インフィニオンテクノロジーズが2005会計年度の第3四半期(4~6月)業績を発表

2005/07/26 | ビジネス&フィナンシャルプレス

梗概

  • 第3四半期の売上高は16億1,000万ユーロで、対前四半期比で安定を維持。通信および自動車・産業&マルチ市場両部門の減収をメモリ製品部門の増収で相殺したことを反映
  • 第3四半期のEBITの赤字には、主にミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了計画に関連した引当金8,100万ユーロと通信部門の減損引当金を含む。第 3四半期のEBITの赤字は前四半期の1億1,700万ユーロから2億3,400万ユーロに増加。第2四半期ではEBIT赤字は主に通信部門の再編措置に伴う引当金純総計額7,400万ユーロが影響
  • 第3四半期の純損失は前四半期の1億1,400万ユーロから2億4,000万ユーロに増加
    2005会計年度当初9カ月間の売上総額は50億3,000万ユーロで前年同期の52億ユーロから減少。2005年度当初9カ月間(10月~6月)の EBIT損益は1億4,000万ユーロの赤字で前年同期の1億4,300万ユーロの黒字から転落。2 005年度当初9カ月間の純損益は2億1,200万ユーロの赤字で前年同期の1,700万ユーロの黒字から後退
ユーロ 第3四半期
(2005年6月期)
前四半期
(2005年3月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年6月期)
対前年同期比
増減率
売上高 1,606 1,606 +0% 1,908 -16%
EBIT -234 -117 -100% 2 ---
純損益 -240 -114 --- -56 ---
1株当たり損益
(ユーロ)
-0.32 -0.15 --- -0.08 ---


2005年度第3四半期には、売上高は全体的に安定を維持しました。メモリ製品部門では、前四半期と比べてビット単価が約30パーセント低下しましたが、ビット・ベ ースでの出荷量が約45パーセント増加して単価下落分を十二分に相殺しました。通信部門では、ベースバンドデバイスの需要減が続いたものの、有線事業の収入は安定を保ちました。自動車・産業&マルチ市場部門では、 自動車および産業両事業の売上高はやや増加しましたが、セキュリティ&チップカードIC事業の後退を完全には補い切れませんでした。

事前の予測通り、EBIT赤字は対前四半期比で大幅に増加しました。EBIT赤字の拡大は主に、メモリ製品部門の価格水準が前四半期に比べて落ち込んだことと特にセキュリティ&チ ップカードIC事業で価格圧力が続いたことが原因です。加えて、主 にミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了計画に関連した経費8,100万ユーロと通信部門の減損引当金がEBITにマイナスの影響を与えました。因みに、第 2四半期のEBIT赤字には主に通信部門の再編措置に伴う純総計額7,400万ユーロが影響していたことを考慮する必要があります。

インフィニオンの最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは、「当社の企業再編措置は順調に進んでいます。但し、第 3四半期にはメモリ製品およびチップカードIC事業と一部のベースバンド顧客企業との取引に逆風が見られました。それにもかかわらず、当社は第4四半期には第3四半期よりも状況は改善すると予想しています」と、語 りました。

事業グループ別の2005年度第3四半期業績と見通し
インフィニオンは2005会計年度第2四半期から、新しい組織体制に基づく財務状況と業績の報告を始めています。当社の組織構造を市場動向に合わせるため、モ バイル通信と有線通信の両部門を新しい通信事業グループに統合し、同時にセキュリティ&チップカードIC事業とASIC&設計ソリューション事業を自動車・産業&マ ルチ市場事業グループとして拡充した組織に統合しました。なお、新しい発表形式との間に整合性を持たせるため、2005年度第2四半期以前の期間の決算値については分類調整しています。

自動車/産業&マルチ市場(AIM)

:百万ユーロ 第3四半期
(2005年6月期)
前四半期
(2005年3月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年6月期)
対前年同期比
増減率
売上高 625 634 -1% 669 -7%
EBIT 23 36 -36% 74 -69%
自動車・産業&マルチ市場事業グループでは、2005年度第3四半期に売上高が対前四半期比でやや減少しました。これは、第3四半期の市場需要の急速な減退によりセキュリティ&チ ップカードIC事業で予想以上の価格圧力があったのが主因です。産業部門で強い価格圧力があったにもかかわらず、自動車および産業事業の売上高はやや増加しました。自動車・産業&マ ルチ市場部門のEBIT黒字は対前四半期比で減少しました。これは主にセキュリティ&チップカードIC事業で非常に強い価格圧力があったためで、生産性改善措置によって完全には補い切れませんでした。加えて、ミ ュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了計画に関連した品目移転関連の経費とクリム(マレーシア)の新しい生産拠点への投資がEBITにマイナスの影響を与えました。

自動車/産業&マルチ市場事業グループの2005年度第4四半期の見通し
当社は2005年度第4四半期には、自動車および産業事業の季節的な強さがプラスに働くと予想しています。但し、第4四半期にはセキュリティ&チ ップカードIC事業には改善は見られないと予測しており、引き続き生産性改善に集中する方針です。ミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了計画とクリム(マレーシア)の 新しい生産拠点の立ち上げ関連の経費は2006暦年末にかけてEBITにマイナスの影響を及ぼすと予想されます。自動車・産業&マルチ市場事業グループ全体としては、第4四半期には売上高、E BITともに安定を維持すると当社は見込んでいます。

