50~350 kWの充電器
大電力急速EV充電システムの設計
エレクトロモビリティが次第に日常生活の一部となるにつれて、より高効率の充電ソリューションに対するニーズが高まっています。より高い充電能力の急速充電ステーションに対する需要が増加するということです。大電力の公共充電インフラを設置することは、この需要に対応する一助になります。この分野での要件や技術開発を考えると、現在および将来の充電ネットワークのための、スマートな電力変換および電力管理ソリューションに対応することが求められています。
公共充電ステーションに対する需要増加
現在、公共充電ステーションは、1つの設備で最大150kWの電力を供給しています。充電駐車場では、10kV~30kVの中程度の電圧トランスが重要なコンポーネントです。そこでは、1台当たりの最大出力電力350kWという大電力充電器が使われています。この構成では、各充電器に非絶縁トポロジを使用することにより、すべての充電器が同時に最大電力を供給できます。
適切なコンポーネントの選択

理想的なパワー半導体を選択するためには、充電器の電力レベルを知ることが重要です。最終的に適切なデバイスを選択できるかどうかは、この要因によって決まります。50kWを超える電力範囲の充電器は、一般的に、インフィニオンのIGBT、CoolSiC™ MOSFET、ダイオードパワーモジュールを使います。たとえば、CoolSiC™ Easyモジュール、IGBT EconoPACK™および IGBT EconoDUAL™ファミリーです。100kWを超える電力範囲の充電器は、50~100kWのサブユニットをスタックして構成します。
インフィニオンの高品質なパワースイッチのポートフォリオは、整流ダイオードモジュールとシームレスに動作します。スイッチにはドライバが必要であり、ドライバは制御する必要があります。したがって、インフィニオンは、EV充電の設計に最適なEiceDRIVER™とあわせて、XMC™およびAURIX™マイクロコントローラを提供しています。またデータ保護とセキュリティを確保するにはインフィニオンのOPTIGA™製品をご覧ください。
技術トレンド
大電力充電器の目的は、電気自動車が内燃機関自動車に対抗できるように、充電時間を短縮することです。充電インフラの構成には2通りあります。1次側ACでの絶縁、2次側DCでの絶縁、のいずれかを選びます。
1次側ACでの絶縁
充電駐車場の場合、全体の電力容量が2~3MWだとすると、実績によれば、6~8台の大電力充電ステーションを設置可能です。電源は、一般的には、22kV~500Vの中型電圧トランスから供給されて、システムのAC側で絶縁しています。次に、ACからDCへの変換段があります。ここでは、アクティブ整流器を使う場合と、使わない場合があります。マルチパルスのパッシブ整流も一つの選択肢です。この場合、5~7%の入力電流高調波という要件を実現可能です。きわめて効率の高いMW電圧トランス(約99%)を使えば、全体システムの複雑度を低減することができます。1次側で絶縁すれば、設計者は、DC-DC変換段で非絶縁DC-DCコンバータトポロジを採用するという自由度が得られます。通常は、この構成の場合、DCコンバータブロックを使った多相バックコンバータが適しています。
2次側DCでの絶縁
もう一つのインフラ構成では、スタンドアローンアプリケーション用の50kWまたは100kWのサブユニットをスタックして、最大350kWまで得られるようにします。

システム回路図:50~350kWのEV充電器
EMIフィルタの次にAC-DCシステムが置かれます。これは、ACをDC電圧に変換するもので、通常は制御整流器を使います。DC-DC変換段は、2つのシステムとして示してあります。絶縁トランスの1次側は、DC電圧から高周波AC電圧への変換、そして2次側は、高周波ACからDC電圧への変換です。
この電力範囲で一般的な方法は、ディスクリートデバイスではなく、パワーモジュールを使うことです。AC-DC変換にVienna整流器を使う場合でも、また、AFEを使う場合でも、通常の約20kHzでの動作であれば、EconoPACK™およびEconoDUAL™を採用したIGBTベースのソリューションが最適です。CoolSiC™ Easyモジュールを利用すれば、AC-DC変換段は、約40~50kHzでの動作が可能です。

パラメトリック製品検索
ウェビナー:インフィニオンのCoolSiC™を使用した高速DC EV充電

エレクトロモビリティが日常生活の一部になるにつれ、いちだんと効率的な充電ソリューションの必要性が高まっています。この分野の要件と技術開発を見ると、今日と明日の充電ネットワークのためのスマートでコンパクトな電力変換ソリューションで対応することが課題となっています。このウェビナーでは、インフィニオンの包括的なDC EV充電ポートフォリオについて、炭化ケイ素と超高速EV充電への重要な貢献に焦点を当てて、さらに深い洞察を得ることができます。
Podcast4Engineers #1:増加する電気自動車用充電器

新しいポッドキャストシリーズの最初のエピソードは、電気自動車の充電を紹介しています。特に、充電にはどのようなシナリオがあるのか、それぞれのトポロジーにはどのような意味があるのか、設計者はどのように対処すればよいのか、などを説明しています。電気自動車の充電にはどのようなシナリオがあるのでしょうか?

Understand why to use WBG switches for bi-directional converters, the topologies used and how they function.


この電力変換ステージで見られる様々なトポロジーと、そのトップレベルの動作原理を知りたいと思いませんか?パッシブ整流方式と2レベルのアクティブ整流方式の基本的なコンセプトをご紹介します。

トレーニングのトピック:
- AURIXTMが電気自動車市場のニーズにどのように応えるか
- AURIX™ TC3xx が電気自動車の主要な課題にどのように対応しているか、またAURIX™ TC3xx マイクロコントローラの主な機能について


本トレーニングでは、以下の内容をご理解いただけます。
- 電気自動車のインバータに特化したインフィニオンのIPOSIMツールについて
- さまざまなパラメータをシミュレーションするのに必要な手順を理解し、複数のインフィニオン製品のシミュレーション結果を比較し、どの製品がお客様のアプリケーションに最も適しているかを確認

本トレーニングでは、以下の内容をご理解いただけます。
- システム要件、サイズ、コスト、時間の観点から、トラクション インバータ アプリケーションが直面する課題
- EasyPACK™ 2B EDT2の特徴的な機能を説明し、特に品質と立ち上げ能力についてインフィニオンがいかにお客様のニーズに応えているかをご説明します。

In this training you will:
- Learn about the transition from fule injection combustion engine to full battery electric vehicles and the main 48V powered applications.
- Additionally get an overview about Infineon’s comprehensive MOSFET portfolio for 48 V applications and their support material