インフィニオンテクノロジーズが2006会計年度第1四半期(10~12月)業績を発表
梗概
第1四半期の売上高は16億7,000万ユーロで、前四半期に比べ3%減少。これはメモリ製品部門において、主として平均売価の大幅な低下が売上減少をもたらしたことによる。
第1四半期のEBIT(利払い税引き前利益)損失は1億2,200万ユーロで、前四半期のEBIT損失4,300万ユーロより増大。こ れは主にメモリ製品部門で平均売価の大幅低下に伴いEBITが減少したことによる。ロジック分野2部門は合計でEBIT黒字を計上。
第1四半期の純損益は1億8,300万ユーロの損失、これに対し前四半期は1億ユーロの損失。
第1四半期 (2005年12月期) |
前四半期 (2005年9月期) |
対前四半期比 増減率 |
前年同期 (2004年12月期) |
対前年同期比 増減率 |
|
売上高 | 1,674 | 1,731 | -3% | 1,816 | -8% |
EBIT | -122 | -43 | - - - | 211 | - - - |
純損益 | -183 | -100 | -83% | 142 | - - - |
1株当たり損益 (ユーロ) |
-0.25 | -0.14 | -79% | 0.19 | - - - |
独インフィニオンテクノロジーズは1月24日、2006会計年度第1四半期(10~12月)の業績を発表しました。売上高は前四半期に比べ減少しましたが、こ れは主としてメモリ製品部門のDDR2メモリの平均売価が大きく下落したことを反映しています。自動車・産業・マルチ市場部門ならびに通信部門の売上高は、ともに前四半期を上回りました。
2006年度第1四半期のEBIT損失は前四半期に比べて増大しました。これは、メモリ製品部門の業績が平均売価の大幅下落とビットコスト上昇により低迷したことが主な原因です。一方、ロ ジック分野2部門のEBITは合計で黒字となりました。
自動車・産業・マルチ市場部門のEBITは前四半期比で大きく増加しましたが、これは主に自動車事業のEBITが伸び、セキュリティ&チップカードIC事業の損失が減少したことによるものです。通 信部門では、第1四半期のEBIT損失が大きく減少しました。これは2005年度第4四半期に発生した1,400万ユーロの減損費用が2006年度第1四半期には発生しなかったことによるものです。また、同 部門の売上増と研究開発費の最適化が進んだこともEBIT損失の軽減につながりました。
最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは、「当社の企業再編措置は順調に進んでいます。通信部門とセキュリティ&チ ップカードIC事業は第1四半期にEBIT損失を縮小することができ、その結果ロジック分野2部門のEBITは合計で黒字となりました」と語っています。
2006年度第2四半期の見通し
2006年度第2四半期には、ロジック分野の2部門の売上高はおおむね横ばいで、EBITは第1四半期に比べて減少するとインフィニオンでは予想しています。メモリ製品部門については、生 産能力の拡大に伴ってビットベースの生産量が20%以上増える見通しです。インフィニオンでは引き続きミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了、クリム(マレーシア)の新工場建設、リッチモンド( 米国バージニア州)の300mm工場立ち上げを進めます。詳細な見通しは、各部門の項に記載しています。
事業グループ別の2006年第1四半期業績と見通し
インフィニオンでは部門の再編に伴い、2005年第2四半期から新しい組織体制に基づく業績報告を開始しました。旧モバイル事業部門と有線通信部門は、市 場の発展に合わせて新たに通信(Communication)事業グループに統合されました。これと同時に、セキュリティ&チップカードIC事業とASIC&設計ソリューション事業は自動車・産業・マ ルチ市場事業グループに統合されました。本リリースで表示する業績は、すべての会計期について改訂会計報告基準ならびに表示方法と整合するよう再分類した上で表示されており、現 在と将来の情報の比較分析も容易です。
自動車・産業・マルチ市場(AIM)
:百万ユーロ | 第1四半期 (2005年12月期) |
前四半期 (2005年9月期) |
対前四半期比 増減率 |
前年同期 (2004年12月期) |
対前年同期比 増減率 |
売上高 | 652 | 626 | +4% | 631 | +3% |
EBIT | 51 | 27 | +89% | 48 | +6% |
2006年度第1四半期の自動車・産業・マルチ市場事業グループの売上高は、前四半期に比べて増加しました。これは主に自動車事業、特に自動車用パワー半導体製品の売上が伸びたこと、お よび電源制御ICとASIC&設計ソリューション事業の季節的な売上増によるものです。セキュリティ&チップカードIC事業の売上は、引き続き強い価格の下落の影響を受け、予想どおり減少しました。自動車・産業・ マルチ市場事業グループのEBITは前四半期比で大きく伸びました。これは主として自動車事業のEBITの増加とコスト管理措置によるものです。セキュリティ&チップカードIC事業では価格下落が続いたものの、 固 定費の削減とコスト構造や製品構成の改善によって、EBITの損失は縮小しました。
自動車・産業・マルチ市場事業グループの2006年度第2四半期見通し
