インフィニオン、スイッチング損失と電力密度の基準を塗り替える、ディスクリートIGBT向け「TO-247 4」ケルビンセンス パッケージを発表

2014/11/04 | マーケットニュース

2014年11月4日、ドイツ(ミュンヘン)

独インフィニオンテクノロジーズは、IGBT製品群を拡大するものとして、人気パッケージ「TO-247」の新たな派生製品を発表しました。新登場の「TO-247 4」ケルビンセンス パッケージは、高効率性が重視されるアプリケーションで、電力密度の向上と省スペース化のニーズに応えます。インフィニオンの「TRENCHSTOP™ 5 IGBT」や「Rapid」ダイオード技術と、この画期的な「TO-247 4」パッケージを組み合わせることで、これまでは実現し得なかった効率性が得られます。無停電電源装置(UPS)、データセンター、通信設備など、PFC/インバータ段のスイッチング周波数が20kHzを超えるアプリケーションにとって、新型パッケージは大きなメリットをもたらします。

4ピン構成により、ケルビンセンス接続が可能となることから、ゲートドライバループ内のインダクタンスは大幅に抑えられます。これは、パワーグランドとシグナルグランドをIGBTエミッター端子直近で分離することで実現しています。4ピン版を使用し、スイッチング周波数の高速化を実現することで、電力密度の向上とシステムコストの削減が可能です。「TRENCHSTOP 5 IGBT」と「Rapid」ダイオード技術を使用した4ピン版「TO-247 4」と、標準的な「TO-247 3」を比較した場合、新型パッケージでは、ターンオフ損失が20%、ターンオン損失が15%抑えられます。これらを合計した、全体的なスイッチング損失は約20%低くなり、圧倒的な効率性が得られます。

これらはすでに、EU ENERGY STAR®認定のUPSで「TO-247 4」パッケージを実装済みの主要顧客などによって実証されており、その結果、電力密度は倍増し、効率性も大幅に向上しています。これに伴い、交換可能な高出力UPSラックの小型化が実現することで、UPSシステムの収納に必要な建物も小さくてすむため、冷却作業の必要性が少なくなり、全体的なシステムコストも抑えられます。ENERGY STAR機関によると、ENERGY STAR認定のUPSでは、エネルギー損失を30~55%の範囲で低減できます。そのため、新型パッケージを採用することで、設計者にとっては効率性の目標達成が以前よりも容易になります。
インフィニオンのローランド スティール(Roland Stele, IGBT/SiCパワー ディスクリート担当マーケティング ディレクター)は、次のように述べています。「『TO-247 4』パッケージによって、『TRENCHSTOP 5』技術の群を抜いたパフォーマンスがさらに拡大します。最高の効率性と高電力密度をお求めのお客様にとって、今回のパッケージは大きなメリットを実現するはずです」

供給状況
新型「TO-247 4」ディスクリートIGBTは、サンプル出荷の要望を受け付けています。顧客は、フリーホイールダイオードを同梱し、順方向電圧(VF)に最適化された「Rapid 1」か、逆回復電荷(Qrr)に最適化された「Rapid 2」のいずれかを選択できます。さらに、「TO-247 3」と「TO-247 4」の2種類のパッケージの比較を簡単に行えるデモボードも用意しています。新型パッケージは、「Electronica 2014」(於:ミュンヘン、会期:11月11日~14)にて展示とプレビューを行いました。

詳細情報
新型「TO-247 4」ケルビンセンス パッケージについての詳細は、 www.infineon.com/TO-247-4.をご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率、 モビリティ、 セキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2013会計年度(9 月決算)の売上高は384000万ユーロ、従業員は世界全体で約26,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。

 

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INFIPC201411.008j

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