インフィニオン、32ビット「TriCore™」マイクロコントローラを採用した、簡単・高機能な安全設計に必要な部品を包括的に提供

2011/03/01 | マーケットニュース

ニュルンベルク/ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは本日、「Embedded World Show 2011」にて、最先端の32ビット「TriCore™」マイクロコントローラを採用した組み込み設計向けに、I EC 61508要件に準拠した機能安全を実現する包括的な設計パッケージを発表しました。インフィニオンは、これまでの車載用システムの厳格な安全要件に関する豊富な経験を活かし、「PRO-SIL™」安 全製品の開発を推し進め、「TriCore」ポートフォリオを基盤とした高水準のセーフティ・ソリューションを活用することで、産業市場のニーズの高まりに応えています。「Embedded World」で 発表された設計パッケージは、「SafeTcore」テストライブラリ、「TriCore」ベースの包括的なセーフティキット「SafeTkit」(提供:Hitex社)、包 括的なソフトウェアとマニュアルで構成されます。

IEC 61508規格で定義される通り、SIL(Safety Integrity Level)の各レベルにおいて、システムの認定を取得するために確認すべき事項が規定されています。これには、 許容される不良率を実現する安全コンセプトやシステムの正確な動作を常に確認するセルフテスト機能が含まれます。実装時での要件遵守、および対応する形式での完全なテストを実現するため、インフィニオンの「 PRO-SIL」製品には、「TriCore」デバイス向けの「SafeTcore」テストライブラリと、インフィニオンの開発したセーフティモニタチップ「CIC61508」が含まれます。さらに、イ ンフィニオンは、Hitex Development Tools社との協力で、「TriCore MCU」と「CIC61508」による包括的なサービスパッケージとSafeTkitボードレベル・ソ リューションを提供しており、可能な限り容易に、SILに準拠したアプリケーションの認定を行いつつ、設計リソースを節約してお客様の製品の市場投入期間を短縮できます。

インフィニオンのピーター・シェーファー(Peter Schaefer)(マイクロコントローラ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ)は、次のように述べています。「車載用・産 業用アプリケーションで長年の実績を持つ『TriCore』チップは、高い生産水準を誇りますが、これを最高の形で補完するのが、産業用セーフティ・ソリューション向けの『PRO-SIL』製 品であるとお考えください。当社の包括的なセーフティ・パッケージを使用することで、機能的安全性が保証された複雑な産業用システムで、『TriCore』マイクロコントローラ・フ ァミリの使用をこれまで以上に推進できます」

高水準のSIL安全要件を達成するため、「SafeTcore」テストライブラリには、以下の機能が搭載されます。CPUのセルフチェックを含む極めて詳細なチップテストを目的とした、T riCoreのゲートレベルテスト、レジスタ内容のチェック、メモリチェック(RAM、Flash、キャッシュ)、バス診断チェック、アルゴリズムの結果比較、タスクシーケンス、実行時間のモニタリング、お よびMPUチェック。これらの中核的なテスト機能に加え、詳細な周辺機器テストや安全モニターチップの自動サポートといった特徴があります。「SafeTcore」ラ イブラリのソフトウェアテストのセットを使用することで、99%以上の診断範囲により、コードを安全に実行できます。「SafeTcore」パッケージには、安全マニュアルも含まれており、これによって、ラ イブラリの各種エレメントをユーザーのアプリケーションに統合し、安全性インテグリティレベルを承認することができます。

マイクロコントローラの機能障害を評価するにあたっては、セカンドコアを使用することが一般的です。インフィニオンの「TriCore」マイクロコントローラには、すでに2つのコア――「 TriCore」自身(マイクロコントローラとDSP)と周辺制御プロセッサ(PCP)――が採用されているため、安全評価用の外部のセカンドコアは不要です。外部ロジックが必要なのは、両 方の処理ユニットで使用されるリソース(電源、クロック等)の監視のみであり、通常は安全ウォッチドッグです。独立した安全ウォッチドッグデバイスであるインフィニオンの「CIC61508」を使用することで、必 要とされるCPUと周辺機器のセルフテスト機能のすべてを制御できます。

価格と出荷予定
「SafeTcore」テストライブラリと認証用マニュアルは現在、「TC1767」、「TC1797」、「TC1387」のプロセッサで提供されており、近日中には「AUDO MAX」フ ァミリ向けに提供される予定です。最新の「SafeTkit」は、「TriCore」評価ボードと安全モニターチップ「CIC61508」を採用しています。提供されるソフトウェアパッケージには、「 SafeTcore」テストライブラリだけでなく、無償の汎用「TriCore」コンパイラ、安全デモアプリケーション、テストベンチを含む包括的なツールチェーンが搭載されています。最後に、こ の安全キットには、安全マニュアルとクイックスタートガイドを含む包括的なマニュアルセットも含まれます。「SafeTkit」は、2011年4月より、H itex社のWebショップを通じ1495ユーロで提供されます。

「SafeTkit」が「embedded Award 2011」を受賞
Hitex Development Tools社は、「SafeTkit」で「ソフトウェア」部門の「embedded Award 2011」を受賞しました。「 embedded Award」は、 組み込み技術向けの特に画期的な製品や発展を称えるものです。本賞には、「ハードウェア」と「ソフトウェア」の2つの部門が設けられています。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、モビリティ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2010会計年度(9月決算)の売上高は32億9,500万ユーロ、従 業員は世界全体で約2万6,650人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com  
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp  

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INFATV201103.027