デジタルウォレット、IoT、決済: ワンランク上の利便性を創造

2022年5月23日

これまでは、財布を家に忘れて外出すると、一日中たいへんな目に遭うことがありました。銀行カードや現金が利用できない場合、昼食代や地下鉄の切符代を支払うのに、同僚からお金を借りなければならないかもしれません。 しかし、最近では、財布やプラスチック製の銀行カードを取り出さずに、公共交通機関を利用し、コーヒーを購入し、パーキングメーターの料金を支払い、映画のチケットを購入することができます。消費者は、好みのスマートデバイスでデジタルウォレットを持ち歩き、状況や場合に応じて、好みの決済手段を選択できます。

なぜそのようなことが可能なのでしょうか?私たちが「スマートで、コネクテッドな決済とデジタルウォレット」と呼ぶものを使えば可能です。基本的に、このようなデジタルウォレットは、スマートフォン、ウェアラブル端末、さらにはコネクテッドカーやスマートスピーカーなど、さまざまな形状で利用できます。

技術の発展とともに、常に概念は進化していますが、最も基本的なレベルでは、スマートコネクテッドペイメントは、インターネットに接続された日常的なモノを使用してデジタル決済取引を実現します。

簡単、迅速、便利な決済へと進む傾向は、パンデミックで加速し、世界規模で年間小売売上高の5兆ドルが、オフラインからオンラインへと移行しました。この傾向が続いて、サービスプロバイダーがさらに多くのIoT対応デバイスを製造していくと、新しいフォームファクターが、高度なセキュリティを提供し、消費者や決済のデータを保護するのと同時に、スムーズな支払いを体験できることがますます重要になります。

現在のコネクテッド ペイメント デバイスやデジタルウォレット

2020年のヨーロッパ米国では5人に1人近くがスマートウォッチを着用したり、インターネットに接続できるアクセサリーを日常的に使用したりしていました。スピーカーやアプリ、そして世界的なスマートフォンの普及など、他のスマートアシスタントデバイスを追加すると、スマートコネクテッドデバイスが主流の支払い方法になる可能性があることが、すぐにわかっていただけるでしょう。

また、生体認証センサー搭載の決済カードの試験運用や展開をするカード会社も増えています。こうしたカードは売り場において、便利で安全性の高い高額取引を可能にします。消費者は、すでに電子ウォレット、アプリ、近距離無線通信 (NFC)、生体認証センサーカードを使用して支払う便利さを認識しており、これらの技術を信頼しています。

さらに新しい決済方法も登場しています。Juniper Researchによると、決済対応のスマートホームデバイスの数は2025年に27億台を超えると予測されています。自動車もまた、4輪車に搭載されたデジタルウォレットが登場する新たな機会で、自動車のコネクテッドコマースが実現するのはそう遠くないでしょう。まもなく、自分の車からガソリン代を支払ったり、食料品の配達を注文するなどの決済をしたりできるようになると予想されています。

また、スマートテレビでは、視聴者がエピソードを一時停止してリモコンを1回クリックするだけで、画面上の俳優が着ているセーターを購入できるようになるかもしれません。 さらに、デジタルウォレット、仮想現実や拡張現実での決済は、大きな可能性を秘めています。消費者は、スマートグラスなどのコネクテッドデバイスを介してデジタルIDに安全にアクセスし、外出先で仮想商品の支払いをスムーズに行いたいと考えています。

スマート コネクテッド デバイス使った決済の安全性

消費者がスマートスピーカー、スマートTV、自動車、さらにはスマートグラスを介して、物理的な商品やサービスを購入できる未来は、最高レベルの顧客体験を提供しながら、最高水準の決済処理とデータセキュリティを順守することにかかっています。

スマートグラスで仮想商品を購入したり、コネクテッドカーでサービスを利用したりする際に、顧客にPINの入力を求めるのは実用的ではありません。それに代わるのが生体認証技術で、強固なセキュリティと利便性を同時に実現できる可能性があります。生体認証の種類は、保護するデバイスの種類によって異なります。

さまざまなデバイスで、機密性の高いアプリケーションや決済情報の保護が、音声、顔、虹彩、指紋の生体認証によりさらに強化されます。 スマートコネクテッドデバイスには、セキュリティの基盤として、また信頼のアンカーとして機能する、専用のEMV®認定セキュアエレメントやチップが搭載されていなくてはなりません。

この基盤の上に、生体認証によるセキュリティ対策が施されており、スムーズで安全な決済を実現しています。世界的に認められたセキュリティ規格に準拠するこれらのデバイスでは、ハードウェアベースのターンキーソリューションが重要な役割を果たします。ネットワーク接続を処理するアプリケーションプロセッサーやマイクロプロセッサーのセキュリティ対策も強化しなければなりません。

デバイスメーカー、サービスプロバイダー、チップサプライヤーをより緊密に結びつける完全なエコシステムを構築することは、IoTのセキュリティ脆弱性への対応と成功した展開にとって不可欠です。こうしたサービス利用の実現、たとえば機密性の高い支払い認証情報のトークン化などは、スマートフォンやウェアラブル端末だけに限定されるものではなく、将来的にはテレビや自動車、その他あらゆるデジタル取引に使用されるデバイスにも対応していかなければなりません。

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スマート コネクテッド ペイメントの世界

デジタルウォレット、スマートコネクテッドデバイス、IoTによる決済は、その形態に関わらず、商取引を大きく変える力を持っています。そして、その見返りとして、消費者需要によって形作られる可能性もあります。

人々が自身の個人情報の管理をより厳密に行うことを求め、取引の透明性をより強く求めるにつれ、オンライン決済やデジタルウォレットのプロバイダーは、断片化、接続性、複雑性といった問題への対応を、継続的に行っていかなければなりません。

ユーザーは、新しい決済端末がいつどこで使用されても、確実に動作し、低コストで利用できることを期待しています。そして何よりも、しっかりと保護されていることを期待するでしょう。

それに応えるため、デバイスメーカーは、持続可能で収益性が高く、とりわけ、すべての取引において顧客の信頼に値するような製品やサービスを拡大する、新たな方法を構築する必要があります。