2012会計年度第3四半期業績: 売上高はほぼ横ばい、事業部合計利益率は戦略的投資を反映した水準に

2012/07/31 | 四半期レポート

■  第3四半期売上高は前四半期からほぼ横ばいの9億9,000万ユーロ、事業部合計利益は1億2,600万ユーロ(利益率12.7%) 
■  2012会計年度第4四半期の見通しを確認:売上高は横ばいないし微減、事業部合計利益率は約12%と予想 
■  2013会計年度の投資額は2012年度を大幅に下回る予定

2012年7月31日、ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオン テクノロジーズは本日、2012年6月30日を末日とする2012会計年度第3四半期の業績を発表しました。

インフィニオン テクノロジーズ最高経営責任者(CEO)のピーター・バウアー(Peter Bauer)は、次のように述べています。「 成長と利益率は世界的な不安定を反映して現在計画を下回っています。しかしエネルギー効率、モビリティ、セキュリティ事業に関するトレンドは前向きな状況が続いています。したがって戦略的投資の方針を堅持します。 それがインフィニオンが将来にわたりリーダーシップを拡大する唯一の手段であると確信しています。これを踏まえたうえで、インフィニオンは費用節約に努めます。これにより、市 場の現在の状況においてもコストを管理可能な状態に維持することが可能となります。」

2012会計年度第3四半期のグループ業績の詳細
インフィニオンが2012会計年度第3四半期に計上した売上高は9億9,000万ユーロで、前四半期の9億8,600万ユーロからほぼ横ばいでした。自動車(ATV)、イ ンダストリアル・パワーコントロール(PMM)、パワーマネジメント&マルチマーケット(PMM)事業部の売上高は微増、チップカード&セキュリティ事業部(CCS)事 業部では大幅な増加を達成し、その他の業務(OOS)事業部での売上高減少幅を上回りました。ユーロ/ドルの為替レートは売上高を1,200万ユーロ押し上げました。

事業部利益は第2四半期の1億4,400万ユーロから1億2,600万ユーロに減少し、事業部利益率は14.6%から12.7%に縮小しました。こ の利益率縮小の主な理由は減価償却費の拡大と研究開発費の増加でした。前四半期と同様、為替レートに伴うリスクは会社の方針に従ってヘッジされました。こ の結果として為替レートに伴う事業部利益への押し上げ効果は発生しませんでした。

第3四半期の継続事業からの利益は、前四半期の1億900万ユーロから9,000万ユーロに低下しました。継続事業からの一株あたり利益は、基 本と希薄化後のいずれも前四半期の0.10ユーロから0.08ユーロに低下しました。

第3四半期には非継続事業から800万ユーロの損失を計上し、これに対し前四半期は200万ユーロの利益でした。第 3四半期の非継続事業からの一株あたり利益は基本および希薄化後とも前四半期と同じ0.00ユーロでした。

第3四半期の純利益は前四半期の1億1,100万ユーロから8,200万ユーロに低下しました。一株当り利益は基本および希薄化後とも0.08ユーロで、これに対し前四半期は0.10ユーロでした。

インフィニオンが資産、工場、機器の購入、無形資産購入、社内で生成した資産の合計として定義する投資額は1億5,800万ユーロで、これに対し前四半期は1億9,200万ユーロでした。減 価償却額は前四半期の1億300万ユーロから1億1,300万ユーロに拡大しました。

第3四半期の継続事業からのフリーキャッシュフロー 1 は前四半期のマイナス1,000万ユーロからマイナス2,200万ユーロに減少しました。この主な要因は、在 庫水準上昇と前四半期に行った投資に関する支払いのためサプライヤーへの買掛金が拡大したことによる純流動資産の増加でした。

グロス現金残高は、 2012年3月31日時点の21億9,000万ユーロから2012年6月30日時点の21億5,000万ユーロにわずかに減少しました。純現金残高は19億700万ユーロで、前 四半期末時点では19億2,700万ユーロでした。

1 - フリーキャッシュフローとグロスおよび純現金残高の定義と計算方法は12と13ページをご覧ください。


2012会計年度第4四半期のグループ業績の見通しを確認
2012会計年度第4四半期の売上高は第3四半期比で横ばいないし微減、事業部利益率は約12%と予測しています。季節的要因により、PMMの売上高は拡大、A TVは低下の見込みです。CCSは微減、IPCは横ばいと予想しています。この売上高減少については、先のWireline Communications部門と携帯電話事業の売却に伴い、製 品とサービスの売上高が消失したことも要因となっています。

