インフィニオンテクノロジーズが2006会計年度第2四半期(1~3月)と上半期業績を発表
梗概
・ 第2四半期のEBIT(利払い税引き前利益)は黒字で、4四半期続いた損失から好転。前四半期のEBIT損失1億2,200万ユーロから2,800万ユーロの黒字に大幅増。こ れは主にメモリ製品部門でEBITが黒字に回復したことと、自動車・産業・マルチ市場部門のEBITが改善されたことによる。
・ 第2四半期の売上高は19億9,000万ユーロと大きく伸び、前四半期に比べ19パーセント増加。これはメモリ製品と自動車・産業・マルチ市場の両部門での大幅な売上増を反映している。
・ 第2四半期の純損失は2,600万ユーロ、これに対し前四半期は1億8,300万ユーロの純損失。
・ 2006年度上半期の売上高は36億7,000万ユーロで、前年同期の34億2,000万ユーロに比べ7パーセント増加。2006年度上半期のEBITは9,400万ユーロの損失で、前 年同期の9,400万ユーロの黒字から減少。
第2四半期
単位:百万ユーロ |
第2四半期 |
前四半期 |
対前四半期比 |
前年同期 |
対前年同期比 |
売上高 | 1,993 |
1,674 |
19% |
1,606 |
24% |
EBIT |
28 |
-122 |
+++ |
-117 |
+++ |
純損益 |
-26 |
-183 |
86% |
-114 |
77% |
1株あたり損益(ユーロ) |
-0.03 |
-0.25 |
88% |
-0.15 |
80% |
上半期
単位:百万ユーロ |
上半期
(2006年3月期) |
前年同期
(2005年3月期) |
対年前年同期比
増減率 |
売上高 | 3,667 |
3,422 |
7% |
EBIT |
-94 |
94 |
--- |
純損益 |
-209 |
28 |
--- |
1株あたりの損益(ユーロ) |
-0.28 |
0.04 |
--- |
独インフィニオンテクノロジーズは4月26日、2006会計年度第2四半期(1~3月)の業績を発表しました。売上高は前四半期を19パーセント上回る19億9,000万ユーロで、主 としてメモリ製品部門と自動車・産業・マルチ市場部門がこれを牽引しました。通信ソリューション部門の売上高は予想どおり前四半期よりやや減少しました。
2006年度第2四半期のEBITは前四半期に比べて大きく増加しました。これは主としてメモリ製品部門のEBITが改善されたことによるもので、同 部門のEBITは第1四半期の損失から黒字に転じています。自動車・産業・マルチ市場部門のEBITはきわめて堅調な伸びを記録し、通 信ソリューション部門のわずかなEBIT損失を大きく上回ってこれを相殺しています。
最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは、「第2四半期は業績が大幅に向上しました。EBITは4四半期連続で損失を計上した後、再び黒字に転じています」と語っています。
2006会計年度第3四半期の見通し
第2四半期の業績がきわめて好調で、特に自動車・産業・マルチ市場部門が高水準だったことから、ロジック分野2部門の第3四半期の合計売上高とEBITはこれに比べて減少すると見られます。イ ンフィニオンでは、メモリ製品部門の分社を2006年5月1日に完了する見通しを変えていません。2006年5月1日付で新会社「Qimonda(キマンダ)」が営業を開始する予定です。そ の他の詳細は各事業部門のセクションをご参照ください。
「第2四半期の業績からは、メモリ製品部門とロジック部門のどちらにも独立企業として十分運営できる体制が備わっていることが見てとれます」とツィーバルトは述べています。
自動車・産業・マルチ市場(AIM)
単位:百万ユーロ |
第2四半期
(2006年3月期) |
前四半期
(2005年12月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年3月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 |
733 |
652 |
12% |
634 |
16% |
EBIT |
74 |
51 |
45% |
36 |
+++ |
2006年度第2四半期の自動車・産業・マルチ市場部門の売上高は、前四半期を大きく上回りました。これは予想を上回る需要増と、全事業ユニットでの業績向上によるもので、主 としてパワー半導体およびASIC&設計ソリューション事業のコンピュータ周辺機器用製品の売上増、そしてセキュリティ&チップカードIC事業のおう盛な需要や製品構成の改善が反映されています。自動車・産業・マ ルチ市場部門のEBITは、売上増と特にセキュリティ&チップカードIC事業のEBIT損失が目に見えて改善されたことを受けて、前四半期より大きく伸びています。部門全体では、ミ ュンヘン=ペルラッハ工場の段階的生産終了に伴う継続的な支出とクリム(マレーシア)新工場立ち上げ費用が発生したにもかかわらず、売上高に占めるEBITの割合は10パーセントに達しました。
自動車・産業・マルチ市場部門の2006年度第3四半期の見通し
第2四半期の業績は予想を上回り、通常の季節需要を超えましたが、自動車・産業・マルチ市場部門の業績は2006年度第3四半期に正常化し、第2四半期と同じ範囲内に収まると予想されます。自動車、産 業の各事業については、売上高が第2四半期と同じ高水準に達するとインフィニオンは見ています。セキュリティ&チップカードIC事業の売上高は第2四半期よりやや減少し、通常の水準になると予想されます。売 上高がおおむね横ばいとなることから、同部門のEBITは第2四半期の範囲内に収まるものとインフィニオンでは予想しています。EBITの目標値は、メ モリ製品部門の正式な分社後にインフィニオンのロジック部門2部門に残される諸経費の影響を考慮する前の数字です。正確な額は現段階では算定できません。
通信ソリューション(Communication Solutions)
単位:百万ユーロ |
第2四半期
(2006年3月期) |
前四半期
(2005年12月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年3月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 308 |
