「eRamp」がドイツと欧州のパワーエレクトロニクスを強化

【The “eRamp” research project partnersからの共同プレスリリース】

2017/05/29 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2017年5月29日、ミュンヘンおよびドレスデン(ドイツ)

エネルギー効率の分野において欧州で最も重要なプロジェクトのひとつである「eRamp」が完了しました。産学からの26のパートナーが3年間にわたり、エネルギーの利用効率を高める革新的なエレクトロニクスコンポーネントの研究を行いました。各パートナーは省エネに役立つチップのパッケージング技術など、新たな生産技術の早期導入に注力しました。eRampプロジェクトが対象とした範囲は、発電、送電、また その利用まで、パワーエレクトロニクスのバリューチェーンすべてにわたりました。欧州6カ国で行われたこの研究の主導役は、世界のパワー半導体市場をリードするインフィニオンテクノロジーズが務めました。パワーエレクトロニクスに関わるノウハウの中心としてのドイツと欧州が、このプロジェクトによりさらに強化されます。

インフィニオン ドレスデン拠点のオリバー パイパー(Oliver Pyper、研究開発 イノベーションプログラム シニアマネージャー 兼eRampプロジェクトのコーディネーター)は、次のように述べています。「eRampプロジェクトの成果からは、欧州のパワーエレクトロニクス生産の競争力維持に必要な条件が整いました。パワーエレクトロニクスにより発電、送電、および使用の効率がさらに高まることが保証されます。eRampが欧州のノウハウを大きく拡大したのもまさにこの分野です。」

この研究の成果は、半導体生産環境において直接 実用性を確認しました。以下の5カ所の拠点で研究パートナーによる既存のパイロット生産ラインと生産関連の包括的なノウハウが使用されました。

  • ドレスデン(ドイツ)およびフィラッハ(オーストリア)/ インフィニオン : 300mmウェハをベースとしたパワー半導体
  • レーゲンスブルク(ドイツ)/ インフィニオン: パワー半導体のためのチップパッケージング技術、インフィニオン
  • ロイトリンゲン(ドイツ)/ ボッシュ: 200mmウェハをベースとしたパワー半導体、スマートパワー、およびセンサー
  • ウンタープレムシュテッテン ネア グラーツ(オーストリア)/ ams : 3D/TSVパイロット生産ライン

上記に加え、インフィニオン、オスラム、シーメンス各社が協力し、新しいチップ組み込み技術を検証するための検査機器とデモンストレータが作成されました。eRampプロジェクトは2017年5月31日に終了しました。

 

欧州のエレクトロニクス産業を強化する主要プロジェクト

「eRamp(Excellence in Speed and Reliability for More than More Technologies」プロジェクトは、欧州の資金調達イニシアティブであるENIAC Joint Undertakingに加え、ドイツ最大のスポンサーであるドイツ連邦政府教育研究省からの資金的支援を受けました。またオーストリア、オランダ、ルーマニア、スロバキア、英国からも資金的支援が行われました。eRampは欧州における一連の研究の一環として、300mmウェハをベースとしたパワーエレクトロニクス開発に特化して行われました。この分野にはEPT300、EPPL、およびPowerBaseの各プロジェクトも含まれます。これら4つのプロジェクトには約100のパートナーが参加し、パワーエレクトロニクス活用を通じ、経済的かつ環境に配慮した欧州の強化に取り組んでいます。2016年には欧州のマイクロエレクトロニクスを強化する、IoSenseプロジェクトを含むその他のイニシアティブも開始されました。これはセンサー技術に関するイニシアティブであり、ECSEL Joint Undertakingの一部となっています。eRampプロジェクトと同じく、これにおいてもインフィニオン ドレスデンが主導的役割を果たしています。

 

背景:パワーエレクトロニクスを通じたエネルギー効率改善

パワーエレクトロニクスは、その中に組み込まれている電子部品とパワー半導体と呼ばれるチップから構成されています。パワー半導体は電気エネルギーの損失を最小限に抑えます。これにより風力や太陽光から生成されたエネルギーのうち可能な限り多くが電力グリッドに供給され、発電サイトから消費者までの何千キロメートルにもわたってほぼ無損失で伝送されることが保証されます。パワーエレクトロニクスは次に、家庭電化製品、照明、サーバとコンピュータ、自動車のハイブリッドおよび電気駆動系、商用車、建設および農業用機械、工業電気技術、生産施設などにおいてエネルギー消費を最小限に抑えることに貢献します。

 

eRamp 6 カ国、 26 の研究パートナー

以下は、eRampプロジェクトの研究パートナーの一覧です(アルファベット順)。

AMS AG(オーストリア ウンタープレムシュテッテン)、CISC Semiconductor GmbH(オーストリア クラーゲンフルト)、HSEB Dresden GmbH(ドイツ ドレスデン)、インフィニオン テクノロジーズ(ドイツ ドレスデン/レーゲンスブルク/ミュンヘン、オーストリア フィラッハ、ルーマニア ブカレスト)、JOANNEUM RESEARCH Forschungsgesellschaft GmbH(オーストリア グラーツ)、Intel(オーストリア フィラッハ)、Materials Center Leoben Forschung GmbH(オーストリア レオーベン)、NXP Semiconductors(オーストリア グラートコルン、オランダ アイントホーフェン)、Osram GmbH(ドイツ ミュンヘン)、Polymer Competence Center Leoben GmbH(オーストリア レオーベン)、Robert Bosch GmbH(ドイツ シュトゥットガルト)、SGS INSTITUT FRESENIUS(ドイツ タウヌスシュタイン)、Siemens AG(ドイツ ベルリン、ミュンヘン)、SPTS Technologies Ltd(英国 ニューポート)、Stichting IMEC Nederland(オランダ アイントホーフェン)、SYSTEMA Systementwicklung Dipl.-Inf. Manfred Austen GmbH(ドイツ ドレスデン)、スロバキア工科大学ブラチスラバ校(スロバキア)、ウィーン工科大学、インスブルック大学(ともにオーストリア)、ドレスデン工科大学、西ザクセン応用科学大学ツヴィッカウ(ともにドイツ)

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2016会計年度(9 月決算)の売上高は65億ユーロ、従業員は世界全体で約3万6,300人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。

日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp 

本社サイト: http://www.infineon.com (英語)

Information Number

INFXX201705-055

Press Photos

  • The eRamp project (2014-2017) significantly expanded Europe’s expertise in ever more efficient generation, transmission, and use of electric energy. Project head was Infineon Dresden.
    The eRamp project (2014-2017) significantly expanded Europe’s expertise in ever more efficient generation, transmission, and use of electric energy. Project head was Infineon Dresden.
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  • Dr. Oliver Pyper, Senior Manager of Research, Development and Innovation Programs at Infineon Technologies Dresden and the eRamp project coordinator: “The eRamp results have created the prerequisites for keeping the production of power electronics in Europe competitive.”
    Dr. Oliver Pyper, Senior Manager of Research, Development and Innovation Programs at Infineon Technologies Dresden and the eRamp project coordinator: “The eRamp results have created the prerequisites for keeping the production of power electronics in Europe competitive.”
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