インフィニオンテクノロジーズが2005会計年度の第2四半期(1~3月)および上半期の業績を発表

2005/04/26 | ビジネス&フィナンシャルプレス

梗概

  • 第2四半期の売上高は16億1,000万ユーロで、対前四半期比で12パーセントの減少。第1四半期に計上したプロモスとの和解による臨時ライセンス収入1億1,800万ユーロを除外すると、売 上高は同5パーセント減で、通信とメモリ製品両事業グループの減収を反映
  • 第2四半期の純損益は1億1,400万ユーロの赤字で、前四半期の1億4,200万ユーロの黒字から後退。第 2四半期のEBITも前四半期の2億1,100万ユーロの黒字から1億1,700万ユーロの赤字に減少( 第1四半期のEBIT黒字には主にプロモスとのライセンス問題決着からのプラス効果総額1億1,600万ユーロが含まれていた)。第2四半期のEBITには、主 に通信部門の再編措置に伴う純総計額7,400万ユーロが影響
  • 2005会計年度上半期の売上高は34億2,000万ユーロで、前年同期の32億9,000万ユーロから4パーセント増加。2005年度上半期の純利益は2,800万ユーロで、前 年同期の7,300万ユーロから減少。2005年度上半期のEBITは9,400万ユーロの黒字で、前四半期の1億4,100万ユーロから低下
    単位:百万ユーロ 第2四半期
    (2005年3月期)
    前四半期
    (2004年12月期)
    対前四半期比
    増減率
    前年同期
    (2004年3月期)
    対前年同期比
    増減率
    売上高 1,606 1,816 -12% 1,671 -4%
    純損益 -114 142 ... 39 ...
    EBIT -117 211 ... 71 ...
    1株当たり損益
    (ユーロ)
    -0.15 0.19 ... 0.05 ...

    単位:百万ユーロ 上半期
    (2005年3月期)
    前年同期
    (2004年3月期)
    対前年同期比
    増減率
    売上高 3,422 3,294 +4%
    純損益 28 73 -62%
    EBIT 94 141 -33%
    1株当たり損益
    (ユーロ)
    0.0 4 0.10 -60%


2005会計年度第2四半期には、当社の予想通り、売上総額が対前四半期比で減少しました。この減収は、プロモスとの和解による臨時ライセンス収入1億1,800万ユーロを除外すると、通 信とメモリ製品両事業グループの減収が主因です。通信部門では、世界の携帯電話市場における季節的なスローダウンと一部の顧客企業からの需要が季節的な低下以上に落ち込んだことが響いて、販売量が減少しました。メ モリ製品部門の第2四半期の減収は、第1四半期に計上されていたプロモスとの和解による臨時ライセンス収入1億1,800万ユーロがなくなったこととメモリ価格の大幅な下落が主因です。自動車/産業&マ ルチ市場部門の売上高は対前四半期比で横ばいを維持しましたが、これは主にチップカードIC事業における強い価格圧力にもかかわらず、自動車/産業向けの販売が伸びたことによります。当 社の全事業部門が価格圧力による影響を受けました。

第1四半期決算発表時の見通しで述べていた通り、主要3部門でEBITが後退しました。EBITの対前四半期比での後退は、通信部門の販売量低下とメモリ価格の大幅下落が主因です。加えて、主 に通信部門の再編措置に伴う純総計額7,400万ユーロがEBITに負担となりました。なお、第 1四半期のEBITには主にプロモスとのライセンス問題決着からのプラス効果総額1億1,600万ユーロが含まれていましたが、第2四半期にはそれがありませんでした。

インフィニオンの最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは、「当社の市場環境に対する慎重な見方と第1四半期決算発表時の見通しは、あいにく的中しました。こ の困難な環境下で、当社は事業構造の最適化に注力し、すでに幾つかのマイルストーンを達成しました。当社は2005年度第1四半期に迅速に行動し、敏速で効果的なスマート節減計画(Smart Savings Programm)を実行に移しました。また、構造をスリム化し、顧客企業への対応改善のための意思決定迅速化を目指して組織を簡素化しました。さらに第3のステップとして、不 採算事業の再編に集中的に取り組みました」と、語りました。

市場地位
市場調査会社iSuppliによると、世界の半導体市場におけるインフィニオンのランキングは2004暦年に前年の7位から4位に躍進しました。


従業員数
2005年3月31日現在の総従業員数は世界全体で約3万6,000人、うち約7,200人が研究開発関係に従事しています。


2005年会計年度第3四半期の見通し
当社は2005年会計年度第3四半期に需要の大幅な改善は予想していません。特にチップカードIC、メモリ、携帯電話製品について価格圧力の継続を想定しています。しかし、主 にメモリ製品部門の出荷量増加によって、売上高と事業収支への価格圧力の影響は部分的に相殺される見込みです。事業収支には、ミ ュンヘン=ペルラッハ工場の段階的な生産終了計画に伴う新たな出費が負担となることが予想されますが、それがどの程度なのかはワーク・カウンシル(労使協議会)での検討がまだ初期段階なので見極められません。
「特にメモリおよび携帯電話事業では、需要増進のための即効的触媒が存在しないので、当社は第3四半期も引き続き経費節減策と不採算事業の再編に集中的に取り組みます。非 常に困難な環境下にありますが、当社は革新的な製品群と企業体質をさらに強化するための一連の措置によって、来年には競争的地位をさらに強化できるものと確信しています」と、ツィーバルトはコメントしました

