルの知識

特に、IC用のウェハテクノロジー開発においては、きわめて高度な評価用チップを設計することによって、ミッションプロファイルの実現の可否を判断するための統計的な情報が得られます。

 

たとえば自動車では、電子システムが多く使われるようになっています。これは、機能安全の重要性がますます高まっているということです。インフィニオンは、特に車載市場に適した製品の開発および設計について、ISO 26262を遵守しています。

機能の複雑度、および安全に関わるリアルタイムアプリケーションの統合レベルは、拡大し続けています。IEC 61508やISO 26262の安全規格では、産業用および車載アプリケーションにおいて、より堅牢な製品および機能安全のコンセプトが必須となっています。

インフィニオンの幅広い製品のポートフォリオには、センサー、マイクロコントローラの他にも、アナログIC、パワーマネジメントICがあり、SIL(安全度水準)に対応した機能を提供しています。SIL対応機能は、安全システムに必要なSIL(IEC 61508による)またはASIL(自動車用安全度水準)(ISO 26262による)を効率よく達成できるように、システム設計の全体を支援しています。

独立した機能安全管理機関が、ISO 26262の安全ライフサイクルをサポートします。インフィニオンのPRO-SIL™マークは、SIL対応機能を持つインフィニオン製品であることを示しています。

継続的改善に対する意欲は、インフィニオンの文化に深く根付いています。その結果、品質および安定性の面で、インフィニオンの製品、プロセス、サービスのパフォーマンスが向上しています。

インフィニオンの継続的改善および問題解決をサポートする手法は、「シックスシグマ&リーン思考」と呼ばれます。このユニークな改善手法は、シックスシグマDMAICフロー(Define(定義) - Measure(測定) - Analyze(分析) - Improve(改善) - Control(管理))をベースとして、8Dツールおよびリーン生産方式によって強化され、インフィニオンのビジネスプロセスの品質と効率の改善に活用されています。

社内改善活動

全社的戦略構想(インフィニオンの「ネクストレベル」構想)は、品質、研究開発、販売、マーケティング、生産の各分野での改善に貢献しています。

インフィニオンのYIP(your idea pays(あなたのアイデアが利益を生む))プログラムは、すべての地域および部署にわたって、従業員による改善提案を促進しています。インフィニオンの従業員はそれぞれの担当分野のことを最もよく知っています。従って、製品品質、プロセスの合理化、環境保護、業務効率向上などさまざまな領域における業務方法を改善するには、この方法がふさわしいのです。

インフィニオンが品質のリーダーであるためには、サプライヤーも同様に高いレベルの品質に関する要求を満足しなければなりません。インフィニオンは、トータルサプライヤー管理(Total Supplier Management)の原則を採用し、すべての種類のサプライヤー(材料、設備およびスペアパーツのサプライヤー、シリコンファウンドリ、外注組立、試作サービスのサプライヤー)が、機能、納期、品質に関してインフィニオンの要求および期待を満たしていることが求められます。

サプライヤー選定およびサプライヤー認定管理

サプライヤー選定プロセスでは、サプライヤーに対して、専門知識、持続的生産能力、セキュリティに関する詳細な評価およびリスクアセスメントを実施します。サプライヤーは、社会的責任および品質管理システムの成熟度についても、要求事項を満たさなければなりません。

プロセス材料のサプライヤーに対するインフィニオンの最低限の要件は、ISO 9001による品質管理システムについて第三者認証を受けていることです。さらに、直接材料(最終製品で見られる材料、たとえばシリコンおよび金、銅またはアルミのワイヤ)のサプライヤーは、IATF 16949の要件を満たさなければなりません。  インフィニオンは、シリコンファウンドリサービスおよびOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly & Test; 半導体後工程受託製造)サービスに対しては、IATF16949による品質管理システムの第三者認証を要求しています。サプライヤーの認定審査に加えて、実際に納入される材料、設備およびサービスの評価・認定を実施します。

業績管理

インフィニオンは、不良の発生を防止するため、サプライヤーが、それぞれの事業分野で幅広い専門知識と適性を持っていることを求めています。また、不良品がインフィニオンに納入されるのを防止するため、データ分析、統計的プロセス管理、その他の安全手法について、高い能力が要求されます。さらに、検出された不良の再発防止のため、サプライヤーが継続的改善および自主的なゼロディフェクト運動を実施することを重視しています。 

サプライヤーがインフィニオンの要求に適合できるように導くため、サプライヤーの業績を監視し、評価しています。製品およびサービスに対する要求事項への適合性は、インフィニオンの自社製造工場に適用されるものと同じ監査および検査方法によって確保されています。また、お客様の要求事項に適合し、それを維持するために、サプライヤーとともにサプライチェーン全体にわたって持続可能な改善を実施しています。

