インフィニオンテクノロジーズが2003年1~3月の四半期業績を発表

2003/04/22 | ビジネス&フィナンシャルプレス

独インフィニオンテクノロジーズが2003年3月31日に終了した2003会計年度第2四半期業績(2003年1~3月)を発表し、売上高が対前四半期比で3パーセント増の14億8,000万ユーロとなり、 対前年同期比では13パーセントの伸びをみせたと発表しました。

インフィニオンテクノロジーズのウルリッヒ・シューマッハ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「市場環境の困難が続くなか、特にメモリ製品の販売増と自動車&産 業グループが再び記録的な好成績をあげたことが寄与して、増収と一段の市場シェア拡大を達成しました。生産性は大きく向上しましたが、メモリ製品の激しい価格下落を相殺し切るまでには至りませんでした」と、語 りました。

第2四半期の純損益は3億2,800万ユーロの欠損で、欠損額は前四半期の4,000万ユーロ、前年同期の1億800万ユーロよりも拡大しました。D DRメモリチップの激しい値下がりと大半の分野で価格圧力が続いたことが赤字の主因です。1株当たり(基本および希釈)欠損額は0.45ユーロで、前四半期の0.06ユーロ、前 年同期の0.16ユーロから拡大しました。

EBIT(利息・税引き前損益)は2億2,300万ユーロの欠損で、赤字幅は前四半期の3,100万ユーロ、前年同期の1億7,600万ユーロより拡大しました。研 究開発費は前四半期の2億6,500万ユーロをやや下回る2億5,400万ユーロで、売上総額に対する研究開発費の比率は17パーセントでした。SG&A(販売費および一般管理費)支出は、総 売上高の11パーセントに相当する1億6,400万ユーロ(前四半期は同12パーセントの1億7,200万ユーロ)でした。両支出の減少は主に経費削減策によるものです。

地域別売上高をみると、欧州以外の地域での売上高が総売上高の56パーセントを占め、その比率は前四半期の55パーセントから上昇しました。これは、日本を含むアジア市場での販売増を反映しています。 3月31日現在の総従業員数は世界全体で3万1,200人、うち約5,500人が研究開発関係に従事しています。

なお、独オスラム社との協定に基づき、2003年3月31日付けでインフィニオンのオプトエレクトロニクス事業がオスラムに全面移管されました。オプトエレクトロニクス事業( 以前は別の事業分野に属していました)の打ち切りに伴い、インフィニオンの経常活動と比較できるよう、営業成績は調整がなされています。

上半期の決算
2003会計年度上半期の売上総額は29億3,000万ユーロで、前年同期の22億8,000万ユーロに比べて28パーセントの増加となりました。純欠損額は3億6,800万ユーロ( 前年同期4億3,900万ユーロ)に低下し、EBIT赤字は2億5,400万ユーロと前年同期の7億3,500万ユーロから大きく改善しています。

第2四半期の製品グループ別売上高
第2四半期の事業グループ別業績では、自動車&産業グループの売上高が3億5,400万ユーロと再び過去最高を記録し、対前四半期比6パーセント増、対 前年同期比では18パーセントの伸びをみせました。これは特に、自動車用パワー製品とパワーマネジメント&サプライ製品の販売増によるものです。当社は、パワーマネジメント&サプライ・アプリケーション市場( 主に情報処理に用いられるCoolMOSとOptiMOS技術)でシェアを一段と伸ばしており、特にアジアでの強さが目立ちます。また、自動車用パワーアプリケーション、特 にパワートレインやコンビニエンスの分野でも市場地位を高めています。

