長寿命のインダストリー4.0と情報通信技術システム用のアップデート可能なセキュリティ
2019年11月28日、ミュンヘン(ドイツ)
コネクテッドなマシンとそれらを繋ぐ情報通信技術システムにはセキュリティメカニズムが必要ですが、特に一般的に寿命が長い産業用ハードウェアではその堅牢性を維持す必要があります。長期にわたり攻撃に耐えるということは、アップデートを通じて最先端の保護を維持することを意味します。そうしたアップデート可能なセキュリティメカニズムを研究し評価することが、共同ALESSIOプロジェクトの目的でした。同プロジェクトの成果が、オートメーション産業の主要な見本市である SPSでのVDMAフォーラム(ドイツ語のみ)で発表されます。
(フラウンホーファー研究機構)、Giesecke+Devrient Mobile Security GmbH、Siemens AG、ミュンヘン工科大学(TUM)およびWIBUシステムズは、2016年以降、インフィニオン テクノロジーズのリーダーシップの下、コネクテッドなコンピュータアプリケーションおよび組込みシステムのためのチップベースのソリューションと試作を開発してきました。ALESSIOは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)から約390万ユーロの資金提供を受けており、それは2019年12月31日に終了する予定です。
コネクテッド・マニュファクチャリング向けのセキュアな情報通信ストラクチャー
あらゆる新しいコネクテッドデバイスは、サイバー攻撃のゲートウェイとなる可能性があります。機密性の高い会社のデータと情報が奪われ、さらなる攻撃に悪用される可能性があります。これは、デバイス内の重要なセキュリティ情報に対して、信頼できる保護がソフトウェアとハードウェアの組み合わせに依存しているためです。ソフトウェアは後から変更できますが、ハードウェアまたはセキュリティチップは、一度実装されると遠隔で外部からは操作できません。セキュリティチップは高度に保護された領域であり、データおよびセキュリティ関連の情報がソフトウェアとは別に保存されていますが、攻撃方法が時間とともに変化する可能性があるため、この保護された領域自体をアップデートする方法も必要です。
ALESSIOプロジェクトでは、アップデート可能なセキュリティソリューションが、2つの異なる技術的アプローチによって達成可能だということを証明することができました。一つはアップデート可能なソフトウェアを搭載したチップベースのセキュアエレメントであり、もう一つはハードウェアのコンポーネントを実行時間中にセキュアな形でアップデートできるFPGA(動作環境で書き換え可能なゲートアレイ)として知られる書き換え可能なロジックデバイスに実装されるアップデート可能なセキュアエレメントです。この二つのの選択肢により、情報通信技術ネットワークとセキュリティ関連データを長期にわたり効率的に保護、および管理することが可能になります。
Fraunhofer AISEC について
Fraunhofer Institute for Applied and Integrated Security AISECは、サイバーセキュリティ分野における応用研究を扱う世界一流の機関の1つです。100人を超える非常に有能な従業員が、お客様やパートナーの競争上の優位性を向上させるために、企業や公共部門向けのオーダーメイドのセキュリティのコンセプトおよびソリューションに取り組んでいます。これには、データセキュリティ、および産業スパイやサボタージュ攻撃などのサイバー犯罪からの保護を強化するためのソリューションが含まれます。対象範囲には、組込み型およびハードウェアのセキュリティ、オートモーティブおよびモバイルセキュリティ、産業およびオートメーション向けのセキュリティソリューションが含まれます。さらに、Fraunhofer AISECは、自前の最先端の試験機関において、コネクテッドなシステムおよび組込みシステム、ハードウェアおよびソフトウェアの製品、Webベースのサービスおよびクラウドサービスのセキュリティを評価することができます。
Giesecke+Devrient Mobile Security GmbH について
Giesecke+Devrient Mobile Security GmbHは、ドイツのミュンヘンに本社を置くモバイルセキュリティテクノロジーの企業です。同社は、世界規模で展開するGiesecke+DevrientグループのサブグループGiesecke+Devrient Mobile Securityの一部です。Giesecke+Devrient Mobile Securityの従業員数は5300人で、2018年会計年度の売上高は8億6800万ユーロでした。40を超える営業所とパートナーオフィス、および20を超える認証された製造拠点やパーソナライズ拠点、データセンターをもって、世界中のお客様に寄り添います。
