インフィニオン、300mm薄ウエハ生産認定完了 ～初のCoolMOS™ ファミリ チップを全世界で出荷開始～

2013年2月19日、ノイビーベルク（ドイツ）

独インフィニオン テクノロジーズは、300mm薄ウエハによるパワー半導体の製造において画期的な前進を果たしました。フィラッハ（オーストリア）工 場の300mmラインで生産されるCoolMOS™ファミリ製品に対し、今月、お客様から初の生産開始のご依頼をいただきました。また、新技術を採用した生産プロセスは全工程で認定が完了いたしました。

インフィニオン テクノロジーズのCEO、ラインハルト プロス（Dr. Reinhard Ploss）は次のように述べています。「インフィニオンでは早い時期からこの製造技術に信頼を置き、経 済的に難しい時期にも投資を継続しました。先見を持って考え、行動する私どもの取り組みが、今、結実しました。300mmライン全体の認定が完了したことで、競 合他社をリードする確かな一歩を踏み出したことになります。パワー半導体の300mm薄ウエハ製造により、当社は需要に応じて、市場のもたらす商機を獲得することが可能になります」

インフィニオンは、300mm薄ウエハによりパワー半導体を生産する世界初、かつ世界唯一の企業となります。300mmウエハは標準的な200mmウエハと比べて大口径であるため、ウ エハ1枚から生産できるチップ数は2倍半に増えます。お客様には新技術のメリットとして、即用性や、生産能力の拡大、生産性の向上といったメリットが生まれます。イ ンフィニオンのパワー半導体は低電力損失とコンパクトな設計を特長としています。チップはシートの厚さをそれほど超えない程度の薄さにもかかわらず、表裏両面に電気的に能動的な構造を備えています。薄 ウエハ技術がこの基礎となっています。

次の段階は、フィラッハの前工程工場と、マラッカ（マレーシア）の後工程工場における薄型チップの組み立てで全工程が認定されたCoolMOS製品の現在の製造コンセプトを、ド レスデンの前工程工場へ拡大することです。この段階では全自動の300mmラインによる量産に焦点が置かれます。このために必要となる工程と製造技術の基礎は現在、ド レスデンで行われている研究プロジェクトで開発中です。ドレスデンへの技術移転は計画通り進んでおり、最初のCool-MOS製品認定が3月に完了する見込みです。フィラッハでは今後、さ らにパワー半導体技術が300mmラインに移行され、生産に移されます。次世代のパワー技術開発では、200mmに代わって300mm技術が中心となります。

インフィニオンのプロスCEOは次のように述べています。「イノベーション力が当社の成功を支える基盤です。優れたアイデアが具現化されるのです。オーストリアでもザクセン（独ザクセン州）で も当社はこの条件を備えています。つまり、技術ノウハウ、教育の行き届いた意欲旺盛なスペシャリスト、政府の政策による抜群の支援が揃っています」

昨年、独立系調査会社のIMSリサーチ（IHSのグループ会社）は、インフィニオンがパワー半導体市場で世界第1位の座にあることを9年連続で確認しました。パ ワー半導体は主としてエネルギーの効率的な制御、伝達、変換が要求される用途に使われます。たとえば、サーバやパソコン、ノートPC、娯楽用電子機器や携帯電話インフラ、照明装置や風力・太 陽光発電システムなどの用途です。これらの複雑な用途分野で成功を収めるためには、コスト優位性を伴った性能と信頼性が必要となります。インフィニオンはこのような用途に精通しており、個 別ニーズに対応した半導体ソリューションをワンストップで提供できます。このソリューションによってお客様は開発期間を短縮でき、よりパワフルな新製品をより迅速に市場投入できます。3 00mm薄ウエハ技術によって今後、インフィニオンは確実に、コスト優位性を保ちながら十分な数量の生産を継続することができます。

インフィニオン テクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率、 モビリティ、 セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 012会計年度（9月決算）の売上高は39億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト： http://www.infineon.com
日本法人サイト： http://www.infineon.com/jp