インフィニオンのBlockchain Security 2Goスターターキットでデジタル取引を保護

2018 年11 月23日、ミュンヘン（ドイツ）

デジタル取引においては、セキュアであること、さらにユーザーフレンドリーなソリューションが求められます。ブロックチェーンアプリケーションでは、その必要性がますます高まります。システムのセキュリティの観点から、ユーザー認証情報がきわめて重要になるからです。インフィニオン テクノロジーズは、新しいBlockchain Security 2Goスターターキットの提供をお知らせいたします。これにより、フィンテックおよびブロックチェーン設計者は、迅速かつ容易にハードウェアベースのセキュリティをシステムに組み込めるようになります。

「ブロックチェーンシステムの成否は、分散データベースに対するユーザーインタラクションのセキュリティ確保に左右されます」とインフィニオンのセキュリティチップアーキテクチャ担当シニアプリンシパルであるシュテファン リューピングは述べています。「インフィニオンのBlockchain Security 2Goスターターキットを使えば、セキュリティトークンまたは組込みセキュリティチップをベースにした便利なアクセスソリューションを迅速に開発することができ、セキュリティレベルと信頼度が大幅に向上します。この二つは、ブロックチェーンベースのサービス導入を成功させるための基本となるものです。」

インフィニオンは、11月27～29日にカンヌで開催されたデジタル取引の主要イベントTRUSTECHで、新しいBlockchain Security 2Goスターターキットを展示しました。本製品の詳細は、 http://www.infineon.com/trustechをご覧ください。

スターターキットには、さまざまなブロックチェーンのための暗号機能を持つインフィニオンのセキュリティコントローラをベースにしたNFCスマートカードが５枚含まれています。さらに、イーサリアムおよびスマートコントラクトのためのプログラム例として、オープンソースのアンドロイドアプリも提供されます。ブロックチェーンシステム設計者は、NFCスマートカードを使ってハードウェアベースのセキュリティを容易に組み込むことができ、ブロックチェーンアプリケーションの初期試作品を迅速に開発できます。ユーザーは、スマートカード、ドングル、モバイル機器ソリューションなどのセキュリティトークンにより、ユニークな公開鍵と秘密鍵のペアをセキュアに生成して、PINによる認証、データおよびデジタル取引への署名を実施できます。すべてのユーザー認証情報は、セキュリティコントローラに保存できるので、ソフトウェアまたはマイクロアーキテクチャに対する遠隔攻撃、特にトークンの盗難時または紛失時の物理的攻撃から保護されています。

ブロックチェーンアクセスのための認証情報は最高のセキュリティが必要

ブロックチェーンは、データのための分散型デジタル台帳システム（ブロックの連鎖）であり、各ブロックは、暗号を使って１つ前のブロックにリンクされています。

ブロックチェーンのユーザー認証情報をコンピュータや携帯電話に保存すると便利ですが、これはきわめてリスクが大きいことでもあります。攻撃者が、機密性の高いユーザーの秘密鍵などの秘密情報を識別して読み出すかもしれません。それは、ソフトウェア攻撃を通じて遠隔から実施される場合もあって、ブロックチェーンのアイデンティティ、通貨、資産、ID、契約などを攻撃者が完全に掌握することになります。また、ユーザーが認証情報を忘れたり紛失したりすると、認証情報を中央制御により復元することができないので、資産の利用が不可能になります。ハードウェアセキュリティをベースにしたトークンをアプリケーションに組み込んで、ソフトウェア攻撃からも物理的攻撃からも保護して、アクセスのセキュリティを向上することが不可欠です。

これは、2019年第1四半期に発売予定のインフィニオンのBlockchain Security 2Goスターターキットによって実現できます。本製品の詳細は、 http://www.infineon.com/blockchainをご覧ください。

インフィニオンとXAINは、ハードウェアセキュリティモジュールを内蔵したAURIX™マイクロコントローラを使って、ブロックチェーンを自動車に導入するために協業しています。