2012会計年度第4四半期および通年業績:向かい風にも関わらず、目標の売上高と利益を達成、取締役会の提案する配当は、これまでと変わらず1株あたり0.12ユーロ

2012/11/14 | 四半期レポート

 2012会計年度第4四半期業績:売上高は9億8,200万ユーロ、事業部合計利益は1億1,600万ユーロ
 2013会計年度第1四半期見通し:売上高は、2012会計年度第4四半期と比べて十数%減、事業部合計利益率は、4~6%
 2013会計年度見通し:売上高は2012会計年度からパーセントにして1桁台半ば~後半の減少、事業部合計利益率は1桁台半ば~後半の見込み
 コスト削減策を導入。2013会計年度の投資予算は、5億ユーロから約4億ユーロに削減(2012会計年度:8億9,000万ユーロ)


2012年11月14日、ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは11月14日、2012年9月30日を末日とする2012会計年度第4四半期および通年の業績を発表しました。

インフィニオン テクノロジーズの最高経営責任者(CEO)のラインハルト プロス(Dr. Reinhard Ploss)は次のように述べています。「 国家債務危機とアジアにおける経済成長の減速が、世界経済に悪影響を及ぼしています。こうした経済環境の向かい風にも関わらず、2012会計年度は好調な成績を上げ、目標を達成することができました。」


2012会計年度のグループ業績
2012会計年度は、欧州における高水準の政府債務に起因する世界経済の不確実性により、顧客の購買意欲の減退が進みました。グループ業績は、2 010会計年度に51%の増収を記録し、2011会計年度にさらに21%の伸びを記録した後、2012会計年度の グループ売上は2%減少して39億400万ユーロとなりました。

世界的な景気減速は、産業用、情報処理用、消費者用途のパワー半導体の需要に最大の影響を及ぼしました。パワーマネジメント&マルチマーケット(PMM)事 業部の売上高は前会計年度に比べて7%減少し、インダストリアル・パワーコントロール(IPC)事業部の売上高は9%減少しました。これに対し、オートモーティブ(ATV)事業部とチップカード&セキュリティ( CCS)事業部は、ともに7%の増収を達成しました。この4つの中核事業部の合計売上高は37億7,400万ユーロとなり、前会計年度の水準にほぼ達しました。グループ売上の減少は主として、売 却された有線通信事業およびワイヤレス携帯電話事業に関連する製造サービスの段階的終了に起因するものです。両事業からの売上高は、その他の業務(OOS)に計上されますが、当会計年度は42%( 9,100万ユーロ)減少して1億2,500万ユーロとなりました。

重点分野であるエネルギー効率、モビリティ、セキュリティ分野の長期的な成長見通しが引き続き明るいことを考慮し、また、生産、開発、営業にボトルネックがあった2年間近くの段階を経て、イ ンフィニオンはこれらの分野で能力増強を図りました。この投資によりインフィニオンは、景気回復時にはお客様の需要を充足して商機をフルに活かせる極めて有利な態勢が整いました。しかし、2012会計年度は、売 上高の微減と生産、開発、営業、管理すべてでの費用増加で、事業部合計利益は減少しました。2012会計年度の 事業部合計利益は、前会計年度の7億8,600万ユーロから2億5,900万ユーロ減少して、5億2,700万ユーロとなりました。 事業部合計利益率は19.7%から13.5%に低下したものの、1年前に予想を発表した十数%から10%台半ばの範囲を達成できました。会 計年度後半を中心に景気後退により売上高が微減となりましたが、その影響は小幅な米ドル高によって相殺されました。2012会計年度のユーロ/ドル平均為替レートは1.30でした( 予想に使用したレートは1.40)。

継続事業からの利益は、前会計年度の7億4,400万ユーロから4億3,200万ユーロに減少しました。

2012会計年度末の グロス現金残高は22億3,500万ユーロ、 純現金残高は19億4,000万ユーロと、流動性ポジションは極めて強固でした。2011会計年度の配当として1億3,000万ユーロが支払われ、2 014年満期の劣後転換社債の買い戻しに6,200万ユーロ、株式の買い戻しに2,000万ユーロが使用されました。資本市場に戻した現金の総額は2億1,200万ユーロでした。