334 |
-8% |
332 |
-7% |
EBIT |
-29% |
-21 |
-38% |
-142 |
80% |
通信ソリューション部門では前四半期に比べて売上高が減少しました。これは主にベースバンド・コンポーネントの需要減が原因で、ブロードバンド・ア クセス事業の売上増もこれを相殺することはできませんでした。売上高の減少を受けて、EBITの損失は前四半期よりさらに増えています。ブロードバンド・アクセス事業は、第2四半期にさらに業績を伸ばしました。
通信ソリューション部門の2006年度第3四半期の見通し
2006年度第3四半期の通信ソリューション部門の売上高は、第2四半期より減少すると予想されます。光ファイバ事業を売却したため、光 ファイバ製品からの売上は見込めなくなる上に、ブロードバンド・アクセスからの売上は通常水準に戻ると見られるからです。業績が主として売上高の動きに連動しているため、E BIT損失は第3四半期に増加すると予想されます。EBITの予想値は、メモリ製品部門の正式な分社後にインフィニオンのロジック部門2部門に残される諸経費の影響を考慮する前の数字です。正 確な額は現段階では算定できません。
メモリ製品(MP)
単位:百万ユーロ |
第2四半期
(2006年3月期) |
前四半期
(2005年12月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年3月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 928 |
678 |
37% |
663 |
47% |
EBIT |
30 |
-118 |
+++ |
17 |
76% |
2006年度第2四半期のメモリ製品部門の売上高は、前四半期より大幅に改善されました。これは主として、ビットベースの出荷量が前四半期に比べて大きく伸びたほか、平均売価も上昇したためです。後 者は主にDDR2メモリの価格と出荷量が上昇したことと、前四半期に比べてビット出荷量に占める特殊用途製品の割合が高まったことによります。第2四半期には、E BITが1億1,800万ユーロの損失から3,000万ユーロのプラスに転じました。これはビット出荷量の大幅増と平均売価の多少の上昇に伴うビットコストの大幅な低下によります。
メモリ製品部門の2006年度第3四半期の見通し
2006年度第3四半期には、ビット生産量が約10パーセント増加する見通しです。第3四半期のEBITは、メ モリ製品部門の正式な分社後に諸経費がインフィニオンのロジック部門2部門に残されるため好影響を受けますが、キマンダ独自の企業インフラ構築にかかる費用がこれを一部相殺します。正 確な額は現段階では算定できません。第3四半期には、2006年3月に行ったイノテラの新規株式公開(IPO)によるプラスの希薄化効果約3,000万ユーロが含まれます。こ れは同部門EBIT中の非営業利益の一部となります。
その他の事業部門
単位:百万ユーロ |
第2四半期
(2006年3月期) |
前四半期
(2005年12月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年3月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 22 |
2 |
+++ |
4 |
+++ |
EBIT |
-2 |
0 |
--- |
11 |
--- |
2006年度第2四半期のその他事業部門の売上高は、前四半期に比べて増加しました。これは主に、インフィニオンとIBMの合弁会社ALTISの決算を前四半期末に初めて連結したことによるものです。 EBITは第1四半期に比べてそれほど大きく変動していません。
コーポレート&リコンシリエーション(社内・調整)
単位:百万ユーロ |
第2四半期
(2006年3月期) |
前四半期
(2005年12月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年3月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 2 |
8 |
-75% |
3 |
-33% |
EBIT |
-45 |
-34 |
-32% |
-39 |
-15% |
2006年度第2四半期のコーポレート&リコンシリエーション部門のEBIT損失は、前四半期に比べて増大しました。これは主にメモリ製品部門の分社費用と、イ ンフィニオン本社の新社屋Campeonへの移転費用によるものです。
2006年度第3四半期のコーポレート&リコンシリエーション部門のEBIT損失は、第2四半期より増大する見通しです。これはメモリ製品部門の分社費用が発生するためです。
2006年3月17日、インフィニオンと台湾の南亜科技との合弁会社イノテラ・メモリーズ社は、台湾証券取引所において発行価格33ニュー台湾ドルで新規株式公開(IPO)を行いました。これに伴い、 インフィニオンは約3,000万ユーロの希薄化効果を計上しました。これは2006年第3四半期のメモリ製品部門EBIT中の非営業利益に反映されます。I PO後のインフィニオンの出資比率は41.4パーセントです。
このプラスの希薄化効果のほか、インフィニオンは第3四半期に主として合弁事業ALTISのリストラクチャリング(ALTISにより発表済み)その他に伴う費用を計上する見通しです。上 記の事項が部門全体に及ぼす影響は少ないと予想しています。
2006年度第2四半期のインフィニオン各部門の主な事業ハイライトについては、ホームページをご参照ください。
www.infineon.com/jp
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、メモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フ ランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください:
本社サイト: http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.jp
Information Number
INFXX200604.055