インフィニオン、過酷な環境で利用可能なチップベース・インテリジェンスを開発、150℃の周辺温度で制限なく動作する新型8ビット・マイクロコントローラ

2010/03/02 | マーケットニュース

ノイビーベルク、ニュルンベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズは本日、ニュルンベルクのEmbedded World Show 2010において、最高150℃の周辺温度で動作可能な、拡張性の高い包括的な高温8ビット・マ イクロコントローラ(MCU)ファミリを発売しました。これは、最も厳格な業界基準に対応しており、車載用・産業用の電子アプリケーション環境で使用することができます。新型「XC800 150°C」フ ァミリは、-40℃~150℃の温度範囲で制限なしの仕様となっています。高コストで複雑な放熱・冷却システムをはじめ、MCUを過酷な動作環境で使用するために今日使用されている他のアプローチにとって、本 ファミリは効果的な代替手段となります。

「XC800 150°C」ファミリは、ターボチャージャー、エンジン制御ファン、スロットル/バルブ制御、EPS、燃料/オイルセンサ、ウォーターポンプ、オイルポンプ、燃料ポンプなど、車 載アプリケーションでの使用に最適です。産業アプリケーションとしては、暖房制御/加熱炉システムやモータ内部の電子制御システムが考えられます。

インフィニオンのヨーガン・ホイカ(Juergen Hoika)(マイクロコントローラ事業ユニット担当マーケティングディレクター)は次のように述べています。「インフィニオンは、M CUメーカーとして世界で初めて、150℃の周辺温度で制限なしに動作し、AEC-Q100、Grade 0に準拠した仕様の包括的な8ビット・ファミリを提供します。『XC800 150°C』ファミリは、さ まざまな容量のフラッシュメモリを取り揃えており、拡張性の高い周辺機器と画期的な機能を採用しているため、個別の組み込みアプリケーションに合わせ、適切な製品を簡単に選択することができます」

AEC-Q100は、米国車載電子部品評議会(AEC)によって定義された信頼性ストレステストです。今回の新型高温デバイスは、AEC-Q100 Grade 0(-40℃~150℃)の 要件にそってテストされ、その結果、準拠した認定を取得しており、このMCUはエンジン室の車載アプリケーションや過酷な環境の産業ソリューションに最適です。

「XC800 150°C」デバイスは、センサやアクチュエータの近くに配置することができるため、より優れた接続性と効率的なモータ制御を実現しており、従来の電子的・機 械的な市販ソリューションとの比較でシステムコストを抑えることができます。熱シールドと追加の配線が不要になることで、車載アプリケーションと産業アプリケーションの両方でコストを節約し、複 雑性を軽減できます。「XC800 150°C」ファミリの製品はすべて、堅牢で実績のあるインフィニオンのフラッシュ技術と高品質の製造技術を採用しており、これによって高信頼性を確保しています。

「XC800 150°C」ファミリと強力な周辺機器
「XC800 150°C」ファミリの登場により、実績のある強力な「XC800」MCUは、これまでにない重要なアプリケーション分野へ対応することになります。8051プロセッサ・コ アをベースとする本ファミリは、各種容量のフラッシュメモリを取り揃えており(4キロバイト~32キロバイト)、オシレータ、電圧レギュレータ、EEPROM、監視回路などの機能を集積することで、全 体的なシステムコストを削減します。「XC800」ファミリの各種デバイスでは、モータ制御アプリケーションや電力変換アプリケーションを幅広くサポートする強力な周辺機器が提供されます。これらには、柔 軟なPWM生成を実現するキャプチャ/コンペア・ユニット(CCU6)、精密な計測とPWMへのハードウェア同期を実現する強力な高速A/Dコンバータ、最 大2つのCANノードを備えたMultiCANモジュールが含まれます。「XC800 150°C」MCUは、オンチップのCANモジュールを採用しており、ネットワークプロトコルに要求される機能の大半( CANフレームのマスキング、フィルタリング、バッファリング)を実行することで、CPUの負荷を軽減します。さらに、「XC800 150°C」ファミリは、16ビットのベクトルコンピュータを搭載しており、モ ータのベクトル制御(Field Oriented Control: FOC)に必要な三角関数計算をサポートします。新型デバイスは、24、28、38ピンのT-SSOPと48ピンのQFPを含む、各 種パッケージで提供されます。

供給状況
初の「XC800 150°C」デバイスのエンジニアリング・サンプルとなる、FOC対応の「XC886 Grade 0」は、24キロバイトと32キロバイトのフラッシュメモリで出荷中です。量 産出荷の開始は2010年7月の予定です。新ファミリのその他のデバイスは、2011年の発売を予定しています。

インフィニオンのマイクロコントローラ製品についての詳細は、 www.infineon.com/microcontrollerswww.infineon.com/XC800/150Cでご覧ください。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ( Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2009会計年度(9月決算)の売上高は30.3億ユーロ、従 業員は世界全体で約2万5,650人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com  
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp  

Information Number

INFATV201003.039

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  • Juergen Hoika, Marketing Director, Microcontrollers at Infineon Technologies AG
    Juergen Hoika, Marketing Director, Microcontrollers at Infineon Technologies AG
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