サプライヤー開発

半導体業界の特徴は、技術および品質要求の面で常に成長していることです。お客様および将来の市場の品質要求に適合し、それを維持するために、インフィニオンは、サプライヤーと密接に連携して、サプライチェーン全体にわたって持続可能な品質改善を実施しています。

インフィニオンは、全社的な変更管理プロセスを採用しています。これは、製品に対する変更、お客様への納品までの製品実現プロセスに対する変更の実施および管理方法を示したものです。この全社的変更管理プロセスの実施によって、ISO 9001、IATF 16949、業界規格および個々のお客様との契約への適合が保証されます。

また、変更関連の自動化されたワークフローによって、全社的かつ組織横断的な承認および製造部門と営業部門の間の情報伝達が行われています。集積されたリスクアセスメントの情報、全関係者による個々の変更に特化した審査、マネジメントレベルの審査委員会による変更通知、これらすべては、インフィニオンのコミットメントによるゼロディフェクトという品質目標の実現に貢献しています。

 

つのフェーズで構成される全社的変更管理プロセス

  1. 変更要求立案
    このフェーズでは、主に技術的可能性分析が行われます。変更の適用範囲およびプロジェクト計画を策定し、お客様参加の可否について初期審査を行います。このプロセスの初期の段階で、最初のリスクアセスメント(FMEA:故障モード影響解析)を実施します。プロジェクト概要が承認されると、このフェーズを終了します。

  2. 評価および準備
    このステップでは、対象プロセスを確定し、変更実施に必要なすべての生産データを準備するためのさまざまな活動を行います。このプロジェクトフェーズは、プロセスの固定および変更実施通知を行ったときに終了します。

  3. 変更製品評価
    このフェーズの目的は、対象プロセス全体を通じて適格性を評価します。必要があれば、すべての関連する製品についても確認します。重要な変更では、インフィニオンの試作プロセスにおける確認にお客様も参加することがあります。

  4. 変更の実施
    あらかじめ確定し準備していたすべての変更を完全に実施したとき、変更管理プロセスは完了します。

製品およびプロセスの変更通知

製品の形態、故障率(FIT)、機能に影響のある、またはそれとは逆に製品の品質または信頼性に影響のある、重要な変更の場合には、インフィニオンでは、製品/プロセス変更通知(PCN)によって影響を受けるお客様に通知します。インフィニオンは、国際規格、たとえばJEDEC/ECIA/IPC共同規格J-STD-046「Customer Notification Standard for Product/Process Changes by Electronic Product Suppliers(電気製品サプライヤーによる製品/プロセス変更の顧客通知基準)」に従っています。

お客様には、変更製品の最初の出荷予定日の少なくとも90日前に、インフィニオンの販売ルートを通じて通知します。JEDEC J-STD-046規格により、PCN配送後30日以内にお客様から異議の申し出がなければ、変更は認められたものとみなされます。

軽微な変更の場合は、情報通知書(Information Notification)によってお客様にお知らせします。

製造中止

インフィニオン製品の製造中止(PD:Product discontinuation)プロセス、あるいは製品生産終了(EOL:end-of-life)、あるいは生産終了通知(PTN:product termination notice)は、JEDEC/ECIA/IPC共同規格J-STD-048「Notification Standard for Product Discontinuance(製造中止通知基準)」に従っています。最終受注日(LOD:last ordering dateまたはLTB:last time buy)の少なくとも6ヵ月前にお客様に通知します。最終受注日から最終納入日(LDD:last delivery date)までに6ヵ月の期間を設定していますので、合わせて12ヵ月前に通知することになります。

供給の継続性を確保するため、インフィニオンは、可能であれば代替製品を提案します。製造中止製品の状況は、こちらより確認できます。

お客様にご満足いただくことが、インフィニオンでは最も優先されます。これを実践するためには、お客様のニーズと要求を理解する必要があります。また、同じくらい重要なことがあります。要求を満たせなかった場合には、満たせなかった事実を認識することが不可欠です。この経験から得た知識をもとにして、インフィニオンは、製品およびサービスの改善を進めています。その不具合が発生した状況を徹底的に分析し、すべての根本的原因を特定し、長期的な改善によりその原因を取り除くとともに、再発防止をめざしています。そのため、インフィニオンは、バリューチェーン全体にわたって、十分に機能する不具合対応管理システムを構築しました。このプロセスの関係者全員が、できるだけ早期に不具合を是正するという共通の目標を持っています。 