インフィニオンについて
インフィニオン テクノロジーズは、暮らしをより便利に、安全に、エコに革新する半導体分野の世界的リーダーです。明るい未来の扉を開く鍵になる半導体をつくることが、私たちの使命だと考えています。2019会計年度(9月決算)の売上高は80億ユーロ、従業員は世界全体で約4万1400人。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場(ticker symbol:IFX)、米国では店頭取引市場(ticker symbol:IFNNY)のOTCQXに株式上場しています。
Siemens AG について
Siemens AG(ベルリンとミュンヘン)は、エンジニアリングの卓越性、革新性、品質、信頼性、および国際性を170年以上にわたって表してきた世界的なテクノロジーの大手企業です。同社は世界中で活動しており、発電とパワーディストリビューション、建物と分散型エネルギーシステム向けのインテリジェントインフラ、およびプロセスと製造業におけるオートメーションとデジタル化という分野に重点を置いています。鉄道 道路輸送向けのスマートモビリティソリューションの主要サプライヤーである、別経営の企業Siemens Mobilityを通じ、 Siemensは旅客 貨物輸送サービスの世界市場を形成しています。上場企業であるSiemens Healthineers AGとSiemens Gamesa Renewable Energyの株式の過半数を保有していることにより、Siemensは、医療技術とデジタルヘルスケアサービス、および陸上 洋上風力発電に向けた環境に優しいソリューションを提供する世界有数のサプライヤーでもあります。
ミュンヘン工科大学について
ミュンヘン工科大学(TUM)は、ヨーロッパを代表する研究大学の1つであり、約550人の教授、4万2000人の学生、および研究職 非研究職を併せて1万人の職員を擁しています。その重点分野は、工学、自然科学、生命科学、医学であり、経済科学・社会科学と結び付けられています。ミュンヘン工科大学は、才能を促進し、社会に価値をもたらす起業家大学として機能しています。同大学は、科学界と産業界において強力なパートナーを持っていることから利益を得ています。同大学は、シンガポールにTUMアジアキャンパスを、北京、ブリュッセル、カイロ、ムンバイ、サンフランシスコ、サンパウロに事務所を構えていることで世界的に存在感があります。ルドルフ ディーゼル、カール フォン リンデ、およびルドルフ メスバウアーなどのノーベル賞受賞者や発明者がTUMで研究を行ってきました。2006年、2012年、および2019年には、ドイツの「優秀大学」として認められました。国際ランキングでは、TUMは定常的にドイツで最優秀大学に選ばれています。
Wibu-Systems AG について
1989年にオリバー ヴィンゼンリードとマルセルス ブッフハイトによって設立された非公開会社であるWibu-Systemsは、グローバルなソフトウェアのライセンス市場において革新的なセキュリティテクノロジーを主導してきました。Wibu-Systemsの包括的で受賞歴のあるソリューションにより、PCベース、PLC、組込み型、モバイルベース、クラウドベースのモデルを通じてアプリケーションを配布するソフトウェア発行者およびインテリジェントデバイスメーカーに対し、デジタル資産とノウハウの保護、ライセンス供与、セキュリティに関する独自かつ国際特許を取得したプロセスを提供します。
Information Number
INFDSS201911-013j
Press Photos
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Connected machines and ICT systems require security mechanisms that are particularly robust and remain so for the long life common with industrial hardware. Withstanding attacks over the long term means keeping the protections at the state-of-the-art through updates.Industry4.0_ALESSIO_Security
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