オープンリヒトが未来の照明を開発:オープンソースと人工知能(AI)を活用した照明イノベーション

2020/03/23 | マーケットニュース

2020年3月19日、ミュンヘン(ドイツ) 

2016年9月に発足した研究プロジェクトであるオープンリヒトでは、オープンソースと新素材を基盤にしたスマートなカスタマイズ照明ソリューションの開発を行なっています。オープンリヒトは、科学界、産業界、メーカー、スタートアップによる新たな形の連携を目指して、ドイツ連邦教育科学研究技術省(BMBF)により創設されました。インフィニオン テクノロジーズは、ベルニッツ エレクトロニクス社(Bernitz Electronics GmbH)、デッゲンドルフ工科大学(Deggendorf Institute of Technology)、ドレスデン工科大学(Technical University of Dresden)と緊密に協力してこのプロジェクトを監修しています。 

現在公表されている研究結果には、人工知能を用いたスマート照明システムのプロトタイプが含まれます。ユーザーの位置や、読書やテレビ視聴といった活動に応じて室内の照明を自動的に調光し、個々人の好みを学習するだけでなく、過去に学習していない状況にも対応することが可能です。 

このプロジェクトで開発したソリューションには、オープンハブ、スマートホームシステム、機械学習ライブラリなどのオープンソースアプローチを採用しています。無料で利用できる開発環境、ソフトウェアフレームワーク、低価格なハードウェアソリューションの活用によって、より広範なセンサデータを活用したり、すでにある実績をもとにコミュニティによるさらなる開発が可能になります。 

スマートホームにインテリジェントな照明デザインが導入されつつあります。完全な自動化ソリューションが日常生活の一部になることで、私たちは新たなビジョンを得られるでしょう。ただし、現在市販されているソリューションは、ユーザーに多くの課題をもたらしがちです。多くの場合、一部が自動化されているに過ぎず、複雑すぎてプログラミングできないとか、プライバシーを保護できない場合や、ユーザーのニーズに応じた調光が行えないため不必要に電力を消費する場合も多く、結果的にCO2排出量に悪影響を与えています。オープンリヒトは、こうした課題に対する解決策を見つけました。 

人工知能( AI )を活用したスマート照明ソリューション

ローカルネットワークへのAI活用を通じて、安全かつ持続可能でユーザーのプライバシーを保護するスマート照明ソリューションが生まれます。AIは外部と遮断されたシステム上で作動し、インターネットに接続する必要はありません。これを可能にするため、Raspberry Pi とインフィニオンのトラステッドプラットフォームモジュール(TPM)を基盤としたオープンソースゲートウェイが開発されました。  

そのため、データをクラウドに送信する代わりにローカルで処理することができ、家庭のセキュリティとプライバシーを守れます。スマートホームソリューションが支持を集めるためには、こうした要素が欠かせません。さらに、ユーザーの活動に合わせた自動調光を通じて、それぞれの場面で必要な明るさを確保できます。これにより不要な「投光照明」を避け、ユーザーの良心に訴える必要なく温暖化対策に貢献できます。 

全ての人にオープンな照明を

オープンリヒトはソフトウェア開発を文書化し、GitHubで公開しました。これを受けて、様々なDIYによって新たな照明のアイデアが付加されて、ドイツでDIY向けに3Dプリンターのデータが揃うThingiverseやDIYのコミュニティサイトであるHand im Glückといったプラットフォーム上でダウンロード可能になっています。プラットフォーム上で照明に関するコミュニティの対話も進んでいます。最終的な目標は、誰もが最先端の照明ソリューションを開発できることです。 

オープンリヒトは、照明開発へのアクセスを拡大するため、知識、イノベーション、設計に関わる様々なクリエイティブパートナーを評価フェーズに参加させました。ミュンヘン応用化学大学(Munich University of Applied Sciences)およびStrascheg Center for Entrepreneurshipと協力して、デザイン、電子工学、経済学専攻の学生らが照明イノベーションを開発し、実演機を製作、さらにビジネスモデルを作成しました。2019年のLichtwoche München見本市では、一般人と専門家両方が参加する様々なワークショップが開催され、3Dプリント技術を活用したものなど、最新照明ソリューションを実装することができました。デッゲンドルフで Technik für Kinder 協会と共催したイベントでは、子どもたちが午前中の間にスマート照明を作り上げました。オープンリヒトは、照明に対して2つの見方を提示したのです。すなわち、照明は人の動きに反応でき、誰でも照明を使用して開発し、そのデザインを見直せるということです。 

オープンリヒトについて

オープンリヒトは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)が「Open Photonics(オープンフォトニクス)」開発プログラムの一環として支援している10の研究プロジェクトの1つです。オープンフォトニクスの各プロジェクトは、光学部品やシステムの使用を向上するためのオープンイノベーション手法や、それらの普及を促進するためのオープンソース手法など、幅広い目標を追求しています。また、一般市民が科学プロジェクトにより直接的に参加できるようにする諸手法も研究対象に含まれています。オープンリヒト研究プロジェクトは、2019年12月に終了しました。予算規模は約450万ユーロで、BMBFが「光技術―メイド イン ジャーマニー(Optical Technologies ― Made in Germany)」プログラムの一環として63%の負担率で資金を拠出しました。オープンリヒトについて詳しくは、 プロジェクトサイト、または BMBFの資金拠出プログラムに関するサイトをご覧ください。

 

 

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2019会計年度(9 月決算)の売上高は80億ユーロ、従業員は世界全体で約4万1400人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQX に株式上場しています。 

本リリースは www.infineon.com/pressに掲載しています。

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  • OpenLicht is developing the light of tomorrow: Light innovation thanks to open source and artificial intelligence (AI)
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