インフィニオン、第3四半期の業績を発表、売上高は前四半期比で13%増、利益も大幅増

― 継続事業からのフリーキャッシュフローは1億5200万ユーロ ―

2009/07/29 | 四半期レポート

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは本日、6月30日を末日とする2009年会計年度第3四半期の業績を発表しました。

インフィニオンの2009会計年度第3四半期の売上高は8億4,500万ユーロで、前四半期比で13%増、前年同期比で18%減でした。イ ンフィニオンの第3四半期の事業部業績は前四半期比で大幅に向上し、純損失は2300万ユーロでした。

インフィニオンのピーター・バウアー(Peter Bauer:最高経営責任者 / CEO)は、次のように述べています。「売上高の増加、工場負荷率の向上、I FX10+プログラムによるコスト削減を実現したことで、第3四半期の業績は前四半期比で大幅に向上しました。厳格なコスト管理も相まって、継 続事業からのフリーキャッシュフローは1億5200万ユーロの黒字となり、ネットデットポジションは大幅に削減されました。」

インフィニオンは第3四半期中、バランスシートの向上と製品ポートフォリオの集中化に向けた一連の措置を実施しました。本年5月、発行済み社債の一部について現金公開買付を実施し、新 たな転換社債を発行しました。7月には、ワイヤーライン・コミュニケーション(有線通信)事業の売却を発表し、米国投資会社Apolloの支援を得て株主割当を実施しているところです。ピーター・バウアーは、「 これらの措置が成功すると、当社の借り換えが完了することになります」と述べています。

売上高の前期比増は、同社の5つの事業部すべての増収を反映しています。中でも、ワイヤレス・ソリューション(WLS)事業部は群を抜いた増収割合を達成し、インダストリアル・マルチマーケット( IMM)事業部、オートモーティブ(ATV)事業部、ワイヤーライン・コミュニケーション(WLC)事業部、チップカード&セキュリティ(CCS)事業部が一定の距離を置く形でこれに続いています。

第3四半期の利益は前四半期比で大幅に増加しました。増益の牽引要素としては、IFX10+コスト削減プログラムを主な原因とする大規模なコスト削減、需 要環境の向上に即した慎重な生産調整による工場負荷率の向上、強力な製品ポートフォリオに牽引された販売レベルの上昇が挙げられます。各事業部の業績は、1 ,700万ユーロの損失となったオートモーティブ事業部を除き、すべて黒字を達成しました。

第3四半期の継続事業からの純損失は2,000万ユーロで、基本および希薄化後の一株あたり損失は0.03ユーロでした。前四半期は、継続事業からの純損失が1億5,000万ユーロで、基 本および希薄化後の一株あたり損失は0.20ユーロでした。

第3四半期の非継続事業からの税引後損失は300万ユーロでした。2009年1月23日のキマンダの支払不能訴訟手続きの申し立ての結果、イ ンフィニオンは第2四半期についてキマンダを連結対象から解除しました。

第3四半期のインフィニオンのグループ純損失は2,300万ユーロで、基本および希薄化後の一株あたり損失は0.03ユーロでした。

第3四半期の継続事業からのフリーキャッシュフローは1億5,200万ユーロで、これに対し前四半期は2,200万ユーロの損失でした。このような著しい向上は、業 績の向上と当社の厳格な現金管理によるものでした。

・IFX10+コスト削減プログラムを通じ、インフィニオンは第3四半期もコストを大幅に削減しました。営業経費は2008年会計年度第4四半期から8,800万ユーロを削減しており、当 社はこれをIFX10+コスト削減プログラムが主な原因であると考えています。この結果には、労働時間の短縮と無給休暇によるコスト削減が含まれています。

・さらに、インフィニオンは、資本化された無形資産を含む第3四半期の設備投資を2,700万ユーロとしました。一方、減価償却費は1億3,300万ユーロでした。

・運転資金については、営業債権およびその他の受取債権ならびに棚卸資産が第3四半期中に2,200万ユーロ減少し、営業債務およびその他の支払債務は前四半期比で6,300万ユーロ増加しました。総 合すると、インフィニオンは第3四半期中に正味運転資金を3,600万ユーロ削減しました。

・第3四半期の継続事業からのフリーキャッシュフロー1億5,200万ユーロには、リーマンブラザーズの破綻後に発生したドイツ銀行預金保護資金からの1,700万ユーロの現金流入、I FX10+コスト削減プログラムに伴う約2,500万ユーロの現金流出が含まれています。

