「DIANA」プロジェクトの最新の研究結果により、自動車システムエラー訂正の迅速化が実現

2013/08/05 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2013年8月5日、ノイビーベルク(ドイツ)

2015年以降、自動車が修理店で費やすべき時間は、大幅に短縮されると考えられます。これは、アウディ社、コンチネンタル社、独インフィニオン テクノロジーズ、ZMDIの共同研究活動によって、実 現可能となる見込みです。「DIANA」プロジェクトはこれまで、自動車の電子制御ユニット(ECU : electronic control units)の分析・診 断能力を向上させる方法に取り組んできました。そして、インフィニオンのリーダーシップのもと、この3年間の研究活動では、より細分化されたエラー検出を可能にし、修 理店でこうしたエラーの訂正時間を大幅に短縮する方法が開発されてきました。研究機関や大学の支援も受け、「自動車の持続的、散発的エラーの分析を目的とした、半導体コンポーネントと高レベル システムの包括的な診断機能」(=ドイツ語の頭文字で「DIANA」に相当)への道が切り開かれています。

車載用エレクトロニクスは、今日、極めて複雑なものとなっています。最新の自動車では、平均して80個のECUが使用されており、高級車の場合、その数は100個以上にもなります。こ れまでの経験によると、自動車のエレクトロニクス システムで報告される多くのエラーの中から、正確な原因を明確に特定することは非常に難しいといえます。修理店では、エラーが最終的に取り除かれるまで、シ ステム コンポーネントを規則的に交換することで、エラーの明確な形を絞り込んでいく以外に、方法がないことも多々あります。

しかし、「DIANA」プロジェクトで考案された方法によって、今後、自動車の電子回路エラーは、これまでよりも大幅に短期間で特定できるようになり、より効率的な修理が可能になります。こ のような形でプロジェクトを実現した決定的な要因は、半導体の生産工程で使用される品質管理の手法にあります。その際、自動車に組み込まれた半導体チップを、自動車自身の診断システムに直接的に使用できるよう、「 DIANA」の研究パートナーによって、こうした手法の開発が進められてきました。結果、自動車のECUは、運転前、運転中に関わらず、状態を継続的に監視することができます。また、診断データは、事 前に処理された形で、ECUの高レベル システム コンポーネントへと送られるため、継続的に収集された自己診断データに基づき、発生の早期段階でエラーを検出できます。エ ラーを診断する必要のある修理店の電子機械系エンジニアにとって、これは大きなメリットといえます。「DIANA」のパートナー各社による、明確な目標と連携に基づく研究・開発活動なくして、自 動車でこのような包括的な診断機能を実現することは不可能でした。

この診断技術の自動車分野での信頼性が実証された際には、電車や航空機といった、自動車以外の交通分野や、さらには医療技術など、安全性の重要視されるその他の分野での応用が、確 実に視野に入ってきます。

「DIANA」研究プロジェクトは、ドイツ連邦政府のハイテク戦略と「Information and Communication Technology Program 2020(IKT 2020)」の一環として、独連邦教育研究省(BMBF)より、約480万ユーロの資金援助を受けています。自動車とモビリティは、「IKT 2020」プログラムの主要分野であり、車 載用エレクトロニクスの堅牢性を大幅な向上をその目標に掲げています。

上記以外のプロジェクト参加団体
プロジェクト パートナー4社はこれまで、ドレスデンのフラウンホーファーIIS(集積回路研究所)、ミュンヘンの連邦国防軍大学、コトブス大学、エルランゲン ニュルンベルク大学、シュトゥットガルト大学の支援を受けてきました。

アウディ社について
アウディ社は、高級車部門の自動車メーカーであり、2012年の自動車の販売台数は145万5,123台でした。ドイツのインゴルシュタットおよびネッカースウルムと、ド イツ国外の8拠点で、自動車の開発・生産を行っています。傘下のLamborghiniとDucatiも含むグループの従業員数は7万人で、2012年の売上高は488億ユーロでした。

コンチネンタル社について
コンチネンタル社は、世界を代表する自動車サプライヤーであり、2012年の売上高は327億ユーロでした。ブレーキ システム、パ ワートレイン/シャーシ向けのシステム/コンポーネント、計測器具、インフォテイメント ソリューション、車載用エレクトロニクス、タイヤ、テクニカル エラストマーのサプライヤーとして、運 転時の安全性と世界的な環境保護の向上に貢献しています。コンチネンタル社は、ネットワーク化された自動車通信分野の専門パートナーでもあります。同社は現在、4 6カ国で約17万3,000人の従業員を雇用しています。
詳細については、下記URLをご参照ください。
www.continental-corporation.com

ZMDIについて
Zentrum Mikroelektronik Dresden AG(ZMDI)は、自動車、工業、医療、モバイルセンサー、情報技術、家電の各分野を対象に、ア ナログ/ミクストシグナル半導体ソリューションを提供するグローバル サプライヤーです。同社のソリューションを使用することで、パワーマネジメント、照明、センサーの分野では、最 高のエネルギー効率を誇る各種製品を開発できます。50年以上にわたって、同社はドイツ ドレスデンにグローバル本社を置いています。全世界での従業員数は320人強で、ドイツ、イタリア、ブルガリア、フランス、 アイルランド、日本、韓国、台湾、米国に営業所とデザインセンターを置いています。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 012会計年度(9 月決算)の売上高は39億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX201308.059