2006年度第2四半期には、自動車・産業・マルチ市場事業グループの売上高はやや増加し、EBITは第1四半期より減少すると当社は予想しています。自 動車事業およびセキュリティ&チップカードIC事業の売上は増加する一方、産業用半導体製品については季節的な需要減を見込んでいます。第2四半期にはEBITが減少する見通しですが、こ れは主に自動車関連の研究開発費の拡大が計画されていることと、産業用の電源制御事業およびASIC&設計ソリューション事業において、コ ンピューティングおよびコンシューマ分野にある程度連動した季節的な低迷が予想されるためです。さらに、ミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的生産終了に向けた支出予定と、クリム(マレーシア)新 工場立ち上げ費用の増大も、同部門のEBITに引き続き影響を及ぼすと見られます。
通信(Communication)
位:百万ユーロ | 第1四半期 (2005年12月期) |
前四半期 (2005年9月期) |
対前四半期比 増減率 |
前年同期 (2004年12月期) |
対前年同期比 増減率 |
売上高 | 334 | 331 | +1% | 414 | -19% |
EBIT | -21 | -46 | +54% | -19 | -11% |
通信事業グループの売上高は前四半期よりもやや増加しました。これは主にRFトランシーバとブロードバンドアクセスソリューションの需要が堅調だったことによるものです。E BITの損失は前四半期に比べて大幅に縮小しました。これは2005年度第4四半期に発生した1,400万ユーロの減損費用が2006年度第1四半期には発生しなかったことによるものです。また、同 部門の売上がRFトランシーバとブロードバンドアクセスデバイスに牽引されてやや増加し、研究開発費の最適化がさらに進んだこともEBIT損失の軽減につながりました。有 線ブロードバンドアクセス事業は第1四半期も引き続き利益を計上しました。
通信事業グループの2006年度第2四半期見通し
2006年度第2四半期は無線通信業界が季節的に低迷する時期にあたるため、通信事業グループの売上高は第1四半期より減少すると当社は予想しています。同部門のEBITの損失は、第 2四半期に拡大する見通しです。これは、以前実施したコスト構造改善の結果、業績が主として売上動向に左右されるからです。
メモリ製品(MP)
:百万ユーロ | 第1四半期 (2005年12月期) |
前四半期 (2005年9月期) |
対前四半期比 増減率 |
前年同期 (2004年12月期) |
対前年同期比 増減率 |
売上高 | 678 | 768 | -12% | 766 | -11% |
EBIT | -118 | 34 | - - - | 196 | - - - |
2006年度第1四半期のメモリ製品事業グループの売上高は前四半期より減少しました。これは主として、イ ンフィニオンの業績に比較的大きな影響を及ぼすDDR2メモリの平均売価が大きく落ち込んだことによるものです。さらに、当 社が大幅な価格低下と需要低迷への対策としてDDR2製品の出荷を制限したことも影響しています。
平均売価が大きく低下したことを受けて、第1四半期のEBITは前四半期よりも大幅に後退しました。研究開発費の増加とリッチモンド工場立ち上げに伴う製造コストの上昇、な らびに製品の多様化を受けて、ビットコストは一時的に上昇しました。
メモリ製品事業グループの2006年度第2四半期見通し
2006年度第2四半期には、リッチモンドの300mm工場やシリコンファンドリーを通じて生産能力が拡大するため、ビットベースの生産量は20%以上増加する見通しです。ビ ットベースの出荷量も前四半期を上回ると当社は予想しています。
その他の事業部門
位:百万ユーロ | 第1四半期 (2005年12月期) |
前四半期 (2005年9月期) |
対前四半期比 増減率 |
前年同期 (2004年12月期) |
対前年同期比 増減率 |
売上高 | 2 | 2 | 0% | 3 | -33% |
EBIT | 0 | -12 | + + + | -2 | + + + |
2006年度第1四半期のEBITは2005年度第4四半期よりも好転しました。これは主に、2 005年度第4四半期に発生した1,000万ユーロの減損費用が2006年度第1四半期には発生しなかったためです。
コーポレート&リコンシリエーション(社内・調整)
万ユーロ | 第1四半期 (2005年12月期) |
前四半期 (2005年9月期) |
対前四半期比 増減率 |
前年同期 (2004年12月期) |
対前年同期比 増減率 |
売上高 | 8 | 4 | +100% | 2 | + + + |
EBIT | -34 | -46 | +26% | -12 | - - - |
2006年度第1四半期にはEBITの赤字が前四半期に比べて減少しました。インフィニオンは第1四半期に株式ベース報酬費用の支出を開始し、その総額は700万ユーロとなりました。前 四半期のEBITは、主にミュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了に関連した企業再編活動の費用によってマイナスの影響を受けました。
インフィニオンの2006年度第1四半期の部門別業績ハイライトについては、下記サイトをご覧ください:
http://www.infineon.com/news
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、メモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フ ランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください:
本社サイト: http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFXX200601.030