インフィニオンテクノロジーズが2005会計年度の第1四半期(10~12月)業績を発表

2005/01/24 | ビジネス&フィナンシャルプレス

  梗概

  • 第1四半期の売上高が18億2,000万ユーロで、対前四半期比で9パーセントの減少。全部門における販売低下を反映
  • 第1四半期の純損益は1億4,200万ユーロの黒字で、前四半期の4,400万ユーロから増加。第1四半期のEBITは2億1,100万ユーロの黒字で、前四半期の1億1,300万ユーロから増加。第 1四半期、前四半期とも、経常外の損益効果が影響
単位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
1,816
1,993
-9%
1,623
+12%
純損益
142
44
+++
34
+++
EBIT
211
113
+87%
70
+++
1株当たり損益
(ユーロ)
0.19
0.06
+++
0.05
+++


2005年度第1四半期には、各部門とも売上高が対前四半期比で減少しました。特に顧客企業の在庫調整による需要減から、ロジックICの3部門で販売量が低下しました。メモリ製品部門ではビット・ベ ースの生産がやや増加しましたが、総販売量は減少しました。同部門では顧客企業により一層効率的かつ柔軟に対応するため、増えた在庫を適正水準に戻しました

第1四半期のプロモスとの和解による臨時ライセンス収入約1億1,800万ユーロおよび前四半期に計上していた減損および独禁関連引当金1億3,200万ユーロによる影響を除外すると、有 線通信部門を除く全部門でEBITは減少しました。この減少は、セキュア・モバイル・ソリューション部門と自動車&産業部門における販売量減少と設備稼働率低下が主因です。米ドル下落も響きました。

最高経営責任者(CEO)兼社長のヴォルフガング・ツィーバルトは、「前四半期決算発表時の見通しで予測した通り、第1四半期には大半のアプリケーション分野でのスローダウン、明白な市場退潮傾向、顧 客企業の需要減がみられました。このため、当社は在庫水準調整への必要な措置をとり、これが第1四半期業績に不利な影響を与えました」と、語りました。

従業員数
2004年12月31日時現在の総従業員数は世界全体で約3万6,000人、うち約7,300人が研究開発関係に従事しています。

2005会計年度第2四半期の見通し
インフィニオンの顧客企業の発注行動と市場調査機関の予測を基に、当社は2005会計年度第2四半期には世界の半導体市場で需要のスローダウンが続くと予想しています。季 節的効果、インフィニオンの全アプリケーション部門での価格圧力、顧客企業の在庫調整継続による一層の需要減から、当社は第2四半期には収益低下が進むと予測しています。

ツィーバルトは、「当社が競争力改善のためにとった多くの措置は短期的には実に試練ではありますが、中長期的な将来のためには不可欠です。当社は経費、投資、運転資本をさらに節減し、2 005年度には当初計画に比べて2億ユーロの固定費削減をメドとしています」とコメントしました。

事業グループ別の2005会計年度第1四半期業績と見通し
ンフィニオンは、顧客志向の強化、効率性と柔軟性の向上を目的として、全 社にわたる意思決定プロセスの短縮化と迅速化を実現する組織の再編を2005年1月1日付けで実施に移しました。市場動向を反映し、モバイル通信と有線通信の両事業を新しい通信事業グループに統合し、同 時にセキュリティ&チップカードIC事業を自動車/産業&マルチ市場グループとして拡充した組織に統合しました。当社はこの新しい組織構造に基づく業績および事業成績を、2 005会計年度第2四半期から報告していく予定です。

自動車&産業(AI)

単位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
452
501
-10%
411
+10%
EBIT
50
76
-34%
47
+6%



自動車&産業グループでは、主に需要軟化による販売量減少のため、対前四半期比で減収となりました。このため同部門では在庫調整に踏み切らざるを得ず、自 動車と産業の両顧客家側で同様の動きがみられました。EBITの対前四半期比の減少は販売量低下と遊休設備費の増加が原因です。当社は在庫削減を積極的に進めたため、生 産と設備稼働率は販売量低下を上回るペースで後退し、それがマージンを圧迫しました。

自動車&産業グループの2005会計年度第2四半期の見通し
自動車向けに関しては、インフィニオンは世界の半導体需要に大きな変化はないだろうとみています。産業用については、季節的効果から市場は弱含みになると予想しています。自動車& 産業部門では、必要な在庫削減の大半が完了したので、設備稼働率のこれ以上の悪化はない見込みです。全体的には、同部門の売上高は第2四半期にはやや増加すると予測しています。但し、自 動車業界では前年よりも価格が軟調気味なため、同部門の利益はやや低下する見通しです。

有線通信(COM)

単位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
106
114
-7%
107
-1%
EBIT
-29
-110
+74%
-15
-93%



有線通信部門では、特にアジアにおけるサプライチェーンの在庫調整によりアクセス製品の販売が低下したため、対前四半期比で減収となりました。EBIT赤字が前四半期より縮小したのは、継 続的な経費削減に加え、2004年度第4四半期には経常外の減損引当金があったのが主因です。

2005年1月11日に、インフィニオン取締役会は、2004年10月11日付けで修正された米フィニサーとの売買基本契約を解除することを決定しました。イ ンフィニオンにとって制御不可能な事情があったためです。フィニサーとの契約解除とそれに関連した光通信部品事業の再編は、2005年度第1四半期の事業成績と業績には影響がありませんでした。

有線通信部門の2005会計年度第2四半期の見通し
価格圧力の持続、顧客企業の小幅な在庫水準引き下げ、在来テレコムの需要減にもかかわらず、インフィニオンは第2四半期には売上高と営業赤字が安定を維持すると予想しています。加えて、当社は目下、フ ィニサーとの契約解除とそれに関連した光通信部品事業の再編計画が今後の業績や事業成績に及ぼす影響について評価作業を進めています。