2012会計年度の配当
取締役会は監査役会に対し、またその後、2013年2月に開催される年次株主総会において株主に対し、2 012会計年度の配当を1株あたり0.12ユーロに据え置くことを提案します。利益減少と低い需要見通しにも関わらず配当を据え置く方針は、当社の長期的見通しに対する取締役会の自信を反映したものであり、当 社が掲げている「利益が横ばいないしは減少した期間にも、配当を少なくとも前年度並みに保つことを配当方針とする」という目標に沿ったものです。監査役会と年次株主総会で承認されれば、配 当支払総額は約1億2,900万ユーロとなります。

2012会計年度第4四半期のグループ業績
第4四半期の グループ売上は、前四半期の9億9,000万ユーロから1%減少して9億8,200万ユーロとなりました。

事業部合計利益は第3四半期の1億2,600万ユーロから1億1,600万ユーロに減少し、事業部合計利益率は前四半期の12.7%に対して11.8%となりました。 事業部合計利益は売上高の減少に加えて、生産コストと業務コストの増加による悪影響を受けました。

第4四半期の 継続事業からの利益は、第3四半期の9,000万ユーロから1億2,900万ユーロに増加しました。ドイツ内外の繰延税金資産の再評価により、第 4四半期には所得税利益として5,200万ユーロを計上しました。第3四半期は1,300万ユーロの税費用が計上されました。

第4四半期の 継続事業からの1株あたり利益(基本および希薄化後)は、前四半期の0.08ユーロから0.12ユーロに向上しました。

第4四半期の 非継続事業による損益は、第3四半期の800万ユーロの赤字に対して900万ユーロの黒字となりました。第4四半期の 非継続事業による1株あたり利益(基本および希薄化後)は、前四半期の0.00ユーロから0.01ユーロに改善しました。

第4四半期の 純利益は前四半期の8,200万ユーロから1億3,800万ユーロに増加しました。 1株あたり利益は0.08ユーロから0.13ユーロに増加しました(基本および希薄化後)。

第4四半期の 投資額は、第3四半期の1億5,800万ユーロから2億4,600万ユーロに増加しました。当社では投資額を有形固定資産の購入、無形資産の購入、資産計上された研究開発(R&D)資 産の合計と定義しています。 有形資産と無形資産の償却費は第3四半期の1億1,300万ユーロから1億1,500万ユーロに微増しました。

第4四半期の継続事業からの フリーキャッシュフロー 1 は、投資支出の大幅な増加にも関わらず、第3四半期のマイナス2,200万ユーロからプラス4,700万ユーロに改善しました。投資支出の増加による影響として営業債務が増加しました。

2012年9月30日時点の グロス現金残高は、第3四半期末時点の21億5,000万ユーロから22億3,500万ユーロに改善しました。2012会計年度末時点の 純現金残高は、前四半期末に発表した19億700万ユーロからやや増加して19億4,000万ユーロとなりました。純現金残高の増加には、第 4四半期のフリーキャッシュフローがプラスとなったことと、額面価額500万ユーロ相当の2014年満期転換社債の買い戻しで1,200万ユーロの現金流出があったことが反映されています。


2013会計年度第1四半期の見通し
2013会計年度第1四半期の 売上高は、2012年度第4四半期と比べて十数%の減少となることを予想しています。全事業部門で減収が予想され、資本財の需要低迷によりIPC事業部が最も影響を受ける見通しです。 事業部合計利益率は主に減収の影響で4~6%となることが予想されます。


2013会計年度の見通し
ユーロ/米ドルの為替レートを1.25と想定した場合、2013会計年度通年の 売上高は、2012会計年度から増減率にして1桁台半ばから1桁台後半の減少になると予想しています。この見通しは、上半期は売上高が低水準に留まり、下 半期に大幅に改善されることを前提としています。事業部別の内訳では、ATV事業部、PMM事業部、CCS事業部はグループ平均を上回るのに対して、I PC事業部の成績はグループ平均を大きく下回ると予想されます。OOS(その他の業務)の売上高は、昨 年売却された有線通信事業とワイヤレス携帯電話事業に関連して販売される製品やサービスの段階的終了がいっそう進むことから、2013会計年度も大幅な減少が予想されます。

