インフィニオン、回転方向と速度を検出する「TLE4966V」垂直デュアル ホール センサを発表

2013/12/18 | マーケットニュース

2013年12月18日、ノイビーベルク(ドイツ)

自動車用センサ市場をリードする独インフィニオン テクノロジーズは12月18日、センサ生産の次のイノベーションとして、回転方向と速度を検出する「TLE4966V」垂直デュアルホール センサを発表しました。この「TLE4966V」は世界初のデュアルホール センサであり、内蔵されたホールプレートの方向を水平から垂直に変更したことにより面内方向の磁場に対する感度を高めています。こ の90度の方向変更により、スペースの制約にも対応する柔軟な設計が可能になりました。

この設計面での柔軟性と4mA〜7mAの低消費電流により、「TLE4966V」はトランク用昇降装置、パワーウィンドウ、サンルーフ、シート調節機能など、省 エネルギーが求められる自動車用電子システムに最適です。自動車用以外にはエスカレーター、窓用の電動ブラインド、電動カーテンなどにも適しています。

インフィニオンのラルフ ボルネフェルト(Ralf Bornefeld)(センサおよび制御事業担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ)は、次のように述べています。「この新しい『 TLE4966V』によってインフィニオンはデュアルホール センサのリーダーとしての地位をさらに強化しました。このセンサは、パワーウィンドウ用昇降装置など、指 数計測が求められる用途において業界の標準となっているTLE4966ファミリーを完璧な形で拡大したものです。垂直方向のホールプレートによってお客様は新たなシステム設計が可能になると共に、製 品からシステムまでを考慮するインフィニオンの能力がさらに裏付けられました」

TLE4966スイッチ ファミリーは、帯磁したポールホイールの回転方向と速度を検出するよう設計されています。「TLE4966V」にはホールプレートが垂直に内蔵されているため、面 に垂直ではなく面内方向の磁場を検出することが可能です。このように検出方向を90度変更することにより、システム エンジニアは従来不可能だったコンセプトに基づく設計も行えるようになりました。こ のことはパワーウィンドウ用昇降装置や電動トランク昇降装置など、設置スペースが制約された用途では特に貴重です。

回転速度と方向検出の基本原理
磁性ポールホイールの回転方向と速度を検出するには2枚のホールプレートが必要です。この2枚のプレートの間の距離により、常にわずかに異なる信号が検出されます。これは位相差と呼ばれるものです。回 転方向が変わると位相差の極性が変化します。「TLE4966V」はこの変化を検出し、それに応じた信号を送出します。磁性ポールホイールの回転速度は2番目のセンサ出力信号から直接計算することができます。こ の信号は磁場の極性が変化するごとに送出されます。

「TLE4966V」はPCB設計を簡素化し試験と製造に必要な期間を短縮
2枚のホールプレートは「TLE4966V」内の1個のシリコンダイに垂直方向に組み込まれ、温度と耐用期間ストレスに対して同一の挙動を示し、また耐用期間中に感度が変化することもありません。さ らに「TLE4966V」からは磁場回転方向とポールホイール回転速度の2つの信号が送出されます。したがって従来は2個のセンサが必要とされた用途でも、必要なすべての情報が1個のセンサから得られます。2 個目のセンサが不要となるためPCB設計が簡素化され、センサによるコストが平均30%削減され、また検査と製造に必要な期間は最大50%短縮されます。

「TLE4966V」はチップ上で信号処理を行うため、システム設計者には高速性が必要とされる用途での迅速なセンサ信号取得、マイクロコントローラのプログラムが不要、お よびプログラミングのミスがなくなることに伴うシステム品質向上の3つのメリットが得られます。「TLE4966V」は非安定化電源による動作が可能であり、3.5Vから32Vまでのシステムに対応しています。パ ッケージはTSOP-6(Thin Small Outline Package、6ピン)です。

供給状況
「TLE4966V」のエンジニア サンプル提供はすでに開始され、量産出荷は2014年7月に開始の予定です。

詳細について
インフィニオンのホール スイッチ センサ ポートフォリオは、BLDCモータ制御、位置検出、指 数計測など幅広い用途のための単極およびomnipolarスイッチと双極ラッチから構成されています。これらは低消費電力、優れた磁気精度、および電気妨害への耐性を主眼として設計されています。イ ンフィニオンのホール スイッチは電圧インターフェイス(オープン ドレーン)、2線式電流インターフェイス、回転速度と方向を検出するためのダブル ラッチを備えています。こ れらのセンサには小型SMDとスリムなリード付きパッケージが用意され、非常に柔軟性の高い設計が可能です。

インフィニオンのセンサ ポートフォリオの詳細については www.infineon.com/hall-switchesをご覧ください。 新しい垂直デュアルホール センサ「TLE4966V」の詳細は www.infineon.com/vertical-hallをご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオン テクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、 エネルギー効率モビリティセキュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2 013会計年度(9 月決算)の売上高は38億4000万ユーロ、従業員は世界全体で約2万6,700人です。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQX に株式上場しています。

インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFATV201312.014

Press Photos

  • The TLE4966V is a vertical dual-Hall sensor for detecting rotation direction and speed. It is well-suited for energy-sensitive automotive systems such as electronic trunk lifts, power window lifts, sun roofs, and electronic seat adjustment. In non-automotive applications, it is also an excellent solution for escalators and motorized window blinds, and shades.
    The TLE4966V is a vertical dual-Hall sensor for detecting rotation direction and speed. It is well-suited for energy-sensitive automotive systems such as electronic trunk lifts, power window lifts, sun roofs, and electronic seat adjustment. In non-automotive applications, it is also an excellent solution for escalators and motorized window blinds, and shades.
    TLE4966V_TSOP-6

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