欧州の研究活動:欧州のエレクトロニクス業界の強化に向け、インフィニオン主導の重要プロジェクト「eRamp」が発足
2014年4月2日、ノイビーベルク/ドレスデン(ドイツ)
独インフィニオン テクノロジーズは、エネルギー効率に焦点を合わせた欧州の最重要研究プロジェクトの1つを、ドイツのドレスデンで発表しました。これは「eRamp」と呼ばれる3年プロジェクトであり、パ ワーエレクトロニクス メーカー向けのノウハウを結集させた中心地としての、ドイツと欧州の地位の強化、拡大を目指しています。プロジェクトには、6カ国、26の研究パートナーが参加しています。プ ロジェクトの規模は5,500万ユーロに上り、現在これを指揮しているのが、パワー半導体の世界市場をリードするインフィニオンです。
プロジェクト パートナーは、政策立案者やプロジェクトのスポンサー代表者と協力し、2日間のキックオフ イベント(2014年4月2日~3日)を開催しました。インフィニオンのCEOであるラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)はイベントの開始にあたって、ザクセン州高等教育・研究・芸術大臣のザビーネ フォン ショルレマー(Sabine von Schorlemer)氏、最 大の国家スポンサーである独連邦教育研究省(BMBF)の部門責任者、ヴォルフ=ディーター ルーカス(Wolf-Dieter Lukas)教授、欧州連合の資金拠出プロバイダー、ENIAC Joint Undertakingのエグゼクティブ ディレクター、アンドレアス ワイルド(Dr. Andreas Wild)氏と会合しました。
インフィニオンのラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)(CEO)は、次のように述べています。「eRampの研究成果はエネルギーのさらなる効率利用に向けて、重 要な貢献を果たすものと考えられます。欧州とドイツは独自の知識とノウハウによって、群を抜いた存在となっています。そしてeRampプロジェクトのパートナーは、電気エネルギーの生成、伝達から消費に至るまで、 パワーエレクトロニクスの価値創造チェーン全体を念頭に入れています。私たちが力を合わせ、新たな知識を生み出すことで、経済と環境の側面から欧州を進化させる新製品を開発できます」
BMBFのヴォルフ=ディーター ルーカス(Wolf-Dieter Lukas)教授(部門責任者)は、次のように述べています。「ドイツと欧州の基礎をなす産業セクターの競争力を高めるにあたって、パ ワーエレクトロニクスは重要なテクノロジーであり、決定的な要因といえます。欧州委員会とドイツ連邦政府による、eRampへの資金拠出に関する協力的なアプローチは、欧 州での共同行動のメリットを裏付ける明確な事例といえます」
ENIAC Joint Undertakingのアンドレアス ワイルド(Dr. Andreas Wild)氏(エグゼクティブ ディレクター)は、次のように述べています。「インフィニオン テクノロジーズ ドレスデンの指揮による今回のeRampプロジェクトによって、欧州の産業界は、パワーエレクトロニクス部品の分野でイノベーションの最前線に立つことができ、エネルギー効率、電気自動車、医 薬品など、産業と日常生活の重要分野に対し多大な影響を及ぼすことができます」
技術ポリシー問題の担当者でもある、ザクセン州のザビーネ フォン ショルレマー(Sabine von Schorlemer)氏(高等教育・研究・芸術大臣)は、次のように述べています。「 厳密に調査した結果、ドイツ企業が世界市場で成功を収めたイノベーションの大半は、突き詰めると、エレクトロニクスとソフトウェアのイノベーションです。これは、自動車業界、機械工学、医療技術、環 境技術の分野に応用できます。ですから私たちはマイクロエレクトロニクス分野では、欧州以外のメーカーに頼ってはならないのです」
eRampによって、パワーエレクトロニクスの製造ノウハウの中心地として定評のある、ドイツと欧州の地位がより強力に
eRampの研究活動では、パワー半導体分野での最新の生産技術の迅速な導入と、チップ パッケージング技術のさらなる検証が中心となります。ドイツのプロジェクト パートナーは今後、生 産行程の開始を早める新たなメソッドの調査、開発に取り組みます。
最新の生産技術が導入される分野を対象に、現実的な実現可能性について研究成果を調査するため、ドイツの研究パートナーはドイツにある以下の拠点で既存のパイロット ラインと包括的な生産ノウハウを活用していきます。ドレスデン(インフィニオン:300mmウェハ ベースのパワー半導体)、ロイトリンゲン(Bosch:200mmウェハ ベースのパワー半導体、ス マートパワー、センサ)、レーゲンスブルク(インフィニオン:パワー半導体のチップ パッケージング技術)。インフィニオン、Osram、Siemensの各社は、試験設備とデモンストレータの研究、建 設で緊密な協業を行い、新開発のチップ組み込み技術の評価を進めていきます。
