マイクロエレクトロニクス システムのさらなる小型化を実現する研究に成功

-車載、産業、通信用エレクトロニクス分野に活用-

2013/08/21 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2013年8月21日、ノイビーベルク(ドイツ)

このたび、高集積システム イン パッケージ ソリューションの研究開発を目的とした、欧州最大の研究プロジェクトが、成功裏に完了しました。これは、ESiP(Efficient Silicon Multi-Chip System-in-Package Integration:効率的なシリコン マルチチップ システム イン パッケージ集積)プロジェクトと呼ばれるもので、プロジェクト パートナーは、コンパクト性と信頼性を高めた将来のシステム イン パッケージ ソリューションの実現に取り組んできました。また、より簡単な分析・試験方法の開発にも成功しました。プロジェエクトでは、独 インフィニオン テクノロジーズの指揮の下、欧州9カ国よりマイクロエレクトロニクス企業と研究機関40団体が協力しました。参加9カ国の公共機関とENIAC共同事業が、ESiPの資金を拠出しました。欧 州各国の参加機関の中で最大の後援団体である独連邦教育研究省(BMBF)は、欧州レベルでの戦略的提携の推進を通じてマイクロエレクトロニクスの拠点としてのドイツの地位を強化するため、ド イツ政府のハイテク戦略の一環としてプロジェクトを支援しました。

システム イン パッケージとは、生産技術や構造幅の異なる複数のチップを、単一のチップ パッケージで、並べて組み込んだり、互いに積み重ねることで、スムーズな連携を実現することを意味します。

具体的には、SiPパッケージ内で複数のチップを組み合わせ、製造する方法や、信頼性を測定する手順、障害の分析・試験用の機器が開発されました。さらに、最 新のCMOS技術を採用した顧客用途向けプロセッサ、発光ダイオードやDC/DCコンバータ、MEMS(微小電子機械システム)およびセンサ部品、受動部品(小型キャパシタ/インダクタ等)など、容 積を最小限に抑えたSiPパッケージで、さまざまな種類のチップの集積を実現する基礎技術が開発されました。ESiPに関するこのような研究結果を活用することで、将来的なマイクロエレクトロニクス システムでは、より多くの機能を搭載しつつ、小型化と信頼性の向上を著しく推進できます。

こうした小型SiPソリューションは、電気自動車、産業用アプリケーション、医療用機器、通信技術など、各種用途での利用が考えられます。

ESiPによって、単一パッケージ内に2つ以上の全く異なるチップを集積した、SiPソリューション向けの新たな生産工程が開発されました。また、SiPソリューションの製造用の新素材についても、研 究が行われました。研究パートナーは、20種類以上の試験車両について、新たな生産工程の実行可能性と信頼性を実証しました。さらに、研究作業を通じ、現存の一般的な試験手順では、将 来的なSiPソリューションには、対応できないことが確認されました。そのため、3D SiP用に新たな試験フロー、プローブ ステーション、プローブ アダプタを開発しました。

インフィニオンのクラウス プレッセル(Dr. Klaus Pressel)(組立/パッケージング ソリューションの国際協業担当プロジェクト責任者)は、次のように述べています。「 ESiP研究の成功により、小型マイクロエレクトロニクス システムの開発、製造に関する欧州の地位は向上します。ESiPの研究結果により、今後は、マイクロエレクトロニクス システムのさらなる小型化と改良が可能となる見込みです。私たちは、SiPソリューション向けの新たな製造プロセス、原料のほか、ソリューションの試験、障害分析の実行、信頼性評価の方法も開発しました」

ESiPの研究パートナー
ドイツの研究パートナーとしては、フラウンホーファー協会に所属する3つの研究機関に加え、Cascade Microtec Dresden GmbH、Feinmetall GmbH、インフィニオン、InfraTec GmbH、PVA Tepla Analytical Systems GmbH、Siemens AG、Team Nanotec GmbHが参加しました。

ESiPの総予算は、欧州全域で約3,500万ユーロに上り、うち半分の資金は、プロジェクト パートナー40団体が拠出しました。残り半分のうち、3分の2は、オーストリア、ベルギー、フ ィンランド、フランス、ドイツ、英国、イタリア、オランダ、ノルウェーの各国の資金提供団体によって、、3分の1は、ENIAC共同事業を通じ、欧州連合によって資金が提供されました。ドイツ国内では、独 ザクセン自由州に加え、独連邦教育研究省(BMBF)が、「Information and Communications Technology 2020」プログラム(IKT 2020)の一環として、E SiPプロジェクトの後援団体となっており、約310万ユーロを拠出しました。

欧州研究プロジェクトESiPについての詳細は、下記URLをご参照ください。 www.eniac.eu/web/downloads/projectprofiles/call2_eniac_esip.PDF

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 012会計年度(9 月決算)の売上高は39億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

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INFXX201308.061