インフィニオンテクノロジーズが2006会計年度第3四半期(4~6 月)業績を発表
梗概
・ 第3四半期の売上高は19億7,000万ユーロで、これに対し前四半期は19億9,000万ユーロ。メモリ製品を扱う子会社キマンダの売上は増加したものの、ロ ジック分野2部門の売上減をすべて相殺するには至らなかった。
・ 第3四半期のEBIT(利払い税引き前利益)は前四半期の2,800万ユーロから4,900万ユーロに増加。イノテラ・メモリーズ社の新規株式公開(IPO)に 伴う持分変動利益3,000万ユーロの大半は、第3四半期の資産減損ならびにリストラクチャリング費用によって相殺。
・ 第3四半期の純損失は2,300万ユーロ(1株当たり0.03ユーロ)、これに対し前四半期の純損失は2,600万ユーロ(1株当たり0.03ユーロ)。キ マンダの分社に関連する費用と税金資産の評価引当金を含む。
・ 2006会計年度第4四半期より、インフィニオンはメモリ以外の事業について売上高とEBITの指針を設ける。インフィニオンでは、こ れらの事業の売上高とEBITが通信ソリューション部門に牽引されて増加すると予想。
単位:百万ユーロ |
第3四半期 |
前四半期 |
対前四半期比 |
前年同期 |
対前年同期比 |
売上高 | 1,972 |
1,993 |
-1% |
1,606 |
23% |
EBIT |
49 |
28 |
75% |
-234 |
+++ |
純損益 |
-23 |
-26 |
12% |
-240 |
90% |
1株あたり損益(ユーロ) |
-0.03 |
-0.03 |
0% |
-0.32 |
91% |
独インフィニオンテクノロジーズは7月21日、2006会計年度第3 四半期(4~6月)の業績を発表しました。売上高は19 億7,000万ユーロで前四半期の19 億9,000万ユーロとほぼ同水準でした。EBITは4,900万ユーロで、前四半期の2,800万ユーロを上回りました。
売上高の微減はロジック分野2部門の売上が減少したことが原因で、キマンダは売上を伸ばしたもののこれを完全に相殺するには至りませんでした。EBITの増加は主にキマンダの業績改善によるものです。 EBITにはイノテラ・メモリーズ社の新規株式公開(IPO)に伴う持分変動利益3,000万ユーロが含まれますが、その大半は第3四半期の資産減損ならびにリストラクチャリング費用によって相殺されました。
インフィニオン最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは次のように述べています。「第3四半期のEBIT全般の状況には満足しています。自動車・産業・マ ルチ市場部門のEBITは、第2四半期の異例な好調さから通常の水準へと戻っています。通信ソリューション部門のEBITは、リストラクチャリング費用と無線通信事業の軟調によりマイナスの影響を受けました。キ マンダは引き続き業績を伸ばしています」
2006会計年度第4四半期の見通し
インフィニオンは2006会計年度第4四半期から、メモリ以外の事業について売上高とEBITの指針を設ける予定です。これに伴い、インフィニオンは第4四半期の売上高が増加すると予想しています。特 に通信ソリューション部門では新しいお客様向けの複数の製品が投入されることから、これが売上増を促進すると予想されます。自動車・産業・マルチ市場部門の売上はやや増加する見通しです。メ モリ事業以外の第4四半期のEBITは、主に通信ソリューション部門の売上増に牽引されて第3四半期より上向くと予想されます。その他の事業部門とコーポレート&エリミネーション部門において、潜 在的な資産減損ならびにリストラクチャリング費用を考慮する前のEBITは、前四半期とおおむね同水準になると予想されます。見通しの詳細については、部門別の説明をご参照ください。
各部門の2006年度第3四半期の業績と見通し
インフィニオンはメモリ製品部門を正式に分離して独立子会社キマンダAGを発足させ、2006年5月1日に社内の組織体制を一新しました。2006年度第3四半期からは、こ の新組織に基づく決算報告が行われます。これに伴い、過去の会計期の業績は最新の会計期の表示に合わせて再分類され、現在ならびに将来の業務部門の情報を容易に分析できるようにしています。組織再編の結果、一 部の社内経費の割り当て先はキマンダからインフィニオンのロジック分野2部門に移されます。
自動車・産業・マルチ市場(AIM)
単位:百万ユーロ |
第3四半期
(2006年6月期) |
前四半期
(2006年3月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年6月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 |
714 |
733 |
-3% |
625 |
14% |
EBIT |
57 |
74 |
-23% |
23 |
+++ |
2006年度第3四半期の自動車・産業・マルチ市場部門の売上高は7億1,400万ユーロで、前四半期比で3パーセント減少しました。同部門のEBITは5,700万ユーロに減少しました。
自動車・産業・マルチ市場部門は第2四半期に例外的ともいえる好調さを見せましたが、自動車と産業の各事業の売上高とEBITは第3四半期も総じてこの高水準を維持しました。セキュリティ&A SIC事業の売上高とEBITは予想どおり通常の水準に復帰したため、部門全体の売上高とEBITはやや減少しました。
自動車・産業・マルチ市場部門の2006年度第4四半期の見通し
自動車・産業・マルチ市場部門の2006年度第4四半期の売上高とEBITはやや増加する見通しです。自動車関連事業については、第4四半期は季節的に軟調が予想されます。産 業関連事業はここ2四半期にわたってきわめて好調が続きましたが、主として季節要因により需要はなおも継続すると見られます。セキュリティ&ASIC事業は第2四半期の好調が第3四半期に減速した後、再 び勢いを取り戻すと予想されます。その主要因は、セキュリティならびにチップカード関連ビジネスの好調が予想されるためです。
