バッテリディスコネクトスイッチ

万一の事故または緊急事態発生時には、トラック、バス、建機および農機（CAV）の電源を自動で完全に切断できることが絶対に不可欠です。したがって、バッテリディスコネクトスイッチが必要になります。特に、大型トラックその他のCAVの市場ではさまざまな自動運転または半自動運転機能を装備するようになると、このバッテリディスコネクトスイッチは、ますます重要になってきます

安全規格に従って、現在のCAVは、24Vの車両電気システムおよび冗長系の24V、さらに車室内の快適機能のための12V電源を備えています。このシステムの重要な機能は、バッテリディスコネクトスイッチです。この主電源切断は、24Vの主電源網のバッテリを冗長系24V電源網から正常かつ確実に分離するための絶縁手段です。激しい寒さからうだるような暑さまで、過酷な気象条件の地域での信頼性を保証するために、バッテリディスコネクトスイッチは、さまざまな厳しい条件および環境への耐性を持ち、確実に動作するように設計しなければなりません。

小型のバッテリディスコネクトスイッチソリューションは、組込みが容易であり、コスト削減、開発工数低減ができるので、この分野では、より小さいものが望まれます。理想的な寸法は、わずか100×50mmです。バッテリスイッチの用途では、次に示すさまざまな仕様を満たす設計を求めています。

• 厚さ：1.3mm
• 電気抵抗：60µΩ
• 熱抵抗（非絶縁の場合）：0.1K/W
• 熱抵抗（絶縁の場合）：約0.2K/W
• MOSFET1個当たりの銅充填レーザービアの個数：300

端子から端子までのRDS(on)：110µΩ

インフィニオンの低オン抵抗MOSFETにより、端子から端子までのバッテリディスコネクトスイッチ全体のオン抵抗は、160µΩを下回ります。8個のMOSFETによるオン抵抗は、室温でわずか67µΩとなっています。ボード温度120℃、500Aの電流値においても、この数値は約100µΩに増加します。標準的に用意しているデモボードの構造は、絶縁金属基板（IMS）上に、ゲートドライバとともに並列接続された8個の低オン抵抗MOSFETで構成されています。4個の過渡電圧抑制ダイオードが過電圧からMOSFETを保護します。

インフィニオンおよびシュヴァイツァーのADRバッテリディスコネクトスイッチを利用すれば、既存の制御ロジックや制御ユニットを変更することなく、パワーリレーを双安定スマート遮断器ボードに置き換える検討が可能です。また、このディスコネクトスイッチは、既存のバッテリボックスに物理的にそのまま取り付けることができます。インフィニオンおよびシュヴァイツァーによる大電流リレー代替ソリューションにおけるその他のメリットとしては、同じADR機能で制限なしであるため、ソフトウェア変更を伴わずにデモボードの評価が可能です。詳細はこちら

*ADR= the ADR regulation (European Agreement Concerning the International Carriage of Dangerous Goods by Road)

バッテリディスコネクトスイッチプロジェクトにインフィニオンのシステムソリューションを採用するべき理由が多数あります。たとえば、インフィニオンの高品質システムソリューションのFiT値は、0.05ppm未満という優れた値です。コストに関しては、インフィニオンの双安定半導体ディスコネクトスイッチボードは、メカニカルリレーよりも優れた価格性能比を実現しています。また、開閉速度も信頼できるものであり、重大な状況に際して安全な動作が可能です。最後に、安心のために付け加えると、インフィニオンのシステムソリューションは、短絡に対してきわめて堅牢に設計されています。

 インフィニオンのポートフォリオをご覧いただき、インフィニオンの半導体ソリューションを使って設計を最適化する方法をご確認ください。