電力供給の効率化、安定化、セキュリティ向上:インフィニオンの指揮する欧州の研究プロジェクトが、成功裏に完了

欧州の研究プロジェクト「E2SG」のパートナーによる共同プレスリリース

2015/12/21 | ビジネス&フィナンシャルプレス

2015年12月21日、ミュンヘン(ドイツ) 

高度に発達した社会では、安定した電力供給が求められ、環境保護にも寄与します。目標となるのは、可能な限りターゲットを絞った、持続可能な方法で発電し、可能な限り効率的に送配電と電力利用を行うことです。こうした目標に貢献するのが、欧州の研究プロジェクト「エナジートゥースマートグリッド(Energy To Smart Grid:E2SG)」です。これは、スマートグリッド(次世代電力網)の安定性、エネルギー効率、データセキュリティの向上の基礎を築くものです。独インフィニオンテクノロジーズが調整役を務めたこのプロジェクトは、今回成功裏に完了しました。E2SGには、欧州9カ国より計29団体のプロジェクトパートナーが参加しました。E2SGは、2015年の「European Nanoelectronics Forum」で同年の「ENIAC Innovation Award」を受賞しました。 

E2SG研究プロジェクトは2012年に発足し、42カ月の期間が設定されていました。約3,200万ユーロの総予算の半額は、プロジェクトパートナーの拠出によるものです。欧州委員会の「ECSEL JU」イニシアチブは、520万ユーロ近くに上る多額の資金拠出を行いました。さらに、プロジェクトの参加パートナーの母国からの資金拠出が、1,050万ユーロに上りました。

スマートグリッドは、電力供給段階でのIoT (Internet of things)と考えられています。電力網の各ノードは、通信によって相互接続されています。そして、ネットワーク内で情報を交換し、状況や環境に関する情報を処理することで、需要連動型のエネルギー生成と、より効率的な送配電や電力利用が可能です。 

最新鋭のマイクロエレクトロニクスが、エネルギー効率とセキュリティを向上

「E2SG」プロジェクトの研究成果により、より持続可能なエネルギー生成と、より効率的なエネルギー変換が実現します。例えば、96%以上の効率性を誇る双方向型の電圧変換器を使用することで、さまざまなエネルギー源の電力について、効率的な電力供給を促進できます。これにより、再生可能エネルギーの使用を後押しして、より柔軟で、より安定した電力供給が可能となります。電源やコンバータなどで、変圧器のオン抵抗を10%以上抑えた、最適化されたMOSFET電源スイッチと、高度な高電圧技術を組み合わせることで、電力損失と変換損失を抑えることが可能です。これにより、電力と二酸化炭素排出量も削減可能です。しかし、スマートグリッドで、より通信機能の高いネットワーキングを実現するには、不正アクセスからデータを保護する高信頼性のセキュリティソリューションが必要です。そのため、E2SGプロジェクトの目標の1つとして、新たなセキュリティコントローラの開発がありました。これらは、データ交換の高度な暗号化を通じ、スマートグリッドのセキュリティを大幅に向上させるものです。 

ENIAC Innovation Award 」により、研究の成功が認められる

E2SGの成果は、経済的な可能性が高く、社会にとっての価値も高いことから、「ENIAC Innovation Award」を受賞しました。12月2日にベルリンで行われた2015年「European Nanoelectronics Forum」では、ECSELのエグゼクティブディレクター代理であるイヴスギガセ(Dr. Yves Gigase)氏により、賞の授与が行われました。授賞式には、コンソーシアムの代表として、インフィニオンで研究開発資金拠出プロジェクトを担当する、プロジェクトコーディネーターのホルガーシュミット(Holger Schmidt)が参加しました。ホルガーシュミットは、次のように述べています。「プロジェクトパートナーの29団体はいずれも、個々の研究分野に関する専門知識を持ち寄ることで、成功に向けて重要な貢献を果たしました。私たちの努力が実を結び、E2SGの実績がこのような形で認められたことは、大きな励みです」

欧州 9 カ国のプロジェクト パートナー 29 団体の一覧

Acondicionamiento Tarrasense - LEITAT(スペイン)、 ams AG(オーストリア)、 カタルーニャテレコミュニケーション技術センター(スペイン)、 フィアットリサーチセンター(イタリア)、 Consorzio Nazionale Interuniversitario per la Nanoelettronica (イタリア)、 Effegie(イタリア)、 Enecsys(英国)、 フラウンホーファーIISB(集積システムデバイス技術研究所)(ドイツ)、 Heliox BV(オランダ)、 Hera S.P.A.(イタリア)、 インフィニオン(ドイツ)、 IQE Silicon Compounds Ltd.(英国)、 Iquadrat Informatica S.L.(スペイン)、 Instituto de Telecomunicacoes (ポルトガル)、 Kieback & Peter GmbH & Co. KG(ドイツ)、 NXP Semiconductors Germany GmbH(ドイツ)、 NXP Semiconductors Netherlands B.V.(オランダ)、 ON Semiconductor Belgium BVBA(ベルギー)、 Polimodel S.R.L.(イタリア)、 Politecnico di Torino(イタリア)、 R-DAS s.r.o.(スロバキア)、 アーヘン工科大学(ドイツ)、 Silvaco Europe Ltd(英国)、 スロバキア工科大学(スロバキア)、 STMicroelectronics s.r.l.(イタリア)、 カターニア大学(イタリア)、 カラブリア大学(イタリア)、 ボローニャ大学(イタリア)、 シェフィールド大学(英国)

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2015会計年度(9 月決算)の売上高は58億ユーロ、従業員は世界全体で約3万5,400人。2015年1月に、売上高11億米ドル(6月29日を期末とする2014会計年度)、従業員約4,200人の米国インターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。 

日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

本社サイト: http://www.infineon.com (英語)

Information Number

INFXX201512-019

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  • The European research project "E2SG" (Energy to Smart Grid) has been successfully completed. It lays the foundations for greater stability, energy efficiency and data security in the smart grid.
    The European research project "E2SG" (Energy to Smart Grid) has been successfully completed. It lays the foundations for greater stability, energy efficiency and data security in the smart grid.
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