ドイツ連邦教育研究省の目玉事業「信頼できる電子機器」の一環として、プロジェクトScale4Edgeが発足

2020年9月23日、ミュンヘン（ドイツ）

研究プロジェクトScale4Edgeは、信頼できる特殊なプロセッサの開発および活用をドイツで推進することを目指すものです。インフィニオン テクノロジーズの調整に基づき、産学界の22のパートナーが今後3年間力を合わせることになります。早くも今年末には最初の成果が期待されています。

インフィニオンの最高経営責任者（CEO）、ラインハルト 　プロス（Dr. Reinhard Ploss）は次のように述べています。「特にインダストリー4.0、自動運転、医療用ソリューションなどのIoT（モノのインターネット）に採用する電子機器の信頼性は極めて重要な要素です。Scale4Edgeは、オープンソースアーキテクチャRISC-Vを軸とする特殊なプロセッサの分野で、ドイツの技術的知見の発展を目指しています。これが当社の技術力の拡大と競争力の向上につながり、デジタル化の進歩に寄与することになるでしょう」

ドイツ連邦教育研究省（BMBF）は、同省の目玉事業である「信頼できる電子機器（Trustworthy Electronics）」の一環として、Scale4Edgeに約1730万ユーロを提供しています。Scale4Edgeの目的は、クラウドの影で作動するエッジコンピューティングにおけるバリューチェーン構築のために必要な知識を集積することです。このプロジェクトには、IPおよびツールプロバイダー、半導体企業、自動車、産業オートメーションおよびホームオートメーション、航空宇宙技術などの各種IoT最終製品のメーカーが参加しています。

プロジェクト発足にあたり、アニヤ　カルリチェク（Anja Karliczek）教育研究省大臣は次のように強調しました。「ドイツは革新的な国であり、今後もそうあり続けることを目指しています。国内の知力を結集すれば、私たちは半導体などの重要技術で国際的な存在感を高め、技術面で独立して行動することができます。より強力で信頼できる特殊なプロセッサに対する需要は大きく、私たちが力を合わせれば、世界的な基準を打ち建てられると確信しています。多くの熱意あふれる皆さんが、まさにこの目標を掲げてScale4Edgeプロジェクトに協力して下さっていることをうれしく思います。教育研究省の1730万ユーロの助成金を通じて、Scale4Edgeは間違いなく大きく前進するでしょう。皆さんの成功を祈っています」

目標は、RISC-Vアーキテクチャを中心とするエッジコンピューティング用のスケーラブルなエコシステムを構築することです。これにより、スマートホームや自動運転車など産業界での幅広い特殊アプリケーションを実現できます。エッジコンピューティングでは、クラウド上ではなくデジタル世界と現実世界の接点でソフトウェアを実行するので、アプリケーションに固有のプロセッサの開発時間を短縮し、コストを節減できるはずです。さらに、ハードウェアとソフトウェアを用途別に統合することで、エネルギー効率、パフォーマンス、安全性、セキュリティを最適化できるでしょう。 

半導体とチップは、アプリケーション市場を活性化させる重要な手段です。そのため、Scale4Edgeのように当初から狙いを絞ったプロジェクトは、極めて幅広いアプリケーション分野でドイツの競争力を高め、デジタル化をさらに推進する可能性があります。

プロジェクトに参加したパートナー一覧およびエコシステムの詳細については、 https://www.edacentrum.de/projekte/Scale4Edge をご覧ください。