ミッドレンジ携帯電話にカメラ機能などを搭載できる「P2002+」プラットフォームをインフィニオンが発表

2004/02/23 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、仏カンヌで開催の3GSM世界会議2004で、ミッドレンジ携帯電話にカメラ機能と和音着信音、カラーディスプレイおよびJava対応機能を搭載できる、新 しいカメラ対応マルチメディア・プラットフォーム「P2002+」を発表しました。新プラットフォームはカメラ付き携帯電話に必要なハードウェアとソフトウェアの全コンポーネントを備えており、携 帯電話メーカーに市場投入までの時間、機能性およびアダプタビリティ(対応性)の面で多くのメリットをもたらします。

「P2002+」プラットフォームは、容易に組み込める、コスト効率の良いソリューションを求める世界中の携帯電話メーカーのニーズに応えるもので、将来の製品設計のための柔軟性を高めます。パ ナソニックモバイルコミュニケーションズ社が、同社の新モバイル端末デバイスの一つに「P2002+」プラットフォームを採用しています。「P2002+」プ ラットフォーム搭載のカメラ付き携帯電話はすでに市販されています。

開発時間を50パーセントも大幅短縮

「P2002+」プラットフォームは、デザイン・インされると、携帯電話やその派生品の開発時間を20~50パーセント短縮できる可能性があり、これは一般的に平均3~6カ月の期間短縮に相当します。そ の理由は、APOXI(Application Programming Object-Oriented Extendable Interface)フレームワークをAPOXIリファレンスMMI(マン・マ シン・インターフェイス)およびプリインストール・アプリケーションと共に搭載した点にあります。そのため、キーボード、言語、ディスプレイなどのユーザ・インターフェイスをハードウェアから独立化できます。こ れまで携帯電話メーカーは、新機種ごとにハードウェア・プラットフォームに加えてソフトウェアも開発しなければなりませんでしたが、この新プラットフォームを導入すれば、既 存のソフトウェアを他機種にも使えるようになり、将来ニーズに容易に対応できます。その結果、携帯電話メーカーの開発チームは、デザインの異なる機種を同時開発できます。また、「P2002+」プ ラットフォームのJava機能を利用すれば、携帯電話メーカーやネットワーク・オペレーターは、エンターテイメントやゲームの機能をプリインストールもしくはインターネットからのダウンロードの形で提供できます。 < /p>

世界中の携帯電話のうちカメラ機能搭載は約55パーセントにも

2004年1月にIMSリサーチ社が発表した世界のセルラー端末、基地局およびコンポーネントの市場に関する調査報告によれば、2 008年までには世界中で販売される携帯電話推定6億7,000万台のうち約55パーセントがカメラ搭載となる見込みです。レポート・アナリストのスチュワート・カーロー氏は、「 カメラ機能搭載の安価な携帯電話は、消費者市場でデータARPU(1契約者あたりの平均収益)を向上させる鍵です。インフィニオンの製品のような総合プラットフォームは、カ メラ付き電話の予想される成長の大きな力添えとなるでしょう」と、語りました。

インフィニオンのエルク・トルステン・ハイエン(セキュア・モバイル・ソリューションズ事業グループ最高責任者)は、「P2002+プラットフォームは、市場到達時間を少なくとも25%も 大幅に短縮するシステムソリューションを顧客企業に提供できるインフィニオンの実力を示すものです。このプラットフォームが持つ機能と広範なニーズ対応性を活用すれば、携 帯電話メーカーは活動の場である種々の市場に投入する様々な派生機種を同時開発できます」と、述べました。

「P2002+」プラットフォームの技術説明

インフィニオンの携帯電話IC「E-GOLD+V3」、「SMARTi DC」および「E-POWER」を使用した「P2002+」プラットフォームは、シングルボードとして提供されます。「 P2002+」プラットフォームを市場投入するため、インフィニオンはソフトウェアおよびファームウェアの主要サプライヤと連携しています。インフィニオン子会社のデーニッシュ・ワイヤレス・デ ザインとコムネオン両社が、リファレンス・デザイン、システム・ファームウェア、GPRSプロトコル・スタック、APOXIアプリケーションズ・フレームワークなどを含めて、当プラットフォームを開発しました。イ ンフィニオンの他のバリューネット・パートナーには、テレカ(WAP、MMS)、エスマーテック(Java)、エクステンデッド・システムズ(IrDa)の各社があり、それら企業はAPOXIフレームワークと「 P2002+」プラットフォームを統合したソリューションをすでに提供しています。

「E-GOLD+V3」は、移動通信に必要なアナログとデジタル全機能を内蔵した、高集積GSM/GPRSミクストシグナル・ベースバンド・チップです。2Mビット・オ ンチップSRAMにベースバンドのデジタル部分とミクストシグナル部分が組み込まれており、1.8V電源で動作します。「SMARTi DC」は、音声およびデータ通信用の完全集積RFトランシーバです。そ のダイレクトコンバージョン・アーキテクチャは、部品点数を削減し、GSM/GPRS市場のニーズに対応するため、特別に開発されたものです。「E-POWER」と 呼ばれるオールインワン型パワーマネジメントシステム用ICは、バッテリ・チャージャ、高効率DC/DCコンバータおよびレギュレータで構成され、総合モバイル端末のベースバンド、R Fおよび全周辺回路をサポートします。

インフィニオンは、次世代携帯電話用半導体システムソリューションの多用途対応性とクオリティを、仏カンヌで開催の3GSMショー(会期:2004年2月23~26日)の自社ブース(ホール1、ブース番号: A19)で行うアプリケーション・デモで披露します。

インフィニオンのモバイル・ソリューションに関する情報は下記ウェブサイトをご覧ください:
http://www.infineon.com/wireless

用語説明
APOXI(Application Programming Object-Oriented Extendable Interface)は、モバイル端末向けのマン・マシン・イ ンターフェイスとアプリケーション開発用のオブジェクト・オリエンテッド・フレームワークです。これは携帯型の組み込みデバイスに特有なニーズに応えるために開発されたもので、モバイル端末専用のAPI( アプリケーション・プロトコル・インターフェイス)となっています。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFSMS200402.039

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  • Infineon's 2002+ platform brings camera functionality, polyphonic-ring tones, color displays and Java capability to mid-range mobile phones. Featuring all hardware and software components required for camera-capable phones, it has the potential to reduce the development time of mobile phones and their derivatives by 25 percent to 50 percent.
    Infineon's 2002+ platform brings camera functionality, polyphonic-ring tones, color displays and Java capability to mid-range mobile phones. Featuring all hardware and software components required for camera-capable phones, it has the potential to reduce the development time of mobile phones and their derivatives by 25 percent to 50 percent.
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