インフィニオンテクノロジーズが2001会計年度(9月決算)の通年業績を発表

2001/11/13 | ビジネス&フィナンシャルプレス

独インフィニオンテクノロジーズは、9月30日に終了した2001会計年度の通年業績を発表し、売上高が前年度比22パーセント減の56億7,000万ユーロとなったと発表しました。ア ナリストの予測によると2001年(暦年)の半導体市場は30パーセント以上のマイナス成長となる見通しで、インフィニオンの減収の主な原因となったのは半導体市場全般の不振、特 にメモリと移動通信製品の需要後退でした。しかし、メモリ以外の事業合計ではインフィニオンの売上高は10パーセントの増加をみせ、中でも有線通信、セキュリティ&チップカードIC、自 動車&産業の各事業グループが堅調な伸びを示しました。

2001会計年度の損益は前年度の11億3,000万ユーロの純利益から5億9,100万ユーロの純欠損となりました。こ れに伴い1株当たり損益は前年度の1.83ユーロの利益から0.92ユーロの欠損へ転じました。特にメモリ製品の価格下落、非メモリ部門での遊休設備の維持、リストラ経費、買 収コストなどが利益圧迫要因となりました。

インフィニオンテクノロジーズの社長兼最高経営責任者(CEO)であるウルリッヒ・シュマッハーは、「厳しい市場環境の中で、イ ンフィニオンは高い技術力とシステムソリューション力を背景に健闘しましたが、メモリ製品や無線通信市場の悪化が業績全般にマイナスの影響を与えました。当社は、2 002会計年度末までに10億ユーロ以上の事業コスト削減を達成する包括的な経費削減計画「インパクト」を推進中で、大きな進展をみせています」と、述べました。

2001会計年度の粗利益率は、前年度の44パーセントに対して14パーセントでした。研究開発費は前年比14パーセント増の11億9,000万ユーロで、売 上総額に占める研究開発費の比率は21パーセントとなりました。研究開発費で大きな項目は、次世代移動通信、10/40ギガビット光通信網、先進的セキュリティソリューションなど、タ ーゲット市場での次世代製品の開発や生産性向上のための技術プロセス開発でした。

地域別売上高をみると、欧州以外の地域での売上高が総売上高の47パーセント(前年度55パーセント)を占めています。9月30日現在の総従業員数は世界全体で3万3,800人、う ち5,500人強が研究開発関係のスタッフです。

第4四半期(2001年7~9月期)の業績  2001会計年度の第4四半期業績は、売上高が10億9,000万ユーロと前年同期比54パーセント、前期比15パーセントの減少となりました。純 損益では5億2,300万ユーロの欠損(前年同期は5億8,100万ユーロの利益、前期は3億7,100万ユーロの欠損)でした。

2001会計年度の事業グループ別売上高
2001会計年度の事業グループ別売上高は、有線通信グループが7億6,800万ユーロと前年比15パーセントの増加を示しました。従 来型アクセス製品や光通信ソリューションの力強い需要に支えられました。  無線通信グループの売上高は、9億9,700万ユーロと前年に比べ18パーセントの低下で、携帯電話市場の悪化の影響を受けています。  セキュリティ&チップカードICグループの売上高は、5億8,800万ユーロと前年比57パーセントの急増を示し、特に上半期のハイエンド製品へのシフトが好成績に寄与しました。  自動車&産業グループの売上高も11億ユーロと前年比25パーセントの力強い伸びをみせました。自動車用および産業用パワー半導体ソリューションの好調が高い伸びの大きな要因となっています。  メモリ製品グループの売上高は、前年比54パーセント減の15億9,000万ユーロで、特にPC市場の需要低迷の影響を受けています。

2001会計年度の戦略ハイライト
インフィニオンは幅広い分野での技術資産をベースにしたシステムノウハウを強化し、G SM/GPRS携帯電話向けターンキーソリューションなど未来アプリケーション向けのシステムソリューションを提供する戦略を継続しました。さらに、事業グループ相互の専門技術を組み合わせ、先 進的なシステムソリューションの提供に努めています。その例として、無線と自動車関連技術を組み合わせた、自動車インフォテインメントやナビゲーションのシステムソリューションがあります。 インフィニオンはメモリ製品のシュリンク・ロードマップで大きく前進しました。ロジック製品では6インチから8インチのウェハへの全面転換を完了しました。さらに、300mmウェハ生産では、ド レスデン工場での300mmモジュール生産立ち上げで世界的なリーダーシップを強化しました。この技術優位によりインフィニオンは、メモリICの生産コストで世界最低レベルを維持できると確信しています。

2002会計年度の見通し
2001会計年度は、半導体市場の著しい環境悪化に直面しました。有力アナリストは、半導体市場全体で2001年(暦年)は30パーセント以上のマイナス成長、2002年(暦年)は 1ケタの低成長を予測しており、今後6カ月間の見通しは不透明で、世界経済の失速や世界の政情不安が影響する可能性もあります。その結果、現在でも厳しい市場競争がさらに激化して、価 格圧力と生産過剰が継続する可能性も否定できません。マクロ経済が不透明な現状では、2002会計年度の動向を予測するのは困難ですが、イ ンフィニオンは現在の低迷する市場環境を乗り切るための十分な流動性と柔軟性を備えています。

備考: このリリースは、独インフィニオンテクノロジーズ社が、11月13日付けで発表した資料から抜粋した日本語訳です。原文(英語版テキスト、財務諸表を含むFDFファイル)および関連資料は、次 のURLに掲載されています。
直接アクセス:
http://www.never-stop-thinking.com/annual2001/intl/release.html
ニュースルーム経由:
http://www.infineon.com/news/



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INFXX200110.009