コネクテッドカーのサイバーセキュリティに特化した世界初のTPM

2018/11/09 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2018年10月24日、ミュンヘン(ドイツ) 

インフィニオン テクノロジーズ(FSE:IFX/OTCQX:IFNNY)は、コネクテッドカーのより高度なサイバーセキュリティに向けて革新的なステップを進めています。ミュンヘンを拠点にする同社は、自動車アプリケーションに特化したTPM (Trusted Platform Module)を半導体メーカーとして世界に先駆けて市場投入しています。新しいOPTIGA™TPM 2.0は、走行するコンピューターとして近年ますます進化している車両と自動車メーカーとの通信を保護します。すでに多くの自動車メーカーがインフィニオンのOPTIGA TPMを設計に生かしています。 

TPMは、ハードウェアベースのセキュリティソリューションとして、その有効性をITセキュリティで実証しています。自動車メーカーは、TPMを活用することで、車載システムのアクセス権や認証、ならびに機密性の高いデータの暗号化を担うセキュリティキーを組み込み、安全に保護することができます。また同セキュリティソリューションは、自動車のライフサイクルを通じてセキュリティレベルを常に最新の状態に保つことができるようにアップデートすることも可能です。 

インフィニオンの自動車セキュリティ専門家であるマーティン ブルナー(Martin Brunner)は、次のように述べています。「走行するコンピューターとも言えるコネクテッドカーは、IT業界で蓄積された経験から多くの恩恵を受けることができます。ソフトウェア、ネットワーク、クラウド間の複雑な相互環境では、ハードウェアベースのセキュリティが安全な通信を確保するために強力な基盤を構築します。インフィニオンは、自動車およびセキュリティ分野での長年にわたる専門技能を生かし、OPTIGA TPMを自動車アプリケーションに特化して最適化しています。同ソリューションにより、コネクテッドカーの生産からリサイクルに至るまで、サイバーセキュリティを容易に組み込み、大幅に向上させることが可能です」 

車載エレクトロニクスおよびハードウェアベースのセキュリティに数十年にわたる経験を持つインフィニオンは、新しいOPTIGA TPM 2.0、ならびにAURIX™マイクロコントローラーファミリーにより、自動車業界の主要な課題に対応し、さまざまな用途に合わせたセキュリティソリューションから成る包括的なポートフォリオを提供しています。2018年10月25日にミュンヘンで開催される初の「インフィニオン オートモーティブ セキュリティ フォーラム」では、自動車およびセキュリティ業界の専門家が集い、他の分野で得られた専門技能をコネクテッドカーに適用する方法についてディスカッションを行う予定です。 

車両のライフサイクルを通じた安全な通信

未来のモビリティでは、膨大な量のデータを処理する必要があります。自動車は、迅速に、かつコスト効率の高い方法でソフトウェアを更新するなど、リアルタイムの交通情報をクラウドに送信し、アップデートをメーカーから無線で受信します。そのため、データの送信側と受信側は、メーカーや各車載コンポーネントの種類にかかわらず、自己を認証するための暗号セキュリティキーが必要になります。これらの重要なキーは、インフィニオンのOPTIGA TPMにより、まるで金庫内に保管されているように論理的および物理的な攻撃から保護されます。 

また、自動車メーカーにとって最初のキーを車両に組み込む初期の過程は、特に機密性の高いものです。TPMを活用することで、このステップをインフィニオン認定の生産環境で実施することができます。その後のキーは、不正アクセスから保護され、世界的に分散しているバリューチェーンのさまざまな段階においても特別なセキュリティ予防策を追加的に講じる必要がありません。 

同様にTPMは、車両内の通信に使用されるセキュリティキーを随時に生成、格納、管理します。また、車載ソフトウェアやコンポーネントの故障や不正操作を検出し、必要な場合には、自動車メーカーによるトラブルシューティングを開始するためにも使用されます。 

車両の平均ライフサイクルは、12年から15年ですが、その間、セキュリティ機能とアルゴリズムが継続的に開発、強化されます。TPMのファームウェアは、リモートアクセスによってアップデートできるため、暗号メカニズム(暗号アジリティ)を含め、提供されるセキュリティを常に最新の状態に保つことが可能です。 

技術および提供情報

インフィニオンの新しいOPTIGA TPM 2.0 SLI 9670は、自動車アプリケーションに特化したプラグ&プレイソリューションとして、特に車載セントラルゲートウェイ、テレマティクス制御ユニット、ならびにインフォテインメントシステムでの使用に適しています。 

SLI 9670は、耐攻撃性を備えたセキュリティチップと最新のセキュリティ規格に沿って開発された高性能ファームウェアで構成されています。同ファームウェアにより、暗号化、復号化、署名、検証といったセキュリティ機能をすぐに使用することができます。TPMは、インフィニオンが同様に提供しているホストプロセッサ用のオープンソースソフトウェアスタック(TSSスタック)により、システムに迅速かつ容易に組み込むことが可能です。SPIインターフェース、拡張された-40℃〜105℃の温度範囲、ならびにRSA-2048、ECC-256、SHA-256といった高度な暗号化アルゴリズムを備えています。 

新しいTPMは、国際的に認知されているTrusted Computing GroupのTPM 2.0規格に準拠し、コモンクライテリアに沿ったセキュリティの認定を受け、さらに自動車規格であるAEC-Q100に適合しています。同セキュリティソリューションは現在、セキュリティ認定を受けたインフィニオンのドイツおよびフィリピン生産拠点で製造され、利用することが可能です。詳細は、 www.infineon.com/Auto-TPM をご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2017会計年度(9月決算)の売上高は71億ユーロ、従業員は世界全体で約3万7,500人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。 

日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp 

本社サイト: http://www.infineon.com (英語)

Information Number

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  • The new OPTIGA TPM 2.0 SLI 9670 from Infineon is a plug & play solution for automotive applications. It is especially suited for use in a central gateway, the telematics unit or the infotainment system of the vehicle. The SLI 9670 consists of an attack-resistant security chip and high-performance firmware developed in accordance with the latest security standard.
    The new OPTIGA TPM 2.0 SLI 9670 from Infineon is a plug & play solution for automotive applications. It is especially suited for use in a central gateway, the telematics unit or the infotainment system of the vehicle. The SLI 9670 consists of an attack-resistant security chip and high-performance firmware developed in accordance with the latest security standard.
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  • Infineon has decades of experience in automotive electronics and hardware-based security and provides a comprehensive portfolio of application-specific security solutions that address key challenges in the automotive industry. The new OPTIGA™ TPM 2.0 protects communication between the car manufacturer and the car which increasingly turns into a computer on wheels.
    Infineon has decades of experience in automotive electronics and hardware-based security and provides a comprehensive portfolio of application-specific security solutions that address key challenges in the automotive industry. The new OPTIGA™ TPM 2.0 protects communication between the car manufacturer and the car which increasingly turns into a computer on wheels.
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