事業グループ別の2005年度第2四半期業績と見通し
インフィニオンが2005年1月1日に発足させた新しい組織体制に基づく財務ポジジョンと決算の発表を行うのは、この2005年度第2四半期が初めてです。企 業組織を市場動向に合わせるため、モバイル通信と有線通信の両事業を新しい通信事業グループに統合し、同時にセキュリティ&チップカードIC事業とASIC&設計ソリューション事業を自動車/産業&マ ルチ市場グループとして拡充した組織に統合しました。なお、期間ごとの発表に整合性を持たせるため、以前の期間の決算値については分類調整しました。

自動車/産業&マルチ市場

単位:百万ユーロ 第2四半期
(2005年3月期)
前四半期
(2004年12月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年3月期)
対前年同期比
増減率
売上高 634 631 +1% 606 +5%
EBIT 36 48 -25% 49 -27%



自動車/産業&マルチ市場部門では、この分野のエンド市場全般のスローダウンにもかかわらず、対前四半期比で横ばいを維持しました。これは主に自動車/産業向けの販売拡大によるものです。自 動車/産業&マルチ市場部門の売上高と損益に関しては、セキュリティ&チップカードIC事業における強い価格圧力が不利に働き、その分を生産性向上によって完全には相殺し切れませんでした。自 動車/産業事業におけるマージンは第1四半期決算発表時の見通しに符節を合わせた形になりました。

自動車/産業&マルチ市場グループの2005年度第3四半期の見通し
当社会計年度における第3四半期には自動車業界の需要が季節的な盛り上がりを示すのが通例なので、2 005年度第3四半期には自動車用事業はさらなる成長をみせると見込んでいます。一方、産業用事業では価格圧力の持続が予想されるため、第3四半期には損益はやや後退すると予測しています。セキュリティ&チ ップカードIC事業は、世界のチップカード市場と不調を合わせて、引き続き弱含みで推移するとみています。チップカードICの価格下落に関する予測は非常に困難ですが、当 社は価格下落からの売上高やEBITへのマイナスの影響は生産性向上によって十分に相殺できると見込んでいます。全体的には、同部門では売上高と損益は安定を維持すると予想しています。

通信

百万ユーロ 第2四半期
(2005年3月期)
前四半期
(2004年12月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年3月期)
対前年同期比
増減率
売上高 332 414 -20% 390 -15%
EBIT -142 -19 ... 15 ...



有線通信事業の売上高は2005年度第2四半期には安定していましたが、無線通信事業は大幅減収となりました。この減収は主に、第 2四半期に世界の携帯電話市場が季節的なスローダウンをみせたことに加え、一部の顧客企業からの需要が季節的な低下以上に落ち込んだためです。販売量の低下、相変わらず高水準の遊休設備経費、主 に光伝送や他の一部通信事業の売却または再編による出費(総計4,400万ユーロ)などにより、通信部門のEBITの赤字は著しく拡大しました。

2005年1月31日に、インフィニオンとフィニサー両社は、フィニサーが自社普通株3,400万株でインフィニオンの光トランシーバ事業を買収する契約を締結しました。また2005年4月に、イ ンフィニオンはフィニサーの普通株3,400万株をバンテージポイント・ベンチャー・パートナーズに売却しました。光トランシーバ事業売却とそれに続くフィニサー株売却は、第 2四半期のEBITに1,300万ユーロのプラス効果をもたらしました。光伝送事業からの営業赤字は、2005年度末以後にはEBITに実質的な影響は与えない見込みです。

2005年4月に、インフィニオンと米エクサー両社は、エクサーがインフィニオンの光ネットワーキング事業ユニットの主要部分を買収する正式契約を結びました。Ethernet over SONET製品のうち既存の「MetroMapper」ファミリについては、インフィニオンの製品ポートフォリオに残します。光ネットワーキング事業ユニットは2005年7月1日付けで解散します。7 月1日以後に自社に残す製品については、売上高と損益への貢献は微小なものと推測されます。

このイニシアティブを機に、インフィニオンの有線通信分野の活動はアクセス分野のアプリケーションに照準を絞り、その事業の採算性回復を目指して明確な路線を歩みます。

2005年度第2四半期には、インフィニオンの無線分野の製品ポートフォリオは、ベースバンド用とRF用のトランシーバをワンチップに統合したCMOSシングルチップIC「E-GOLDradio」の 投入でさらに強化されました。