通信ソリューション(COM)
単位:百万ユーロ |
第2四半期
(2006年6月期) |
前四半期
(2006年3月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年6月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 266 |
308 |
-14% |
314 |
-15% |
EBIT |
61 |
-29 |
--- |
-88 |
31% |
通信ソリューション部門の第3四半期の売上高は前四半期より減少して2億6,600万ユーロとなりました。EBITの損失額は6,100万ユーロに拡大しました。これは主に、売 上高の減少と投資の減損に伴う費用1,600万ユーロに起因しています。
第3四半期の売上高が前四半期より減少した主な原因としては、無線通信事業の売上の伸びが鈍ったこと、光ファイバ事業からの段階的撤退、そ して第2四半期にきわめて好調だったブロードバンドアクセス事業の売上高が通常水準に戻ったことなどが挙げられます。第3四半期のEBITの減少は、売上高の減少と1,600万ユーロの費用によるものです。
通信ソリューション部門の2006年度第4四半期の見通し
2006年度第4四半期には、通信ソリューション部門の売上高とEBITは第3四半期を上回ると予想されます。業績改善の主要因としては、ワイヤレス分野の新しいお客様への出荷が挙げられます。第 4四半期のEBITは売上増に伴って改善すると見られます。
キマンダ(メモリ製品)
単位:百万ユーロ |
第3四半期
(2006年6月期) |
前四半期
(2006年3月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年6月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 977 |
928 |
5% |
659 |
48% |
EBIT |
100 |
21 |
+++ |
-136 |
+++ |
2006年度第3四半期のキマンダの売上高は9億7,700万ユーロ、EBITは1億ユーロでした。キマンダのEBITには、インフィニオンと台湾・南亜科技との合弁会社イノテラ・メ モリーズ社の新規株式公開(IPO)に伴う持分変動利益3,000万ユーロが含まれます。キマンダの売上高とEBITが改善した理由としては、ビットベースの出荷量と平均売価がともに上昇したことが挙げられます。 < /p>
キマンダの2006年度第4四半期の見通し
2006年5月10日、インフィニオンと台湾・南亜科技との合弁会社イノテラ・メモリーズ社が増資を完了し、国際預託証券4,000万株(普通株4億株に相当)を 追加発行してルクセンブルク証券取引所に上場しました。発行価格は33ニュー台湾ドルでした。この増資に伴いインフィニオンが得た4,200万ユーロの持分変動利益は、2 006年度第4四半期のキマンダのEBITに反映される予定です。増資後のインフィニオンの出資比率は36パーセントです。
その他の事業部門
単位:百万ユーロ |
第3四半期
(2006年6月期) |
前四半期
(2006年3月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年6月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | 73 |
92 |
-21% |
77 |
-5% |
EBIT |
-2 |
1 |
--- |
1 |
--- |
キマンダの分社が完了した2006年5月1日以降、ドレスデンにあるインフィニオンの200mm製造施設からファウンドリ契約に基づいてキマンダに販売されるウェハの売上高は、そ の他の事業部門の売上高に計上されます。
コーポレート&エリミネーション
単位:百万ユーロ |
第3四半期
(2006年6月期) |
前四半期
(2006年3月期) |
対前四半期比
増減率 |
前年同期
(2005年6月期) |
対前年同期比
増減率 |
売上高 | -58 |
-68 |
15% |
-69 |
16% |
EBIT |
-45 |
-39 |
-15% |
-34 |
-32% |
2006年5月1日以降、コーポレート&エリミネーション部門には、ドレスデンにあるインフィニオンの200mm製造施設からキマンダへ販売されるウェハの売上高に関するグループ内調整額が反映されます。第 3四半期のEBITの損失は前四半期より増加しました。その原因としては、社内の製造施設の一部におけるリストラクチャリング措置に関連した総額1,300万ユーロの費用が挙げられます。
その他の事業部門とコーポレート&エリミネーションの2006年度第4四半期の見通し
その他の事業部門とコーポレート&エリミネーションにおけるEBIT(潜在的な資産減損とリストラクチャリング費用の考慮前)は、前四半期とおおむね変わらない見通しです。コーポレート&エ リミネーション部門には、引き続きインフィニオンとキマンダの間のグループ内売上調整が反映されます。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、子会社「Qimonda (キマンダ)」を通してメモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2 005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp
Qimonda(キマンダ)についての情報は、次のURLをご参照ください。
http://www.qimonda.com
Information Number
INFXX200607.075