インフィニオン、米国ファウンドリでのセキュリティチップの生産を発表

セキュアな政府系IDプログラム向けセキュリティチップの供給に関する認定をIBMのバーリントン工場が取得

2010/06/18 | ビジネス&フィナンシャルプレス

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは、国際的な旅行規則に準拠した電子パスポートと米国個人識別情報検証(PIV)カードを含むセキュアIDアプリケーションでの使用を目的とした、同 社設計によるセキュリティ性の高い集積回路(IC)を米IBMが製造することを発表しました。米国バーモント州バーリントンにあるIBMのチップ製造工場で生産されることにより、米国で製造されたセキュリティ・マ イクロコントローラが米国の政府系電子IDプログラムのサプライヤに提供されることになります。

インフィニオンとIBMは、先進のセキュリティICの生産で使用される130nm組み込みFlash技術のライセンス供与をはじめとする提携を2007年に開始しました。こ の確立された技術基盤を活用することで、「インテグリティガード」ハードウェア・セキュリティ技術を採用した SLE 78アーキテクチャをベースとするセキュリティ・マイクロコントローラを製造します。

インフィニオンのヘルムート・ガッセル(Dr. Helmut Gassel)(チップカード&セキュリティ事業部プレジデント)は次のように述べています。「インフィニオンは、世 界中の民間および官庁のお客様に対するセキュリティICの分野で、一流サプライヤの座を長きにわたって維持しており、信頼できるサプライチェーンを実現することで、当 社の製品を使用するあらゆるIDプログラムの完全性を保護するための取り組みを行っています。お客様のニーズに応えるためのこうした取り組みが、最 先端のセキュリティ技術の開発と自社の供給基盤の拡張に対する継続的な投資の原動力となっています。」

北米インフィニオンテクノロジーズのヨーグ・ボルヒェルト(Dr. Joerg Borchert)(チップカード&セキュリティ事業部バイスプレジデント)は次のように述べています。「 IBM工場での製造により、セキュリティ認定を取得した量産対応・高品質の米国内生産拠点の確保という米国政府の具体的な要求への対応が可能となります。独ドレスデンの当社の工場は、米 国の電子パスポート向けのICを2006年より供給してきました。そして現在当社は、今日のIC生産で利用可能な最高水準のセキュリティにより、セキュリティ・マ イクロコントローラと関連製品を供給することができる拠点を米国に保有しています。」

長期的なセキュリティと、卓越した非接触性能を備えた堅牢かつ高品質な製品へのニーズに応え、要件の厳しいチップベースのハイエンドセキュリティID/決済分野で使用するため、イ ンフィニオンはSLE 78ファミリと「インテグリティガード」セキュリティ技術を開発しました。SLE 78製品は、その高水準のセキュリティが認められ、ドイツ連邦情報安全局(BSI)による、電 子IDドキュメントおよびチップカード・アプリケーションでの使用を対象としたコモンクライテリア認証保証レベル5(EAL5+)ハイの情報セキュリティ認定を取得しています。さらに、2008年には、SLE 78アーキテクチャがチップカード業界から認められ、仏パリで開催された年次「Cartes & Identification」会議にて、セサミ賞(Sesame Award)のベスト・ハードウェア・ イノベーション部門を受賞しました。

IBM工場とインフィニオンのドレスデン工場はともに、生産業者からエンドユーザに至る製造・供給チェーンの完全性を評価する国際規格「コモンクライテリア」のセキュリティ認定を取得しています。こ れによって、インフィニオンの顧客は、先進のセキュリティチップ技術に関し、2つの完全認定取得済みの供給拠点を得ることになります。

政府系IDアプリケーションでは、2009年に発行された政府系IDドキュメントのおよそ2枚に1枚(中国のIDプロジェクトを除く)に、イ ンフィニオンの製造したセキュリティチップが実装されました。政府系IDアプリケーションには、パスポート、国民ID、健康保険証、運転免許証、社会保障カードなどの電子ドキュメントが含まれます。イ ンフィニオンの製品は現在、国連加盟192カ国の約3分の1の公共分野で使用されており、これは総人口30億人に相当します。

エネルギー効率や通信と並んで、セキュリティは、インフィニオンの3つの注力分野の1つです。セキュリティ業界の重要なパートナーである当社は、チップカードICとセキュリティICの開発・生 産で得た、セキュリティに関する四半世紀の専門知識を活用し、人・商品などの信頼できる認証、決済・銀行業務、通信、データとネットワークへのアクセス保護、デジタル・ホ ームエンターテインメント電子技術などで使用されるソリューションのセキュリティ向上に努めています。インフィニオンは、チップカードICの世界市場で、12年連続のNo.1ベンダーとなっています。市 場調査会社Frost & Sullivanによると、2008年のチップカードIC市場全体に占めるインフィニオンの市場シェアは25.5%、総売上高は約24億ドルでした。

インフィニオンのセキュリティ・マイクロコントローラ・ファミリのSLE 78(接触型インターフェイス)とSLE 78CL(CL=非接触型、完全非接触型またはデュアル・インターフェイス)を はじめ、同社のチップカードICとセキュリティICのポートフォリオについての詳細は、以下のURLをご参照ください。
www.infineon.com/sle78  
www.infineon.com/security

下記サイトでは、「インテグリティガード」セキュリティ技術に関するビデオをご覧いただけます。(英語 約3.5分)
www.infineon.com/integrity_guard_movie  

コモンクライテリアの国際セキュリティ認定についての詳細は、下記サイトをご参照ください。
www.commoncriteriaportal.org/

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2009会計年度(9月決算)の売上高は30.3億ユーロ、従 業員は世界全体で約2万5,650人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com  
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp  

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INFCCS201006.054