インフィニオン主導の下、チップ実装型コンデンサによる効率的な電子機器開発を実現する「MaxCaps」研究プロジェクトが始動

2009/11/04 | マーケットニュース

ノイビーベルク(ドイツ)

独インフィニオンテクノロジーズ(FSE: IFX / OTCQX: IFNNY)は、電子機器の小型化・効率化を目指す汎欧州研究プロジェクトにおいて、ド イツから参加する5つのパートナーの調整役に指名されました。「MaxCaps(次世代のコンデンサとメモリーのための材料)」と名付けられたこのプロジェクトには、半導体・自 動車分野の18の企業と研究機関が参加しています。

MaxCapsプロジェクトでは、シリコンチップ上にコンデンサを集積する方法を開発し、プリント基板(PCB)上に実装されるディスクリートコンデンサの数を最大30%削 減することを目標としています。アプリケーションによって差はありますが、これにより基板上にディスクリートコンデンサを実装する場合に比べて、必要な基板面積を約半分に抑えることができます。さらに、チ ップにコンデンサを集積することで、基板にはんだ付けする接点が少なくなるため、電子システム全体としての信頼性も向上します。基板の小型化によるメリットが大きいのは、と りわけ省スペース性が重要なアプリケーションです。これは自動車の電子制御ユニットや、携帯電話などの携帯機器にも等しくあてはまります。

MaxCapsの研究活動(2011年8月まで継続予定)で得られた成果は、シリコンチップに大容量コンデンサを集積するための基礎となるものです。現在の技術では、コ ンデンサはディスクリート部品として基板上に実装しなければならないため、大きなスペースが必要となります。そのため、このプロジェクトに参加するパートナーは、現 在チップ製造で誘電体として使用されている二酸化ケイ素や窒化ケイ素などに代わる素材を探しています。MaxCapsは、高誘電率(≧50)を持つ新しい絶縁材料とその蒸着プロセスの開発を目指しています。

プロジェクトに参加するドイツのパートナー(Aixtron AG、Continental AG、IHP - Innovations for High Performance Microelectronics / Leibniz Institut fuer innovative Mikroelektronik、R3T GmbH、およびインフィニオン)は、自 動車のトランスミッション制御装置に用いるコンデンサネットワークをテーマとした研究成果を発表する予定です。-40℃~125℃の代表的温度サイクル、激しい振動、急 激な加速度といった自動車で通常見られる過酷な周囲環境が、新素材の性能評価に役立つでしょう。

ベルギー、ドイツ、英国、フィンランド、フランス、アイルランド、オランダの企業や大学、研究機関が、欧州MEDEA+プログラムとドイツ連邦政府のIKT 2020プログラムの枠組みのもとでMaxCapsプロジェクトに取り組んでいます。MaxCaps研究プロジェクトの予算総額は275万ユーロで、ドイツ連邦政府のハイテク戦略・資金拠出プログラムである「 Informations- und Kommunikationstechnologie 2020(IKT 2020)」の一環として、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)が資金を拠出しています。エ レクトロニクスの応用範囲を拡大し、革新的な材料を使った高品質の製品開発を支援することが、IKT 2020プログラムの主要な目的です。

MaxCapsプロジェクトのパートナー
MaxCapsプロジェクトには、以下の18の化学装置・蒸着装置メーカー、半導体メーカー、自動車関連システムサプライヤー、研究機関、大学が参加しています。Air Liquide(フランス)、 Aixtron(ドイツ)、Analog Devices(アイルランド)、ASMI(ベルギー、フランス、フィンランド)、Bronkhorst High-Tech B.V.(オランダ)、C EA-LETI( フランス)、Continental(ドイツ)、IHP - Innovations for High Performance Microelectronics / Leibniz Institut fuer innovative Mikroelektronik(ドイツ)、IMEC(ベルギー)、インフィニオンテクノロジーズ(ドイツ)、NXP(オランダ、ベルギー)、Oxford Instruments(英国)、R3T(ドイツ)、SAFC Hightech(英国)、STMicroelectronics(フランス)、アイントホーフェン工科大学(オランダ)、チンダル国立研究所( アイルランド)、ヘルシンキ大学(フィンランド)。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのノイビーベルクに本社を置き、エネルギー効率、コミュニケーションズ、セ キュリティという現代社会が抱える3つの大きな課題に対応する半導体およびシステムソリューションを提供しています。2008会計年度(9月決算)の売上高は43億ユーロ、従 業員は世界全体で約2万9,100人でした。インフィニオンは世界的に事業を展開しており、米国ではカリフォルニア州ミルピタス、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。インフィニオンは、ドイツではフランクフルト株式市場、米国では店頭取引市場のOTCQXに株式上場されています。
インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com 
日本法人サイト: http://www.infineon.com/jp 

Information Number

INFXX200911.006