ドイツではドレスデン工科大学と西ザクセン応用科学大学ツヴィッカウ校も、研究活動に参加します。Bosch、インフィニオン、Osram、Siemens以外にも、製 造業界向け自動化分野でのITスペシャリスト ベンダーであるSYSTEMA Dresdenや、光学検査・検証・設備プロバイダーのHSEB Dresden、化学・物理実験室分析のリーディング ベンダーであるSGS INSTITUT FRESENIUSが、ドイツ企業として参加します。
パワーエレクトロニクスを通じ、エネルギー効率を向上
パワーエレクトロニクスは、電子部品と、部品に組み込まれるチップ(いわゆるパワー半導体)で構成されます。パワー半導体は、エネルギー損失を可能な限り抑えることに貢献します。こ れにより風力や太陽光から最大限のエネルギーを生成し、送電網に送り込み、発電場所から一般消費者への数千kmもの区間で、ロスのほとんどない状態で送信することが可能です。次に白物家電、照明技術、サーバ、コ ンピュータ、自動車のハイブリッド/電気駆動システム、商用車、建設、農業機械、産業用エネルギー技術や、生産施設など、多岐にわたるアプリケーションで消費電力を最小限に抑えることにも貢献します。
eRamp:6カ国、26の研究パートナーによる、強力な組織体制
以下は、eRampプロジェクトの研究パートナーの一覧です(アルファベット順)。AMS AG(オーストリア ウンタープレムシュテッテン)、CISC Semiconductor GmbH( オーストリア クラーゲンフルト)、HSEB Dresden GmbH(ドイツ ドレスデン)、インフィニオン(ドイツ ドレスデン/レーゲンスブルク/ミュンヘン、オーストリア フィラッハ、ルーマニア ブカレスト)、JOANNEUM RESEARCH Forschungsgesellschaft GmbH(オーストリア グラーツ)、Lantiq(オーストリア フィラッハ)、Materials Center Leoben Forschung GmbH(オーストリア レオーベン)、NXP Semiconductors(オーストリア グラートコルン、オランダ アイントホーフェン)、Osram GmbH(ミュンヘン)、Polymer Competence Center Leoben GmbH(オーストリア レオーベン)、Robert Bosch Gmb(ドイツ シュトゥットガルト)、SGS INSTITUT FRESENIUS(ドイツ タウヌスシュタイン)、Siemens AG(ベルリン、ミュンヘン)、SPTS Technologies Ltd(英国ニューポート)、Stichting IMEC Nederland(オランダ アイントホーフェン)、SYSTEMA Systementwicklung Dipl.-Inf. Manfred Austen GmbH(ドレスデン)、ス ロバキア工科大学ブラチスラバ校(スロバキア)、ウィーン工科大学、インスブルック大学(ともにオーストリア)、ドレスデン工科大学、西ザクセン応用科学大学ツヴィッカウ(ともにドイツ)。
eRampプロジェクトは、ENIAC Joint Undertakingと、オーストリア、ドイツ、オランダ、ルーマニア、スロバキア、英国の助成金による共同資金拠出の形で運営されます。
インフィニオンについて
インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率、 モビリティ、 セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。 2013会計年度(9 月決算)の売上高は38億4000万ユーロ、従 業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFXX201404.033
Press Photos
-
From left to right: Prof. Wolf-Dieter Lukas, department head at the German Federal Ministry of Education and Research (BMBF); Dr. Andreas Wild, Executive Director ENIAC Joint Undertaking; Helmut Warnecke, Managing Director Infineon Technologies Dresden GmbH; Dr. Reinhard Ploss, CEO of Infineon Technologies AG; Sabine von Schorlemer, Saxon State Minister for Higher Education, Research and the Arts; Pantelis Haidas, Managing Director Infineon Technologies Dresden GmbH; Dr. Oliver Pyper, Project Leader eRamp, Infineon Technologies Dresden GmbHGruppe_ENIAC
JPG | 452 kb | 2126 x 1179 px