通信部門の2005年度第3四半期の見通し
2005年度第3四半期には、通信部門の売上高は対前四半期比で横ばいかやや減少になると予想しています。こ れは主に携帯電話用部品に対する一部顧客企業の需要が引き続き低調とみられるからです。通信部門では全般的に価格圧力の持続、販売量の低下が予想されるため、2 005年度第3四半期にはEBITは著しい赤字になる見通しです。一方、当社は最近導入した効率改善プログラムの効果が第3四半期から出始めると見込んでいます。従って、第 3四半期には通信部門の赤字は第2四半期より縮小する見込みです。


メモリ製品

第2四半期
(2005年3月期)
前四半期
(2004年12月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年3月期)
対前年同期比
増減率
売上高 633 766 -17% 665 -5%
EBIT 17 196 -91% 13 +31%



メモリ製品部門では第2四半期に対前四半期比で売上高とEBITがともに後退しましたが、これは主に、第 1四半期にはプロモスとの和解による臨時ライセンス収入1億1,800万ユーロが計上されていたためです。また、世界のメモリ市場での大幅な価格下落が売上高とEBITに響き、そ れは販売量拡大と単位コスト低減によって完全には相殺し切れませんでした。

2005年3月に、ラムバスとインフィニオン両社は、両社間の係争中の訴訟をすべて解決し、ラ ムバスが現行および将来のインフィニオンの製品にラムバスの特許ポートフォリオを使用することを認めるライセンス供与を取り決めた契約を結びました。これに従って、ラ ムバスは既存および将来のラムバスの特許および特許アプリケーションの世界的なライセンスをインフィニオンに供与し、対価としてインフィニオンは、2005年11月15日から2007年11月15日まで、四 半期ごとのライセンス料として585万ドルをラムバスに支払います。

メモリ製品部門の2005年度第3四半期の見通し
2005年度第3四半期には、当社はシステムのメモリ搭載数の増大と2005年度第2四半期のDRAM価格下落に伴う世界中のメモリ需要増加を予想しています。当社のビット・ベースでの出荷量は、合 弁会社やファウンドリ・パートナーの生産能力拡大を基盤に、市場の成長を上回るペースで増加するものと見込まれます。当社は、価 格変動に左右されにくい高マージンの製品ポートフォリオの拡充を今後も集中的に推し進めます。


その他の事業部門

第2四半期
(2005年3月期)
前四半期
(2004年12月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年3月期)
対前年同期比
増減率
売上高 4 3 +33% 3 +33%
EBIT 11 -2 +++ 21 +++


その他の事業部門では、2005年度第2四半期に EBITが対前四半期比で大幅に改善しました。これは主に、当社のベンチャーキャピタル活動のシピオ・パ ートナーズへの売却による利益1,300万ユーロによるものです。

コーポレート&リコンシリエーション(社内・調整)

単位:百万ユーロ 第2四半期
(2005年3月期)
前四半期
(2004年12月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2004年3月期)
対前年同期比
増減率
売上高 3 2 +50% 7 -57%
EBIT -39 -12 ... 15 ---


コーポレート&リコンシリエーションでは、2005年度第2四半期に EBIT赤字が対前四半期比で増加しましたが、主に光伝送事業の再編に伴う出費3,100万ユーロが主因です。

インフィニオンの2005年度第2四半期の部門別の事業ハイライトについては、下記サイトをご覧ください:
http://www.infineon.com/news/

お断り
当リリースには、インフィニオンの今後のビジネスに関する展望的見解が含まれています。そうした展望的見解が該当するものには、世界の半導体市場(特にメモリ製品市場)の動向、イ ンフィニオンの成長性、研究開発提携や研究開発活動によってもたらされるメリット、生産能力の拡大と刷新のための当社の今後の投資水準、当社工場での新技術の導入、当社生産プロセスのより微細な構造への転換、そ うした転換や他のイニシアティブ(率先行動)に伴う経費削減、業界標準に基づく当社の技術開発の成功、当社が自社技術に基づいて商業性のある製品を提供できる能力、当 社の経費削減と成長の目標を達成できる能力などがあります。そうした展望的見解は多くの不確実な要因によって左右されますが、そうした要因には、半導体全般の需要および価格動向をはじめ、当 社自身ないし他社との提携による開発努力の成功、当社生産施設における新しい生産プロセス導入の成功、競合他社の動向、拡張計画を遂行するための資金調達、独 禁調査と訴訟問題の結末および当文中で述べられたその他の要因があげられます。したがって、当社における実際の業績は、当文中で記載された内容とは実質的に異なることがありえます。
 「Infineon」および「Infineon Technologies AG」の意匠はともにInfineon Technologies AGの登録商標およびサービスマークです。他 の登録商標はすべて、各々の所有者に属します。



インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、メモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の子会社を拠点として活動しています。2004会計年度(9月決算)の売上高は71億9,000万ユーロ、2004年9月末の従業員数は約35,600名でした。インフィニオンは、フ ランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください:
本社サイト:http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX200504.051

ダウンロードサービス