有線通信グループの売上高は1億1,200万ユーロで、対前四半期比では6パーセント、対前年同期比では17パーセントの伸びをみせました。対前四半期比の伸びには特に、アジアのEthernet over VDSLアクセス技術と次世代局用ADSL技術の市場での販売増進が貢献しています。これは、当 社の先端ブロードバンドアクセス製品ラインナップが現在の市場ニーズにうまくマッチしていることを物語ります。当社はアジアの次世代高速VDSLブロードバンド・アクセス技術市場でリーディング・ポ ジションを一層強めています。また、インテリジェントな光トランシーバの新ファミリを投入し、光ファイバ市場の有力顧客企業向けに10G XPAKトランシーバのサンプル出荷を開始しました。

セキュア・モバイル・ソリューションズ・グループでは、第2四半期の売上高が3億7,600万ユーロとなり、対前四半期比では9パーセント減でしたが、対 前年同期比では27パーセントの増加をみせました。対前四半期比の低下は、クリスマス・シーズン後の携帯電話の季節的な需要減を反映したものです。収益的には、携帯電話機と無線インフラ製品の販売減、シリコン・デ ィスクリートとセキュリティ・コントローラの市場における強い価格圧力が不利な影響を与えました。同時に、当社はソフトウェアや総合リファレンス設計の研究開発への高水準の投資を維持する一方、生 産性を一段と向上させています。

当社は3GSM世界会議でUMTS/EDGEソリューションを発表しました。加えて、高速無線ネットワーク開発を目的としたアギア・システムズとの包括提携に基づいて、業 界最高の集積度を持つ無線LAN用デュアルバンド・マルチモード・ソリューションを発表しており、第3四半期から顧客企業向けのサンプル出荷を開始する予定です。また、当 社のBluetoothチップ出荷量が2000年以来の累計で2,000万個以上に達しました。

メモリ製品グループの売上高は6億900万ユーロで、対前四半期比で12パーセントの著しい伸びをみせ、前年同期に比べても4パーセントの増加でした。価 格急落を相殺する力強い販売増と入金が遅延していたライセンス収入が入ったことがプラスに働きました。シューマッハは、「当社はメモリ製品を軸に、生産性を大きく向上させており、ド レスデンの300mm工場は立ち上げスケジュールを大幅に上回る進捗をみせ、週あたりウェハ投入量は6,000枚以上に達しています。ただし、その改善は、メ モリ製品の激しい価格下落を相殺するまでには至りませんでした。主力製品の256M DDRのスポット価格は、1月初めには6ドルだったのが、2月末にはその約半分に落ち、3 ドルを割り込む最低水準にまで下がりましたが、その後、第2四半期末にかけて3ドルをやや超える線まで持ち直しました」と、説明しました。

当社は、中国のSMIC(中芯国際集成電路製造)とのファウンドリ契約を拡大し、生産提携ネットワークをさらに拡大しました。新契約に基づき、インフィニオンは0.11μm DRAMトレンチ技術と300mm生産ノウハウをSMICに供与します。SMICの生産がフルに立ち上がれば(2005年の見込み)、月 間ウェハ投入量にして5万8,000枚の生産能力がインフィニオンの総能力に加わります。また、もう一つのハイライトがインフィニオンの総合DDR-I 400モジュール・プラットフォーム(128Mバイト版、2 56Mバイト版および512Mバイト版で構成)で、これはすでにインテル社の認定を受けています。

2003会計年度下半期の見通し
「目下の厳しい世界経済環境と国際情勢不安が市場見通しを不透明にしています。ここ3カ月間、当社の事業グループの大半において需要に前向きの動きがみられました。すべてのターゲット・ア プリケーション分野で需要のさらなる改善を期待しています。依然として止まない価格圧力に抗するため、当社は引き続き、生産性向上、さらなる経費削減、リストラ計画および「Agenda 5-to-1」戦 略の実行に精力を集中します」と、シューマッハはコメントしました。

備考
上記は、発表原文からの抜粋日本語訳です。財務諸表を含むプレスリリースの全文(英語版PDFファイル)は次のURLからダウンロードしていただけます:
http://www.infineon.com/news/press/301_037e.htm



 

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INFXX200304.064

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