電気自動車：ドイツの自動車業界と研究機関が、高出力電気駆動向けコンポーネント システムの研究で協力

2015年6月24日、ミュンヘン（ドイツ）

研究プロジェクト「HV-ModAL」は、電気自動車のドライブトレインを現行品よりも一段とパワフルにすることを目指しています。HV-ModALプロジェクトでは今後3年以内に、さまざまなメーカーの幅広い電気自動車に適した電気ドライブトレイン モジュラーシステム ツールボックスを開発したいと考えています。この研究プロジェクトを通じて、自動車業界のバリューチェーン全体と研究機関を代表する10のパートナーは、電気自動車、プラグインハイブリッド車、小型輸送車など、電気自動車分野におけるドイツ自動車産業のグローバルな市場ポジションをさらに拡大する方針です。出力範囲を50kW～250mkW（キロワット）とすることを目標とし、電気自動車の走行距離もさらに延ばします。現在は出力125kW、走行距離150kmが典型的な性能です。なお、「HV-ModAL」は、「ハイパワー電気自動車用のモジュラー ドライブトレイン トポロジー」を意味するドイツ語の略語です。

コンポーネントとシステムデザインの研究
HV-ModALプロジェクトの第1段階では、研究パートナーは自動車業界の価値創造チェーン全体で共有される、電気ドライブ プラットフォームに関する共通の理解に達することを目標としています。次に、そのような電気ドライブ プラットフォームを実現するために最も効果的に組み合わせ可能な個別コンポーネントを決定すべく広範なコンセプト研究とコンポーネント研究を行う方針です。

本プロジェクトでは特に、最大250kWの高出力駆動装置に対応でき、最大900Vの高電圧に対応可能なIGBTパワーモジュール、モジュール型のマルチレベル DC/DC コンバータ、DC/DC コンバータ内蔵バッテリー、600V超のバッテリー向けシステムコンポーネントなどを研究します。これらのコンポーネントを記述、定義し、その上で最適な相互調整を行うために、さまざまな車両プラットフォームに共通となる柔軟なシステム シミュレーション モデルを構築します。理論的な結果を検証するために、最適化されたコンポーネントとアーキテクチャをデモンストレーション モデルとして開発し、テストします。その結果がHV-ModALのシステムデザインの基礎となり、最終的には、可能なかぎり幅広い電気ドライブに対応するモジュラーシステム ツールボックスの基礎となります。

プロジェクトの実施期間を通じて約750万ユーロが投じられ、この金額の約50％はドイツ連邦教育研究省（BMBF）からの拠出となります。実施期間は2017年12月31日までの予定で、インフィニオン テクノロジーズがプロジェクトの主幹を務めています。

HV-ModALプロジェクトの参加パートナー
このプロジェクトでは、自動車業界と研究機関を代表する計10のパートナーが協力しています。参加パートナーは自動車メーカーのBMWとダイムラー、車載システムメーカーのロバート・ボッシュ、ドライブシステム開発のAVL（シュトゥットガルトとレーゲンスブルクに子会社）、フラウンホーファー集積システム デバイス技術研究所（IISB、独エアランゲン）、ライプニッツ大学ハノーバー校、ミュンヘン連邦軍大学、アーヘン工科大学、半導体メーカーのインフィニオン テクノロジーズなどです。

インフィニオン テクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は半導体分野の世界的リーダーです。インフィニオンはエネルギー効率、モビリティ、セキュリティという、現代社会が抱える3つの大きな課題に応えています。2014会計年度（9 月決算）の売上高は43億ユーロ、従業員は世界全体で約2万9,800人です。インフィニオンは2015年1月、パワー半導体技術の有数のプロバイダーであり、11億米ドル（6月29日を期末とする2014会計年度）の売上高と約4,200人の従業員を持つ米国企業のインターナショナル・レクティファイアーを買収しました。

インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト： http://www.infineon.com  
日本法人サイト： http://www.infineon.com/cms/jp/