通信(COM)
位:百万ユーロ 第3四半期
(2005年6月期)
前四半期
(2005年3月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年6月期)
対前年同期比
増減率
売上高 314 332 -5% 419 -25%
EBIT -88 -142 +38% 2 ---
通信部門では、主に一部の顧客企業からのベースバンドデバイスの需要がさらに落ちたことと継続的な価格圧力から、売上高は対前四半期比で低下しました。有 線通信事業では2005年度第3四半期には前四半期と比べて安定を維持しました。EBIT赤字は対前四半期比で大幅に縮小しており、これは主に遊休設備コストの低下、在庫費用の減少、研 究開発支出の減額によるもので、第2四半期に着手した効率改善プログラムの遂行が成功を収めた結果といえます。なお第2四半期のEBIT赤字には、主 に一部の通信事業の再編措置に伴う純引当金4,400万ユーロが含まれていたことを考慮する必要があります。第3四半期のEBITには減損引当金3,700万ユーロがマイナスに働きました。

通信事業グループの2005年度第4四半期の見通し
2005年度第4四半期には、当社は通信部門の売上高は第3四半期と比べて横ばいか増加すると予想しています。通信部門のEBIT赤字は、減 損引当金を除外した第3四半期のEBIT赤字と比べて横ばいかやや減少すると見込んでいます。


メモリ製品(MP)
ユーロ 第3四半期
(2005年6月期)
前四半期
(2005年3月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年6月期)
対前年同期比
増減率
売上高 659 633 +4% 811 -19%
EBIT -125 17 --- -50 ---

メモリ製品部門では、前四半期と比べてビット単価が約30パーセント低下したものの、ビット・ベースでの出荷量が約40パーセント増加したこととユーロの対ドル軟化の結果、2 005年度第3四半期の売上高は対前四半期比で増加しました。EBITの予想以上の後退は前四半期と比べて予想以上の価格下落があったこととリッチモンドの300ミリ生産施設の立ち上げ経費が主因で、第 3四半期の大幅なチップ当たりコストの低下でそれを完全には補い切れませんでした。第3四半期のEBITには主に減損引当金による引当金900万ユーロが不利に働きました。

メモリ製品事業グループの2005年度第4四半期の見通し
2005年度第4四半期には、当 社はシステムあたりのメモリ搭載量増大と世界的なメモリ製品需要の増加および当社の一部競合企業による非DRAM製品への生産能力の転換に伴う業界の供給量の伸びの緩慢化を予想しています。このため、当 社は第4四半期には市場の需給関係が比較的バランスのとれたものになり、価格安定化が促されると予想しています。加えて、当社の合弁会社やファウンドリ・パ ートナーの持続的な生産能力拡大とリッチモンドの300ミリ生産施設の立ち上げ開始により当社のビット・ベースでの出荷量は市場の成長を上回るペースで増加し、そ れを背景に当社の市場シェアはさらに拡大すると見込まれます。当社はマージン改善と価格変動影響の軽減を目標に、今後もメモリ製品ポートフォリオの多様化を集中的に推し進めます。


その他の事業部門
第3四半期
(2005年6月期)
前四半期
(2005年3月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年6月期)
対前年同期比
増減率
売上高 3 4 -25% 1 +++
EBIT -1 11 --- -9 +++
2005年度第2四半期に当社のベンチャーキャピタル活動の売却による利益1,300万ユーロが、その他の事業部門で有利に働きましたが、第3四半期にはそうした材料はありませんでした。

コーポレート&リコンシリエーション(社内・調整)
第3四半期
(2005年6月期)
前四半期
(2005年3月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年6月期)
対前年同期比
増減率
売上高 5 3 +67% 8 -38%
EBIT -43 -39 -10% -15 ---
コーポレート&リコンシリエーションでは、2005年度第3四半期にEBIT赤字が対前四半期比で増加しましたが、こ れは主にミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了計画に関連した再編措置による引当金3,500万ユーロが主因です。

インフィニオンの2005年度第3四半期の部門別の事業ハイライトについては、下記サイトをご覧ください:
http://www.infineon.com/news/

お断り
当リリースには、インフィニオンの今後のビジネスに関する展望的見解が含まれています。そうした展望的見解が該当するものには、世界の半導体市場(特にメモリ製品市場)の動向、イ ンフィニオンの成長性、研究開発提携や研究開発活動によってもたらされるメリット、生産能力の拡大と刷新のための当社の今後の投資水準、当社工場での新技術の導入、当社生産プロセスのより微細な構造への転換、そ うした転換や他のイニシアティブ(率先行動)に伴う経費削減、業界標準に基づく当社の技術開発の成功、当社が自社技術に基づいて商業性のある製品を提供できる能力、当 社の経費削減と成長の目標を達成できる能力などがあります。そうした展望的見解は多くの不確実な要因によって左右されますが、そうした要因には、半導体全般の需要および価格動向をはじめ、当 社自身ないし他社との提携による開発努力の成功、当社生産施設における新しい生産プロセス導入の成功、競合他社の動向、拡張計画を遂行するための資金調達、独 禁調査と訴訟問題の結末および当文中で述べられたその他の要因があげられます。したがって、当社における実際の業績は、当文中で記載された内容とは実質的に異なることがありえます。「Infineon」および「 Infineon Technologies」の意匠はともにInfineon Technologies AGの登録商標およびサービスマークです。他の登録商標はすべて、各々の所有者に属します。



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インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、メモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の子会社を拠点として活動しています。2004会計年度(9月決算)の売上高は71億9,000万ユーロ、2004年9月末の従業員数は約35,600名でした。インフィニオンは、フ ランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください:
本社サイト:http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX200507.070

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