2012会計年度第2四半期業績: インフィニオンが成長を回復、利益率が予想を上回る

2012/05/03 | 四半期レポート

  • 四半期売上高は予想を上回る前四半期比4%増の9億8,600万ユーロ
  • 事業部合計利益率は予想をわずかに上回る14.6%
  • 2012会計年度第3四半期見通し: 売上高と事業部合計利益率ほぼ横ばい
  • 2012会計年度見通し: 売上高は2012会計年度からパーセントにして1桁台半ば減、事業部合計利益率は10%台半ばの見込み

 

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は5月3日、2012年3月31日を末日とする2012会計年度第2四半期の業績を発表しました。

Infineon Technologies AG最高経営責任者(CEO)のピーター・バウアー(Peter Bauer)は、次のように述べています。「 第2四半期には予想を上回る業績を達成しました。4つの事業部門のうち3つにおいて売上高が拡大しました。インフィニオンが今日の社会が直面する重要課題であるエネルギー効率、モビリティ、セ キュリティに注力していることが、経済的に困難な時期においてもその成果を挙げています。投資は長期的な成長と利益の確保を支えています」

成長と利益率
2012年第1四半期の売上高が前四半期比で減少した後、第2四半期には業界の季節変動に伴う需要減退が発生したインダストリアル パワーコントロール(IPC)事業部を除き、前 四半期比で売上高が増加しました。インフィニオンは再度業界全体を上回る業績を達成しました。第2四半期の売上高は、インフィニオンが対象とする市場( メモリーチップとマイクロプロセッサを除く半導体業界の売上高)が1%縮小したにもかかわらず、前四半期比4%増を達成しました。

優れた利益確保能力と流動性に支えられ、インフィニオンは業界サイクルの逆に投資を行うというターゲットを絞った戦略を継続することができています。生産能力の拡大に加え、イ ンフィニオンは将来的な成長と市場シェア拡大を目的とし、研究開発と共に営業およびマーケティングへの支出を拡大しています。世界の需要動向はさまざまですが、インフィニオン・グ ループ全体の第2四半期の事業部利益率は経済的サイクルに沿って設定した目標値の15%にほぼ沿った14.6%となりました。インフィニオンはまた、市場シェアに関しても成果を挙げています。過 去1年間に自動車部門の市場シェアは1%増の9.8%に拡大しました 1。インフィニオンの市場シェア拡大のスピードは他の競合企業をいずれも上回り、この分野第2位のメーカーとしての地位をさらに強固なものにしました。

資本投資額がやや増加したことを原因として、第2四半期の使用資本利益率(RoCE)は第1四半期の27%から25%に低下しました。ただし、RoCEは引き続き資本コストを大きく上回っています。

資本利益率
株主の皆様には、インフィニオンの株価の上昇、配当、転換社債と株式の買い戻し等のさまざまな面で、インフィニオン・グ ループの持続可能かつ利益ある成長を共有していただくことができます。前四半期には、2011会計年度について総額1億3,000万ユーロの配当を行いました(2010年度は1億900万ユーロ)。転 換社債と株式の買い戻しを含め、インフィニオンは2011会計年度初頭から約5億800万ユーロを資本市場に返却しています。

2012会計年度第3四半期の見通し
この見通しはユーロ/米ドルの外為レートが2012会計年度前半の平均とほぼ同一水準に維持されることを前提としています。2012会計年度第3四半期の売上高はほぼ横ばい、事 業部利益率は第2四半期に計上した水準と同様であると予測しています。事業部間の売上高比率は大きく変化しませんが、その他の業務(OOS)事業部とコーポレート&エリミネーション(C&E)部 門を合算した売上高は低下の見込みです。

2012会計年度通年の見通し: 売上高と事業部利益率の目標値を引き上げ
ユーロ/米ドルの外為レートが2012会計年度前半の平均とほぼ同一水準に維持されることを前提とし、イ ンフィニオンは2012会計年度通年の売上高低下率をパーセントにして前年度比1桁台前半に修正しました。従来の売上高低下率の予想は1桁台半ばでした。

同様に、2012会計年度の事業部利益率は10%台半ばに引き上げました。従来の予想利益率は10%台前半から半ばでした。

2012会計年度の投資は従来の予想と変わらず、2011年度からほぼ横ばいの見込みです。2012会計年度の有形資産と無形資産の償却は4億4,000万ユーロとなる見込みです。

2012会計年度第2四半期のグループ業績の詳細
インフィニオン・グループの第2四半期の売上高は9億8,600万ユーロで、前四半期の9億4,600万ユーロから4%拡大しました。

この売上高拡大にはオートモーティブ(ATV)、パワーマネジメント&マルチマーケット(PMM)、チップカード&セキュリティ(CCS)事業部がいずれも貢献しました。ユ ーロ/米ドルの外為レートも売上高に好影響を与えました。これとは対照的に、インダストリアル パワーコントロール(IPC)事業部の売上高は低下しました。

