インフィニオンのAURIX™マイクロコントローラTC3xxファミリーが自動運転と電気自動車を推進
2016年10月21日、ミュンヘン(ドイツ)
自動運転と電気自動車に対するニーズに応え、インフィニオンテクノロジーズは次世代の AURIX ™マイクロコントローラファミリーを発表しました。このTC3xxマイクロコントローラは市場で最高水準の集積度と共に従来の市販品の3倍に達するパフォーマンスを備えています。
高パフォーマンスの6コアアーキテクチャとコネクティビティ、セキュリティ、およびエンベデッドセーフティのための先進的機能を備えたAURIX TC3xxファミリーは、自動車関連のさまざまな用途に理想的です。パワートレーン関連の用途にはエンジンのマネジメントやトランスミッションの制御に加え、電気自動車やハイブリッド車のための新しいシステムも含まれます。このアーキテクチャは特にハイブリッド制御、インバーター制御、バッテリー管理、およびDC-DCコンバーターに役立ちます。AURIX TC3xxマイクロコントローラはエアバッグ、ブレーキ、およびパワーステアリングから、レーダーやカメラを使ったセンサーベースのシステムまで、安全に重要な役割を果たす用途に最適です。パフォーマンスと強力な安全関連のアーキテクチャが組み合わさったTC3xxファミリーは、次世代の自動運転を支えるドメイン制御や融合的な用途にも理想的です。
インフィニオンのマイクロコントローラ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ピーター シェーファー(Peter Schaefer)は、次のように述べています。「AURIX TC3xxファミリーは自動運転と電気自動車の進歩を支えます。パフォーマンスに新たな水準をもたらすと共に、ISO 26262 ASIL-Dの基準を満たすパフォーマンス、セキュリティ、および安全性の適切なミックスを提供する、TriCore™ベースの次世代のマイクロコントローラをリリースできることを誇らしく思います」
AURIX ™ TC3xx がパフォーマンス、接続、およびセキュリティを高める
AURIX TC3xxは高度な拡張性を備え、最大16MBまでのFlashメモリーに対応すると共に6MBを超える内蔵RAMを搭載します。最大3個までのTriCore™コアを搭載していた従来のAURIX TC2xxマイクロコントローラと比較し、TC3xxが持つマルチコアのアーキテクチャは最大6個までの、それぞれ300 MHzのクロック周波数を持つTriCoreコアに対応しています。この6個のコアのうち4個はさらにlockstepコアにも対応し、ISO 26262に規定された機能安全関連の計算能力を単独のデバイスで実現します。従来のAURIXアーキテクチャでは最大740 DMIPSであったのに対し、AURIX™ TC3xxはASIL-D規格のアプリケーションをサポートする2400 DMIPSの能力を備えています。
パフォーマンス向上と既存の安全コンセプトの再利用により、自動車関連のシステムのサプライヤーには展開コストの20%削減に併せて 製品やソリューションリリースまでの期間短縮が得られます。また パワートレーンやシャーシドメインの制御、次世代のレーダーやフュージョンアルゴリズムなどを初めとした多くの機能を1個のマイクロコントローラに実装可能です。
ブラインドスポット監視から先進的な前面レーダーまでの自動車用レーダーシステムには、AURIX TC3xxファミリーが持つ能力が特に貢献します。TC3xx マイクロコントローラには300 MHzで動作する最大2個までの専用Signal Processing Unitを備えたレーダー処理サブシステムが含まれ、次世代のレーダーアルゴリズムの計算をひとつのチップで行えます。またレーダーチップは高速なデジタルレーダーインターフェイス経由でシームレスにAURIXに接続可能です。
AURIX TC3xxは安全面でも妥協しません。全てのファミリーで新バージョンのプログラマブルHardware Security Module(HSM)が装備され、車両上での安全な通信をサポートし、さらにエンジンのチューニングなどハードウェアの操作を防止します。このHSMのハードウェアには新しい非対称暗号計算アクセラレータが組み込まれ、EVITA-full規格への完全な対応を支えます。AURIX TC3xxはソフトウェアの乗っ取りを防止するため、SOTA (Software Over the Air、無線経由のソフトウェアアップデート)を高速化します。
ゲートウェイとテレマティクスアプリケーションのホストコントローラとしては、AURIX TC3xxマイクロコントローラは最新の通信インターフェイスをサポートしています。これにはGigabit Ethernetインターフェイス、最大12までのCAN-FDチャンネル、および最大24までのLINチャンネルが含まれます。また外部Flashとの通信のためのeMMCインターフェイスは、SOTAに対応したローカルなデータ保存を可能にします。
供給状況
次世代のAURIX TC3xxファミリーは従来世代のAURIX TC2xxとの互換性を備えています。トップ製品である300 MHzの周波数と16 MBの埋め込みFlashを持つTC39xxのエンジニアリングサンプルは、BGA-516とBGA-292パッケージで提供されます。一般向けサンプル出荷は2017年第1四半期から開始を予定しています。最初の製品のクオリフィケーションは2019年第1四半期の予定です。
詳細情報
AURIXマイクロコントローラ関連の資料は www.infineon.com/aurix をご覧ください。
Information Number
INFATV201610-005
Press Photos
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Peter Schaefer, Vice President and General Manager, Microcontrollers at Infineon Technologies AGPeter_Schaefer_Infineon
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AURIX™ microcontroller TC3xx family of Infineon fuels automated driving and electromobility.AURIX_TC399_LFBGA-516_plain
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AURIX™ microcontroller TC3xx family of Infineon fuels automated driving and electromobility.AURIX_TC375_LQFP-176_plain
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