ドイツ連邦内務省、セキュリティ分野でのインフィニオンとの協力体制を拡大、モバイル機器を対象に、クリティカルなインフラストラクチャとセキュリティの保護に傾注

ノイビーベルク（ドイツ）

ドイツ連邦内務省（BMI）と半導体メーカーの独インフィニオンテクノロジーズは、ITセキュリティ分野での協力を深めています。ドイツ連邦内務省のハンス＝ペーター・フリードリヒ（Dr. Hans-Peter Friedrich）大臣と、インフィニオンのCEOであるピーター・バウアー（Peter Bauer）は本日、こうした目的で、ミ ュンヘン近郊のノイビーベルクにあるインフィニオンの本社で会合を持ちました。会合では、スマートグリッドなどのクリティカルなインフラストラクチャを対象としたセキュリティ機能の実装と、ス マートフォンやモバイル・コンピュータなどのモバイル機器を対象としたセキュリティ・コンセプトの確立に向けた、テクノロジーに関する緊密な意見交換を行いました。ドイツ連邦内務大臣は、今 回の訪問でインフィニオンのセキュリティ研究所に足を運び、チップカードとセキュリティのアプリケーション向け半導体を対象とした現在存在するあらゆるハイテク攻撃のシナリオや、不 正操作対策に関するチップ業界の最新の取り組みについて学びました。内務省とインフィニオンは、ITシステム・セキュリティと電子IDドキュメントについて、過去8年間にわたり協力を行ってきました。

スマートグリッドと関連部品に関する、国際的に認められた基準に準拠したデータの保護
スマートグリッドは、エネルギーの生成、伝送、および消費を対象とした、通信ネットワーク機能と制御機能を提供し、そのインフラストラクチャ全体が、特定のセキュリティ要件を満たす必要があります。ス マートグリッドと、スマートグリッド内のゲートウェイやスマートメータなどの部品間でやり取りされるデータフローは、攻撃や不正操作からの保護が必要とされています。サイバー・セ キュリティ戦略の実施の一環として、ドイツ政府は現在、ITを基盤としたインフラストラクチャについて、保護対策を指示すべきか否か、さらには保護対策が必要な分野について、検証を行っています。セキュリティ・ア プリケーション向け半導体サプライヤとして世界をリードするインフィニオンは、適切なセキュリティ技術の提供を通じて、内務省とその下部機関であるドイツ連邦情報安全局（BSI）を支援します。

ネットワーク型システムで求められる新たなセキュリティ・コンセプト
無数のネットワーク型モバイル機器の間で、データの保存、処理、やり取りを行うことは、今日のビジネスシーンやソーシャルライフの不可欠な要素となっており、今 後もさらなる拡大が予想されます。最近の事例としては、スマートフォンを活用した最新のNFC（近距離無線通信）決済サービスや、インターネット・インフラストラクチャ経由でコンピュータ・ア プリケーションが実行されるクラウド・コンピューティングが挙げられます。ネットワークで接続されたデジタルの世界、すなわち、サイバースペースでは、消費者の信頼感とビジネスモデルの成功を維持する上で、デ ータのセキュリティ、完全性および可用性が欠かせない要素となっています。そのため、内務省とインフィニオンでは、情報通信技術やモバイル機器のセキュリティ要件と、そ れらの技術的な実装についての意見交換を強化しています。

ドイツ連邦内務省のハンス＝ペーター・フリードリヒ大臣は、今回の訪問中、信頼できるITセキュリティの製品・部品のメーカーの存在とその更なる重要性を強調しつつ、2 003年にインフィニオンと締結したセキュリティ・パートナーシップを再確認し、次のように述べています。「ITインフラストラクチャに対する攻撃の高まりと複雑なアプリケーションの増加を鑑み、I Tのセキュリティを保証することの重要性は勢いを増しています。そのため、インフィニオンとの継続的な協業では、クリティカルなインフラストラクチャのITシステムやモバイル機器の保護だけでなく、ス マートグリッドのような新技術の保護にも焦点が置かれます」

インフィニオンのピーター・バウアー（Peter Bauer）（CEO）は、次のように述べています。「インフィニオンは、チップカード&セキュリティ業界で25年以上の経験を持つ、ド イツ唯一のチップメーカーであると同時に、長期的な市場リーダーとして、業界内で明確な存在感を示してきました。セキュリティ分野での内務省との緊密な協力体制は、こうした方向性を示す確固たる一歩です」

8年間にわたる、内務省とインフィニオンのセキュリティ分野での協力体制
内務省とインフィニオンは、公共機関や企業、家庭で使用されるITシステムのセキュリティ強化に向けて、確固たる技術基盤の確立を目指し、2003年夏に協力を開始しました。両 団体はこれまでにも、2005年11月にドイツで導入された電子パスポートなどの電子ITドキュメントや、2010年11月よりドイツで発行されている電子IDカードのセキュリティ分野について、取 り組みを行ってきました。このほか、未承認のデータアクセスに対してより効果的な保護を実現したPCネットワークや、ウィルスや未承認の不正操作への保護機能を高めたPCやノートブックについても、協 業を行ってきました。内務省はこれまで常に、緊密な協力に関与してきました。

カード・アプリケーション向けチップの世界市場を長期的にリードし、電子IDドキュメント向けチップの供給でも業界をリードするインフィニオン
インフィニオンは、過去14年間以上にわたり、チップカードICの世界市場をリードしてきました。市場調査会社のIMS Researchのデータによると、2010年の世界のチップカードIC市場（ 総額約21億米ドル）におけるインフィニオンの市場シェアは27%でした。

電子IDドキュメントや、建物およびデータネットワークへのアクセス・パスの分野で、インフィニオンは過去数年間、多数の政府機関・当局より信頼を受けてきました。同社は、政 府系IDアプリケーションのチップ・サプライヤとして、過去数年間にわたり世界をリードしてきました。インフィニオンのセキュリティチップは、ドイツだけでなく、米国、中国、ブラジル、インドネシア、フランス、ノ ルウェー、ポーランドなど、各国の電子パスポートと、ドイツ、サウジアラビア、フィリピン、香港、イタリア、オーストリア、ポルトガル、アイルランドなどの電子IDカードに使用されています。平均すると、世 界の政府系IDアプリケーション分野で使用されるチップの2つに1つがインフィニオン製です。

インフィニオンテクノロジーズ（Infineon Technologies AG）は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率、 モビリティ、 セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2010会計年度（9月決算）の 売上高は32億9,500万ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,650人 ¹でした。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。

 
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。

 
本社サイト： http://www.infineon.com
日本法人サイト： http://www.infineon.com/jp

¹本数値には、インテルコーポレーションに売却された携帯電話事業（ワイヤレス・ソリューション事業部）の従業員約3,500名が含まれています。