インフィニオン テクノロジーズのラインハルト プロスCEOは、新会計年度の見通しに関する声明で次のように述べています。「マクロ経済の向かい風はますます強くなっており、こ の状況が短期的に変わる兆しは見られません。このため、2013会計年度は減収が予想されます。しかしながら、インフィニオンは今後も引き続き、エネルギー効率、モビリティ、セ キュリティへの注力により最適な戦略を遂行してまいります。」

マクロ経済の不確実性に加え、さらなる売上高減少が予想されることから、利益率の安定化に向けてさまざまな施策を決定しており、実施に移そうとしています。製造部門では、たとえば、遊 休設備の一時的停止や臨時社員の削減、短時間勤務の選択的利用といった施策により生産コストを調整します。また、2013会計年度の投資予算は当初計画額の5億ユーロから4億ユーロに削減します。研 究開発部門と営業およびマーケティング部門などでは、戦略的重要性の低いプロジェクトを延期ないしは中止にし、外部業者に関連する費用を削減します。さらに、人員数は2012会計年度末水準で概ね凍結しており、特 定の昇給を延期しています。これらのコスト削減に加えて、利益率の長期目標に合わせたインセンティブ制度の方向づけを行います。すべての施策の総合的効果として、1億ユーロを上回るコスト削減が期待されます。全 体としては、すでに決定済みのコスト削減策を考慮に入れると、2013会計年度の 事業部合計利益率は1桁台半ばから1桁台後半になると予想しています。

2012会計年度第4四半期の事業部別業績
2012会計年度第4四半期の事業部別業績を見ると 、ATV事業部の売上高は季節要因の影響で第3四半期の4億2,800万ユーロから4億1,600万ユーロに減少しました。売上高の減少に伴い、 事業部利益は前四半期の5,400万ユーロから4,700万ユーロ、また、 事業部利益率は前四半期の12.6%から11.3%と、それぞれ小幅な減少となりました。

第4四半期の IPC事業部の売上高は、IGBTモジュールの需要と中国の販売代理店からの需要の落ち込みを、IGBTチップおよびドライバーの需要増大が上回る格好となって、前 四半期の1億7,700万ユーロから1億8,100万ユーロに微増しました。売上高が前四半期並みとなり、事業部利益は2,600万ユーロと横ばいでした。第4四半期の 事業部利益率は前四半期の14.7%に対して14.4%となりました。

PMM事業部の売上高は季節要因の影響を受け、ゲーム機やスマートフォン、携帯電話インフラの堅調な需要を反映して、予想通り、2 億3,300万ユーロから2億4,700万ユーロへと6%増加しました。 事業部利益は全体的な売上増加によって3,300万ユーロから3,700万ユーロに向上しました。第4四半期の 事業部利益率は前四半期に計上した14.2%から15.0%に向上しました。

CCS事業部の売上高は、前四半期の好調な販売成績に続いて、1億2,200万ユーロから1億2,600万ユーロに一段と増加しました。有料TV製品に関連して発生する売上高は、プ ロジェクト実施時期の関係で予想通り減少しました。しかし、この減少分を相殺して余りある形で、SIMカードや政府関連のIDプロジェクトの分野における堅調な需要からの寄与がありました。 事業部利益は1,800万ユーロと横ばいでした。 事業部利益率は、製品ミックスの変化と営業費用の微増により、14.8%から14.3%に微減しました。

その他の業務(OOS)によって計上された 売上高は予想通り、2,900万ユーロから1,400万ユーロに減少しました。この売上高は主として、昨 年売却された有線通信事業とワイヤレス携帯電話事業に関連して販売される製品およびサービスに関わるものであり、2013会計年度も減少すると予想されます。

 

1-フリーキャッシュフローとグロスおよび純現金残高の定義と計算方法は原文13~15ページをご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2012会計年度(9月決算)の 売上高は39億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol: IFX)、米国では店頭取引市場のOTCQX( ticker symbol: IFNNY)に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX201211.016

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