スマートホーム革命の到来! - そしてインフィニオンがその革命をいかに支援するのか

ゲスト: Steve Hanna (Steve ハンナ)
配信開始日: 2021年4月28日

モデレーター:

「モノのインターネット」の可能性はよく知られていますが、実際にどのように導入すればよいのでしょうか。人々や企業はどのようにしてその恩恵を受けることができるのでしょうか。このポッドキャストでは、インフィニオンや、パートナー、ユーザー企業のエキスパートをお迎えして、どのようにIoTを実現できるかお話をお聞きます。私はモデレーターのThomas Reinhardt (トーマス ラインハルト) です。このような素晴らしい機会に恵まれ、皆さんとポッドキャストを共有できることをうれしく思っています。

スマートホーム革命の到来、本エピソードでは、それが何を意味するのか、この革命の背後には何があるのか、そしてインフィニオンは何をすべきなのかについて、インフィニオンのSteve Hanna (Steve ハンナ) さんと議論します。Steveは、インフィニオンのDistinguished EngineerでIoTのパイオニアでもあり、Matterワーキング グループ内のセキュリティ チームをいくつか率いています。Steveさん、今日はご参加いただきありがとうございます。

ゲスト:

こちらこそ、ご招待いただきありがとうございます。

モデレーター:

Steveさん、特に昨年は、スマートホーム アプリケーションの需要が大幅に増加しました。スマートホームはかっこよくて便利で効率的ですが、管理は非常に複雑になりがちです。スマートデバイスを接続してスムーズに動作させることは、非常に難しいことです。リスナーのみなさんの中にも、同じような経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。スマートホーム機器の設定や同期に無駄な時間を費やすことがあるでしょう。そんなみなさんに朗報ですよね。

ゲスト:

はい、その通りです。スマートホームのアイデアは消費者のみなさんに愛されていますが、より簡単で、より互換性があり、より安全でなければなりません。だからこそ、「Matter」規格が重要なのです。Google社、Apple社、そしてAmazon社の3社は、その他170以上の企業と一緒になって、Connectivity Standards Allianceの下にMatterワーキング グループを結成しました。このワーキング グループでは、参加企業のスマートホーム機器の間で動作する、完全に相互運用可能なスマートホーム規格を策定しています。スマートホーム機器の規格が統一されることで、消費者も機器メーカーも恩恵を受けることができます。

モデレーター:

それは期待が膨らみますね。でも、どのように実現するのでしょう?

ゲスト:

一例を挙げましょう。新しいコーヒー メーカーを購入したとします。このコーヒー メーカーは、もちろんMatter規格に対応しています。箱にはMatterのロゴが入っているので、テストを受けて認証されていることがわかり、スマートホームの他のすべての機器と連携することができます。

家に持ち帰ると、一日中待ち望んでいたエスプレッソをすぐに飲みたくなるでしょう。心配はご無用です。長く待つ必要はありません。まず、コーヒー メーカーについているQRコードをスマートフォンで読み取ります。そのQRコードには、コーヒー メーカーの固有のIDが入っています。これで、どの機器に接続しようとしているのか、スマートフォンが正確に把握することができます。

そして、コーヒー メーカーのボタンを押すと、自動でオンボーディング プロセスが開始されます。あなたの携帯電話とコーヒー メーカーは無線で接続されます。プロセスの最後に、コーヒー メーカーはスマートフォンで完全に認証され、ホーム ネットワークに接続するために必要なすべての情報がプロビジョニングされ、家庭内の他のすべてのデバイス (スマート スピーカーなど) とシームレスに接続して動作できるようになります。

従って、スマート スピーカーに「エスプレッソを淹れて」と頼むだけでOKなのです。簡単でしょう? コーヒー メーカーのプラグを差し込んでからエスプレッソを淹れるまで、おそらく2分くらいでしょうか。

モデレーター:

いいですね! そして、簡単そうですね。

オンボーディング プロセスでは、認証、証明、設定の一連の手順が実行されるとのことですが、実際はどうなのでしょうか? 多くのお客さまにとって、デバイスのセキュリティを確保することは重要な課題のひとつです。ホーム デバイスは非常にプライベートな情報を扱い、プライベート ネットワークにアクセスするため、接続性とデータを保護する安全な方法が必要です。Matter社はこの重要な問題にどのように取り組んでいるのでしょうか?