堅調なフリーキャッシュフローに伴い、インフィニオンは、簿価ベースのネットデットポジションを、2009年3月31日時点の3億2,100万ユーロから1億7,000万ユーロ削減し、2 009年6月30日時点には1億5,100万ユーロとしました。

第4四半期の見通し
現在進行中のワイヤーライン・コミュニケーション事業の売却により、インフィニオンは、2009年9月30日を末日とする会計四半期および会計年度について、本 事業を連結財務諸表内で非継続事業に分類します。これは第4四半期より有効となります。

インフィニオンは、ワイヤーライン・コミュニケーション事業部を除く第4四半期のグループ売上高が、同条件の比較で第3四半期から増加すると予想しています。売上高の増加には、A TV事業部とIMM事業部がとりわけ貢献すると予想しています。

インフィニオンは、需要増に生産負荷率を対応させることで、第4四半期には、継続的でありながら慎重に生産量を引き上げる計画です。さらに、販 売レベルの上昇予測と厳格な継続的コスト管理も奏功することで、ワイヤーライン・コミュニケーション事業部を除く事業部業績も、同条件の比較で上昇すると予想しています。

2009年会計年度の減価償却費については、以前の予測である5億ユーロを上回る見込みです。

WLC事業の売却と株主割当が成功裏に完了することで、堅調なバランスシートが実現する見込みです。インフィニオンは、こうした強みを活かし、残り4つの事業部に自社のリソースを集中させることで、エ ネルギー効率、コミュニケーションズ、セキュリティという全体的な牽引要素を基に、成長の可能性を活用していきます。これと同時に、コストとキャッシュフローの統制で高水準を維持する計画です。

第3四半期には、すべての事業部で売上高と業績が上昇

欧州の国家的な廃車ボーナス・プログラムと中国の経済刺激プログラムを背景として、小型車の需要が世界的に高まったため、第3四半期のオートモーティブ事業部の売上高は前四半期比で増加しました。欧 州と日本では、サプライチェーン内でのエンドユーザの在庫調整と顧客需要の微増が事業部の売上高の増加に寄与しましたが、米国の自動車市場は依然、市場の継続的な低迷の影響を受けています。オ ートモーティブ事業部の業績は、生産量の引き上げ、コスト削減、売上高の増加のプラスな影響により、前四半期比で大幅に増加しました。

インダストリアル・マルチマーケット事業部の売上高は、コンピューティング製品、通信製品、産業用製品に対するエンドユーザの需要増により、前四半期比で増加しました。インダストリアル・マ ルチマーケット事業部の業績は、前四半期比で大幅に増加し、黒字となりました。増加の主な牽引要素としては、前回に続くコスト削減のほか、販売量の増加と工場負荷率の向上が挙げられます。

SIMカード事業の増収がID事業の減収に一部相殺されたことにより、チップカード&セキュリティ事業部の売上高は前年同期比で微増となりました。工場稼働率の全体的な向上などを反映し、前 四半期比での大幅な増益を達成したことで、チップカード&セキュリティ事業部の第3四半期の業績は黒字となりました。

ワイヤレス・ソリューション事業部の第3四半期の売上高は、HSDPAとUltra Low Costの両方の主な携帯電話プラットフォーム顧客による需要拡大を主な原因として、前 四半期比で大幅に増加しました。ワイヤレス・ソリューション事業部の業績は、売上高の増加と生産量の引き上げにより、大幅に改善して黒字となりました。

ワイヤーライン・コミュニケーション事業部の第3四半期の売上高は、加入者宅内装置(CPE)事業を大きな要因として前四半期比で増加しました。また、欧州の主要通信事業者を対象に、ハ イエンド統合アクセス装置(IAD)に関して複数の計画を開始したほか、低コストADSL市場向けにシステムオンチップの生産を継続しました。売上高の増加と工場負荷率の向上を主な原因とし、ワイヤーライン・コ ミュニケーション事業部の業績は前四半期比で上昇しました。インフィニオンは2009年7月7日、Golden Gate Private Equity, Inc.の関連会社と、ワイヤーライン・コ ミュニケーション事業の売却を目的とした資産売却契約を締結しました。売却完了は2009年秋の予定です。

すべての金額は監査を経たものではありません。目論見書が発行された2009年7月16日から、発表された株主割当が完了するまでの期間、インフィニオンは、非 GAAPの財務指標および将来予測に基づく記述の発表に関して特定の法的規制の対象となります。そのため、本プレスリリース中の特定の情報の発表については、当社の通常の慣習と異なる可能性があります。

Information Number

INFXX200907.071

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