セキュア・モバイル・ソリューション(SMS)

単位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
439
508
-14%
410
+7%
EBIT
2
44
-95%
14
-86%


セキュア・モバイル・ソリューション部門では、特に顧客企業の在庫調整による販売量低下から対前四半期比で減収となりました。また、主に設備稼働率低下による遊休設備費の増加、販売量の低下、価 格低下増大が原因で、EBITも対前四半期比で減少しました。

セキュア・モバイル・ソリューション部門の2005年度第2四半期の見通し
2005暦年第1四半期には携帯電話市場における例年の季節的スローダウンと2004会計年度第1四半期よりも受注が減っていることが重なり、第 2四半期には販売量は引き続き低調になると予想されます。継続的な価格低下と販売量の低下が推測され、売上高は第1四半期よりも減少傾向が強まる見通しです。当 社は第2四半期にはさらなる減産措置により在庫圧縮を図る方針です。平均設備稼働率は引き続き低下し、EBITマージンは第1四半期よりもさらに大きく下がると予想しています。

メモリ製品(MP)

単位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
766
807
-5%
643
+19%
EBIT
196
149
+32%
57
+++


メモリ製品部門では、米ドルの大幅下落に加え、特に前四半期より販売量が低下したことが響いて対前四半期比で減収となり、予想通り在庫水準が上昇しました。売上高とEBITには、プ ロモスとの和解に関連した臨時ライセンス収入約1億1,800万ユーロが含まれています。なお、前四半期のEBITにはDRAM独禁調査関連の引当金1,800万ユーロが含まれていました。そ れらの金額を除外すると、EBITは前四半期より後退しており、これは売上高が対前四半期比で減少したのが主因で、米ドル下落も若干響きました。

2004年12月に、インフィニオンはサイファンセミコンダクターズとの提携契約を修正しました。その結果、インフィニオンは合弁会社インフィニオンテクノロジーズ・フ ラッシュにおけるサイファンの持ち分30パーセントを買い取り、サイファンのNROM技術の使用ライセンスを取得しました。インフィニオンはインフィニオンテクノロジーズ・フ ラッシュを単独所有して経営責任を掌握することになり、2005年1月1日からその決算が全面的にインフィニオンに組み込まれます。

メモリ製品部門の2005会計年度第2四半期の見通し
2005年度第2四半期には、当社はDRAM価格の季節的低下を予想しています。ビット・ベースでの生産は、合弁会社イノテラ メモリーズからの追加分算入で増加する見込みです。 加えて、ファウンドリ・パートナーからのチップ供給量の増加が見込まれます。当社は今後とも、ビット原価の低減とより高マージンな製品による品目拡充に照準を合わせます。

その他の事業部門

単位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
51
54
-6%
47
+9%
EBIT
2
-30
+++
-5
+++


その他の事業部門では、EBITが対前四半期比で大幅な改善をみせました。これは、2 004会計年度第4四半期決算に含まれていたベンチャーキャピタル活動のための減損引当金が2005年度第1四半期にはなかったのが主因です。

中核事業に照準を絞るため、インフィニオンは2005年度第1四半期に、ベンチャーキャピタル事業をドイツの第二証券市場の主要ベンチャーキャピタル企業であるシピオ・パ ートナーズに売却する取り決めを結びました。この取引に関する手続きは第2四半期に完了する予定です。

コーポレート&リコンシリエーション(社内・調整)

位:百万ユーロ
第1四半期
(2004年12月期)
前四半期
(2004年9月期)
対前四半期比
増減率
前年同期
(2003年12月期)
対前年同期比
増減率
売上高
2
9
-78%
5
-60%
EBIT
-10
-16
+38%
-28
+64%



コーポレート&リコンシリエーションでは、EBITが対前四半期比で改善をみせました。これは、2004年度第4四半期にはあったライセンス支出が2005年度第1四半期にはなかったのが主因です。

インフィニオンの2005年度第1四半期の部門別事業ハイライトについては、下記サイトをご覧ください:

http://www.infineon.com/news/

お断り
リリースには、インフィニオンの今後のビジネスに関する展望的見解が含まれています。そうした展望的見解が該当するものには、世界の半導体市場(特にメモリ製品市場)の動向、イ ンフィニオンの成長性、研究開発提携や研究開発活動によってもたらされるメリット、生産能力の拡大と刷新のための当社の今後の投資水準、当社工場での新技術の導入、当社生産プロセスのより微細な構造への転換、そ うした転換や他のイニシアティブ(率先行動)に伴う経費削減、業界標準に基づく当社の技術開発の成功、当社が自社技術に基づいて商業性のある製品を提供できる能力、当 社の経費削減と成長の目標を達成できる能力などがあります。そうした展望的見解は多くの不確実な要因によって左右されますが、そうした要因には、半導体全般の需要および価格動向をはじめ、当 社自身ないし他社との提携による開発努力の成功、当社生産施設における新しい生産プロセス導入の成功、競合他社の動向、拡張計画を遂行するための資金調達、独 禁調査と訴訟問題の結末および当文中で述べられたその他の要因があげられます。したがって、当社における実際の業績は、当文中で記載された内容とは実質的に異なることがありえます。「Infineon」および「 Infineon Technologies AG」の意匠はともにInfineon Technologies AGの登録商標およびサービスマークです。他の登録商標はすべて、各々の所有者に属します。 



インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2004会計年度(9月決算)の売上高は71億9,000万ユーロ、2004年9月末の従業員数は約35,600名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください:
本社サイト:http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFXX200501.028

ダウンロードサービス