インフィニオンは、発見された不具合を理解し是正するために、8D問題解決法を採用しています。重要な原則は、社内相互で、さらにはお客様と、チームとして密接かつ率直に協働することです。不具合があった場合には、お客様との連絡担当者が、完全性、一貫性およびデータの正確性に関するすべての不具合の情報を登録します。お客様との連絡担当者は、検証から最終報告までの不具合対応プロセスの状況について、定期的にお客様に報告します。これは、継続的かつ強固で信頼できるパートナーシップの基礎となるものです。インフィニオンの不具合対応の管理プロセスは、JEDEC、VDA、IATFの国際規格に準拠しています。  

万一当社製品による不具合がありましたら、営業担当までお知らせください。当件に関して専任のお客様連絡担当と調整いたします。

分析に必要な情報をすべて提供していただくため、ご連絡には

CAR(苦情分析要求)フォームをご利用ください。

故障解析およびデバイスとテクノロジーの特性評価

故障解析は、インフィニオンの製品およびテクノロジーの信頼性を向上するための重要な能力です。さらに、故障解析は、製品をより早期に市場に提供するのに役立つとともに、歩留まり向上にも不可欠で、これにより生産効率を改善します。

インフィニオンでは、最先端の設備を備え、高度なスキルを持つエンジニアを擁する故障解析(FA)ラボが世界中で稼働しています。インフィニオンのFAラボは、全社にわたる継続的効率化プロセスの一部です。インフィニオンのFAエンジニアによる解析は、大電力モジュールから、MEMS、きわめて複雑なマイクロコントローラまで、すべての製品ポートフォリオをカバーします。このような複雑な製品にも対応するべく、エンジニアは、設計、プロセス、テクノロジー担当部門のエキスパートと密接に協力しています。FAは、チップ関連(フロントエンド)およびパッケージ関連(バックエンド)工場の歩留まり向上プログラムもサポートしています。FA部門は、製品開発においては設計の問題を調査し、品質認定プロセスではストレス試験を受けた部品を分析して、電子デバイスがライフサイクル全体にわたって動作することを保証しています。

お客様から不具合の報告があった場合には、FAがその根本的原因を調査し、将来、同様の問題が発生することを防止しています。代表的なお客様の不具合である単一のデバイス故障の場合には、その故障したデバイスをあらかじめ定められた分析フローに従って分析します。

  1. 不具合発生状況の調査
    報告されたデバイスの異常動作の検証にあたって、解析を成功させるためには、デバイスの履歴(例えば、ストレス、使用条件、お客様において観察された故障状況)についてお客様からの正確な報告が不可欠です。この検証の複雑度に応じて、ベンチ計測、アプリケーションボード、高度な自動試験システムを使用します。電気的試験だけでなく、X線や超音波顕微鏡等の非破壊方式による調査も実施します。

  2. デバイスの準備
    不具合発生状況調査の次に、解析技術者は、デバイスの故障箇所を特定するまでの最適な方法を決めなければなりません。不具合の内容やチップおよびパッケージテクノロジーに応じて、パッケージ表面から、またはパッケージ裏面からチップを露出させます。これにより、最初の故障箇所特定のステップでチップが見えるようにするとともに、故障の痕跡が失われないようにします。

  3. 初期故障箇所特定
    エミッション顕微鏡、レーザー刺激法(Laser Stimulation Methods)、ロックイン赤外線発熱解析などさまざまな手法を使って、デバイスの故障した箇所を見つけます。これらの方法は、故障によって生じた、異常電流、発光、高温などの物理的な痕跡を観察することに重点を置いています。多くの場合、最終的な見解を得るために、複数の手法を補完的に使用します。

  4. 電気的計測
    先に述べた初期故障箇所特定手法によって正確な故障箇所が完全には特定できなかったときは、さらに、チップの回路内部の電気的計測を行う必要があります。顕微鏡を使って、チップの表面から電気的プローブ針をチップに接触させるか、または、小さなデバイスの場合は、裏面から非接触のレーザーによる方法を採用することもあります。問題が特定の領域(通常はマイクロメートルの領域)に絞り込まれると、分析技術者は、欠陥が見えるようになるまで、欠陥の周囲の材料を注意深く取り除きます。これは、化学的および機械的な処理方法の組み合わせによって実施し、さらに電気的計測を合わせて行うことも多くあります。問題の状況に応じて、この計測および化学的/機械的処理には、多くの複雑な手順が必要なため、非常に多くの時間がかかります。

  5. 物理的分析
    欠陥を特定して、故障メカニズムを明確に理解できれば、適切な画像処理および元素分析等の詳細解析によって根本的原因を調査します。たとえば、収束イオンビーム、透過型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分析、オージェ電子分光などを利用します。この分析ステップおよび結果は、詳細なレポートとして文書化され、その後の根本的原因分析の基礎となります。この原因分析の結果に基づいて、是正措置を実施します。