インフィニオテクノロジーズが4チャネルSHDSLトランシーバを発表

2001/06/04 | マーケットニュース

独インフィニオン・テクノロジーズは、本日、SHDSL(対称高ビットレート・デジタル加入者線)用のトランシーバIC「SOCRATES-4」を 発表しました。「SOCRATES-4」は、4本の完全なSHDSLチャネル(アナログ部およびデジタル部)を単一デバイスに集積し、消費電力は業界で最も低く抑えられています。DSLAM( DSLアクセス多重化装置)やDLC(デジタルリンク制御装置)のラインカードなど、多チャネル装置に最適なトランシーバです。

インフィニオンのクリスティアン・ヴォルフ(通信事業グループ担当副社長兼キャリア・アクセス部門ゼネラル・マネージャ)は、「高密度システムに対する需要の増大により、システム・ベンダーは、高 集積で低電力のシリコン・ソリューションを必要としています。SOCRATES-4によって、顧客はこれらのファクタの最適化と、費用の低減をはかることができます。ILEC、CLEC、ISPなどのサービス・プ ロバイダは、このデバイスにより、既存の銅線ネットワーク上で、より競争力のあるソリューションを大企業向けおよびSOHO市場に提供できます」と語りました。

「SOCRATES-4」は、インフィニオンが2000年4月に発表した1チャネル・トランシーバ「SOCRATES」をベースとしています。業界最少のチップ数で多チャネル装置の実現を可能にし、外 部受動部品数も削減されます。さらに、消費電力がチャネル当たり700mW以下と、競合ソリューションよりも30%も低く抑えられます。

多チャネル統合デバイス「SOCRATES-4」  インフィニオンは、SHDSL機能を単一パッケージに統合することに関して市場をリードしています。「SOCRATES-4」では、アナログ・フ ロントエンド、回線ドライバ、マイクロコントローラ、ハイブリッド回路、フレーマ、HDLCコントローラ、メモリを、388ピンBGAパッケージに納めました。これにより、高 密度ラインカードに要求されるボード面積が大幅に削減されます。たとえば、72チャネル・ラインカードでは、ポートあたりわずか6平方センチメートルしか必要としません。シリコンチップの占有面積を低減でき、さ らに、システム費用を節約できます。このデバイスは、DSLAMやDLCだけでなく、多チャネルIAD(統合アクセス装置)、E1/T1の置き換え、4線リピータなどにも使用できます。

SHDSLについて SHDSLは、ビット速度が192 kbpsから2.3 Mbpsで、ITU G.991.2およびETSI TS 101524で標準化されています。SHDSLは、現 行の2B1Qに基づくSDSL技術よりも、伝送距離を約25%長くでき、しかも周波数スペクトルは、ADSLのような他のDSLサービスと共存性をもっています。ま すます重要性が高まっているインターオペラビリティの点でも、SHDSLはまさに、HDSL、HDSL 2、SDSLなどの、すべての対称DSL技術の後継方式となります。

4チャネルSHDSLトランシーバIC「SOCRATES-4」(型名「PEB242622」)は、完全なファームウエアおよび評価ソフトウエアのパッケージと一緒にサンプル出荷中です。3 2チャネルDSLAM評価ボードも供給しています。「SOCRATES-4」は、388ピンBGAパッケージ入りで、価格はチャネルあたり20米ドル、量産出荷開始は2001年第3四半期の予定です。


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INFCOM200106.085e

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  • Infineon Launches SOCRATES 4 the Industry's Lowest Power Multi-Channel SHDSL Transceiver for High Density Line Cards
    Infineon Launches SOCRATES 4 the Industry's Lowest Power Multi-Channel SHDSL Transceiver for High Density Line Cards
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