ゲスト:

その通りです。スマートホームのセキュリティは必須です。

だからこそ、Matterチームはセキュリティを強固かつ簡単にするために多くのエネルギーを注いできました。Matterデバイスはすべて、テストおよび認証が行われ、すべてのメッセージは商用グレードの暗号キーで保護されます。しかし、ユーザーがその鍵を目にすることはありません。代わりに、MatterデバイスはQRコードやその他の使いやすいメカニズムを使って強力な暗号キーを確立します。ユーザーは煩わしさを感じることなく、強力なセキュリティを手に入れることができるのです。

しかし、これらはすべて、暗号鍵を安全に保管できなければ機能しません。そこで登場するのがハードウェア ベースのセキュリティです。鍵を生成し、安全に保管することで、デバイスを常に保護することができます。デバイスメーカーにとっても、鍵の生成、クレデンシャルのプロビジョニング、安全なファームウェアのアップデートなど、セキュリティの難しい部分がすべてハードウェアで処理されるというメリットがあります。

モデレーター:

そこで、インフィニオンの出番となるわけですね。

ゲスト:

インフィニオンは、セキュリティ チップからプロセッサ、電源、センサー、通信に至るまで、スマートホーム製品向けの半導体を提供するリーディング カンパニーです。数十年にわたる経験をもとに、お客様がスマートホーム製品をより安全に、より使いやすくするためのサポートを行っています。

インフィニオンのハードウェア セキュリティは、ユーザーのプライバシーとデータ セキュリティの保護という点において他社と一線を画しています。インターネット接続下の生活を安全かつ簡単にするための当社の専門知識は、お客様から大きな信頼を得ています。

インフィニオンは、Matterワーキング グループの一員として、暗号化のための暗号プリミティブ、デバイスの認証と整合性、スマートホーム デバイスのセキュリティ要件認証などを扱うチームなど、主要なセキュリティ チームを率いてきました。

モデレーター:

ここまでは、Matterがエンドユーザーにもたらすものについてお話してきました。デバイス メーカーやサービス プロバイダーはどうでしょうか? 彼らはこのプロジェクトからどのような恩恵を受けているのでしょうか?

ゲスト:

機器メーカーやサービス プロバイダーは、スマートホームの規格を統一することを切望しています。現在は、クラウド サービスごとに異なるプロトコルを実装しなければならない「バベルの塔」状態になっています。また、あるスマートホーム機器と別の機器との間で直接通信させるのは大変困難です。

aMatterは、スマートホーム用の標準セット1つとオープンソースのリファレンス1つを実装することで、相互運用性の問題を解決します。Matterの詳細およびソースコードは、infineon.com/connectedhome をご覧ください。

モデレーター:

そしてもちろん、いつも気になる質問です。最初のデバイスはいつリリースされますか?

ゲスト:

最初のMatter対応製品が店頭に並ぶのは、2021年末の予定です。時間的な制約があるため、既存のモデルをアップデートして、従来のプロトコルと同様にMatterプロトコルをサポートするものが中心になると思います。純粋なMatter製品は、2022年に登場する予定です。

モデレーター:

ありがとうございました。これで今回のエピソードは終わりです。Steveさん、エキサイティングな洞察をありがとうございました。最初のMatterデバイスが私のスマートホームに入ってくることを楽しみにしています。

リスナーのみなさん、さらに詳しい情報は infineon.io/jp をご覧ください。まもなく次のエピソードを公開します。次回のエピソードでは、IoTがどのように建物をより安全で快適なものにするのかを聞いていきます。では次のポッドキャストでまたお会いしましょう。