インフィニオンテクノロジーズが台湾本部を南港ソフトウェアパークに移転

2003/11/27 | ビジネス&フィナンシャルプレス

世界第6位の半導体メーカーである独インフィニオンテクノロジーズは、台湾本部を南港ソフトウェアパークに移転したと発表しました。こ れは台湾での新たな一里塚となります。この移転を機に、インフィニオンは台湾により根強く定着するための3つの目標と3つの成長戦略を設定しました。

第1の目標は、台湾で半導体サプライヤの上位3社に入り、今後5年間に年平均30パーセントの成長を達成することです。第2の目標は、台湾でのメモリ製品のラインナップを強化し、様 々なメモリ需要に応える「ワンストップ・ショップ」を築くことです。第3の目標は、非メモリ製品分野とソリューション・ビジネスの市場シェア拡大を追求することです。

これらの目標を達成するため、3つの成長戦略を策定しました。まず第1に、台湾企業との技術開発および生産協力のための持続的な提携関係を成長プランの鍵とみなしています。イ ンフィニオンは2件の重要な投資計画、すなわちイノテラ・メモリーズ(Inotera Memories)とパロリンク(ParoLink)の両合弁事業に着手しました。2004年には、南亜科技との合弁会社、イ ノテラ・メモリーズがDRAM製品の生産施設の操業に入り、国聯光電科技(United Epitaxy Company: UEC)との合弁会社、パロリンクも光通信デバイスのパイロット生産を開始します。メ モリ製品に関するこれまでの提携の成果と合弁事例を土台にして、インフィニオンは通信、セキュア・モバイル・ソリューション、自動車&産業用の製品および技術に関して、台湾企業との事業提携の拡大を推進します。

第2に、インフィニオンはここ3年間にわたり台湾における外国半導体投資企業として上位3社に入りましたが、その地位をこれからも保持していきます。台湾への投資の最大部分は、イノテラ・メ モリーズやパロリンクなどの合弁事業が占める予定です。第3に、技術革新のための研究開発能力を養い、地元の専門技術者を培う投資を継続して行います。

インフィニオンテクノロジーズの最高セールス&マーケティング責任者(CMO)のペーター・バウアーと台湾経済部工業局の陳昭義(Chen Chao-yi)局 長が台湾新本部の開業式典に出席しました。

ペーター・バウアーは、「インフィニオンは、2003年上半期にアジアでの販売を実に40パーセントも伸ばしました。インフィニオンは市場シェアを大幅に拡大し、ア ジアでのランクは8位から上位4社以内へとアップしました。台湾は、インフィニオンにとってアジア太平洋地域で鍵となる戦略市場であり、アジア事業のなかで最も急成長している拠点の一つとなっています。台湾は、イ ンフィニオンが「Agenda 5-to-1」戦略に盛り込まれた意欲的な成長目標を達成し、最終的にインフィニオンを半導体ソリューション・ビジネスの最先端に導く上で重要な役割を果たすでしょう」と、語 りました。

インフィニオンテクノロジーズアジアパシフィック社の社長兼マネージング・ディレクタであるロー・キン・ワーは、「インフィニオンは、台湾の『グリーン・シリコン・アイランド(緑色珪島)構想』に 沿って、台湾で投資および技術開発能力を強化しています。インフィニオンは、南港を新しい半導体産業クラスタ(集束)地域として発展させる台湾政府の政策を支援するため、南 港ソフトウェアパークに本部を移転しました。インフィニオンは、外資のために素晴らしいビジネス環境を創り出す台湾政府の卓越した努力に感謝申し上げます」と、述べました。

ロー・キン・ワーはさらに、「インフィニオンは、パーク内の便利な環境、卓越したインフラおよびパーク内のハイテク企業のエコシステムを利用し、競争力を強化します。インフィニオンは、世 界の半導体業界における台湾の持続的成功に貢献できるよう努めます」と付言しました。

台湾経済部工業局の陳昭義局長は、インフィニオンの台湾への貢献を評価しています。インフィニオンは台湾では、外国投資として近年では最大級の規模の投資を行って、熱 心なビジネスパートナーとなっています。陳局長は、「インフィニオンが、業界のアップグレードとクラスタ化を目指す政府の計画を支援する実践行動を先導していることを嬉しく思います。イ ンフィニオンのような業界のグローバル・リーダーからの支援を得て、台湾は競争上の優位と技術能力を一段と強化できるでしょう」と、表明しました。

インフィニオンは台湾では強力な事業プレゼンスを長く維持しています。世界中で生産されるPCマザーボードの90パーセントが台湾製であり、その30パーセントにインフィニオンのパワーMOSFET「 CoolMOS」が使われています。また、インフィニオンのセキュリティICには、台湾全民健康保険ICカードやATMカード、金融取引カードなどに必要なハイセキュリティ・アーキテクチャが採用されています。 イ ンフィニオンにとって、自動車&産業、通信、セキュア・モバイル・ソリューションなどの非メモリ製品分野は、台湾企業にDRAM以外のラインナップを提供する上でますます重要になっています。イ ンフィニオンはまた、ソリューション・ビジネスによって、台湾のパートナーをOEM(相手先ブランドによる製造)メーカーからOBM(自社ブランド生産)メーカーへと劇的に飛躍させることができます。

インフィニオンの台湾企業との提携は現在、これ以外にも、南亜科技との90nmおよび70nm生産技術の開発、華邦電子(ウィンボンド)と のDRAM生産能力増強といった技術開発および生産提携があります。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFXX200311.901