第2四半期の事業部合計利益は1億4,400万ユーロで、前四半期の1億4,100万ユーロから増加しました。第2四半期の事業部合計の利益率は14.6%で、前 四半期の14.9%からわずかに低下しました。生産能力の拡大に伴い、第2四半期の有形資産と無形資産の減価償却額は前四半期の9,700万ユーロから1億300万ユーロに拡大しました。営 業経費もわずかに増加し、研究開発、販売、および管理費の合計は2億2,400万ユーロから2億2,700万ユーロとなりました。

第2四半期の継続事業からの利益は、前四半期の1億400万ユーロから1億900万ユーロに増加しました。これに含まれる利払費用は、第 2四半期に転換社債の買戻しを行わなかったためわずかに低下しました。税費用もわずかに低下しました。

第2四半期の継続事業からの一株あたり利益は、基本と希薄化後のいずれも前四半期と変わらず0.10ユーロでした。

第2四半期には非継続事業から200万ユーロの利益を計上しました。これに対し前四半期は800万ユーロの損失でした。

第2四半期の非継続事業からの一株あたり利益は、前四半期の基本および希薄化後とも一株あたり0.01ユーロの損失から、基本および希薄化後とも0.00ユーロに改善しました。

第2四半期の純利益は前四半期の9,600万ユーロから1億1,100万ユーロに拡大しました。一株当り利益は基本および希薄化後とも0.10ユーロで、これに対し前四半期は0.09ユーロでした。

インフィニオンが資産、工場、機器の購入、無形資産購入、資本化された研究開発(R&D)資産の合計として定義する投資額は1億9,200万ユーロで、前 四半期の2億9,400万ユーロを1億200万ユーロ下回りました。有形資産と無形資産の減価償却額は予想通り拡大し、前四半期の9,700万ユーロから1億300万ユーロとなりました。

第2四半期の継続事業からのフリーキャッシュフロー 2 は大きく改善し、前四半期のマイナス2億3,400万ユーロからマイナス1,000万ユーロとなりました。この主な要因は投資額の減少でした。純利益の増加、有 形資産と無形資産の減価償却額増加、および在庫とボーナス支払額の縮小もこの改善に貢献しました。

2012年3月9日には2011会計年度の配当として総額1億3,000万ユーロを支払い、グロス現金残高と純現金残高のいずれも縮小しました。グ ロス現金残高は2011年12月31日時点の23億3,700万ユーロから1億4,700万ユーロ低下し、2012年3月31時点では21億9,000万ユーロとなりました。純 現金残高は前四半期末時点の20億6,800万ユーロから1億4,100万ユーロ低下し、第2四半期末時点では19億2,700万ユーロとなりました。

2012会計年度第2四半期の事業部ごと業績
第2四半期の自動車生産は予想通り拡大し、この部門の主要顧客は引き続き好調な業績を達成しました。A TV事業部の売上高は3億9,100万ユーロから9%拡大して4億2,500万ユーロとなりました。事業部利益は5,500万ユーロから6,300万ユーロに拡大し、事 業部利益率は0.7パーセンテージポイント改善して14.8%となりました。

IPC事業部 3の売上高は前四半期の1億9,600万ユーロから1億7,400万ユーロに低下しました。この事業の季節変動を反映してすべての分野で需要が低迷しました。I PC事業部の事業部利益は売上高縮小に伴って3,900万ユーロから2,700万ユーロに低下し、利益率も19.9%から15.5%に低下しました。

PMM事業部 3の売上高は第2四半期に安定しました。ノートブックおよびサーバ向けパワー半導体に対する需要は大きく拡大しました。一方、照明、無線インフラストラクチャ、太 陽光発電関連の製品は低下し、またゲーム機向けも季節変動により低下しました。この事業部全体の第2四半期の売上高は2億2,700万ユーロで、前四半期は2億2,200万ユーロでした。生 産能力拡大と営業経費増加により、第2四半期のPMM事業部の利益額は前四半期の4,000万ユーロから3,200万ユーロに低下しました。利益率も18.0%から14.1%に悪化しました。

CCS事業部の第2四半期の売上高は、前四半期の9,700万ユーロから1億1,200万ユーロに増加し、これにはペイメント、政府ID、有料TV向けのセキュリティ・ソ リューション関連事業拡大が主に貢献しました。事業部利益は好調な売上高を反映して600万ユーロから1,400万ユーロに増加しました。前四半期の利益率が6.2%だったのに対し、第 2四半期には再び2桁の12.5%を達成することができました。


1-Strategy Analytics: Automotive Semiconductor Vendor Market Shares 2011、2012年4月

 

2-フリーキャッシュフローとグロスおよび純現金残高の定義と計算方法は原文12~13ページをご覧ください。

 
3-先に発表したとおり、インフィニオンはインダストリアル&マルチマーケット(IMM)事業部を2012年1月1日付けでインダストリアル パワーコントロール(IPC)と パワーマネジメント&マルチマーケット(PMM)の2つの事業部に分割しました。2012会計年度第2四半期以降はこの新しい組織に沿って業績を発表します。新しい組織の詳細については四半期ごと発表( 英語版のみ)と当社ウェブサイトのQuarterly Financial Resultsにある「Financial tables」に記載されています。

 

原文は次のURLをご参照ください。
http://www.infineon.com/cms/en/corporate/press/news/releases/2012/INFXX201205-037.html


インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 011会計年度(9月決算)の売上高は40億ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,000人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX201205.037

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