2012会計年度通年の業績見通し
第4四半期の最新の見通しに基づき、通年の売上高はIPCとPMM事業部の売上高減少、ならびに先のWireline Communications部門と携帯電話事業の売却に伴う製品とサービスの売上高の消失を反映して前年度から約3%減と予想しています。事業部利益率は売上高の13%から14%と予測しています。投 資は前年度と同じ水準、減価償却費は4億3,000万ユーロ程度と見込んでいます。

コスト対策と投資水準
インフィニオンの中長期的成長については、エネルギー効率、モビリティ、セキュリティの分野で必要とされる製品への注力によって引き続き前向きな見通しを維持しています。直 近の数四半期に行った開発、販売、製造能力拡大に基づき、インフィニオンはいつでも需要増大に対応して生産量を拡大することが可能です。ただしこの戦略によるメリットは、生 産量と売上高が大きく拡大した状況によってのみ実現します。

グローバル経済の不透明性のため、現在および近い将来に予想可能な売上高は当初の予測を大きく下回る水準に留まっています。この結果として現在の事業部利益率は、経 済サイクル全体を通じた平均15%を下回っています。しかしながらRoCE(使用資本利益率)は20%を達成し、インフィニオンの資本コストを上回っています。経 営委員会は売上高の成長が低水準に留まった場合にも利益率を確保するための方策を始めました。7月から全世界で採用を凍結しています。また、2013会計年度に予定している投資額は当初の計画から大幅に縮小され、 2012会計年度を大きく下回る水準となります。経営委員会は引き続き需要と売上高のトレンドを慎重に監視し、さらに実行すべき方策について検討をしていきます。

CEOの人事異動
2012年5月13日の発表のとおり、ピーター・バウアーは健康上の理由、ならびに個人的な希望により本会計年度末をもってCEOを退任します。後 任は経営委員会の同僚であるラインハルト・プロス(Dr. Reinhard Ploss)が務めます。

「2012年10月1日をもって、私は経営委員会重役の職を長年の同僚であるラインハルト・プロス氏に譲ります。過去4年間にわたって我々は共に会社の再編に取り組み、製 品とサービスをエネルギー効率、モビリティ、セキュリティの分野に集中することによって将来的な成長の基盤を構築してきました。直近数四半期の投資により需要拡大に極めて迅速に対応できる体制が整い、グ ローバル経済の回復と同時に市場シェアを拡大できるようになりました。後任のプロス氏と会社が次のステップにおいて大きな成功を収めることを願うと共に、従業員やお客様、投 資家の皆様から寄せられた長年の信頼を感謝します」とピーター・バウアーは述べています。

2012会計年度第3四半期の事業部ごと業績
第3四半期のATV事業部の売上高は、前四半期の4億2,500ユーロから拡大し、過去最高の4億2,800万ユーロに達しました。ド イツと韓国の自動車メーカーからの需要は高い水準に維持されています。日本と北米市場での売上も好調に進展しています。事業部利益には生産コスト上昇と研究開発費の増大が負担となり、前 四半期の6,300万ユーロから5,400万ユーロに低下しました。これに従い事業部利益率も14.8%から12.6%に縮小しました。

IPC事業部の売上高は前四半期の1億7,400万ユーロから1億7,700万ユーロに拡大しました。IGBTモジュール事業には需要増大が貢献しましたが、デ ィスクリートIGBTチップの売上高はやや低下しました。IPC事業部の事業部利益は前四半期の2,700万ユーロからほぼ横ばいの2,600万ユーロ、事業部利益率は15.5%から14.7%に低下しました。

PMM事業部の売上高は前四半期の2億2,700万ユーロをわずかに上回る2億3,300万ユーロでした。パワー半導体に対する需要拡大と米ドルの若干の上昇が、ス マートフォンとセルラー基地局向けRF製品の需要減による影響を相殺しました。事業部利益と事業部利益率は安定しており、それぞれ3,300万ユーロと14.2%でした。前 四半期のPMM事業部の事業部利益は3,200万ユーロ、事業部利益率は14.1%でした。

CCS事業部の第3四半期の売上高は、すでに高水準だった前四半期の1億1,200万ユーロをさらに上回る1億2,200万ユーロを達成し、ほぼすべての製品ラインが売上高拡大に貢献しました。S Mカード、決済、および政府IDへの需要が特に好調でした。事業部売上高の拡大により、事業部利益は1,400万ユーロから1,800万ユーロに増加し、事業部利益率は12.5%から14.8%に拡大しました。

その他の業務(OOS)事業部の売上高は、予想どおり3,900万ユーロから2,900万ユーロに減少しました。この事業部の売上高は主に、先に売却されたWireline Communicationsと携帯電話事業の製品とサービスから構成されています。これらの事業を源泉とする売上高は今後さらに低下する見込みです。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 011会計年度(9月決算)の売上高は40億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,000人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX201207.055

ダウンロードサービス