インフィニオンが、ADSL2+、VoIP、DECT技術をすべて搭載したホームゲートウェイのリファレンス設計を発表

2006/10/09 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは本日、デジタルホームネットワークに向けた無線ブロードバンドIAD(統合アクセスデバイス)のリファレンス設計を発表しました。新しいデザインは、A DSL2/2+トランシーバ、32ビットMIPS CPU、VoIPコプロセッサ、2チャネルのコーデックを内蔵した、インフィニオンのIAD-オン-チップ「Danube(ダニューブ)」を使用しています。さ らに、このIADリファレンス設計は802.11n (ドラフト1.0仕様)無線LANや、低消費電力のDECT(デジタルコードレス電話)ベースステーション機能を搭載しています。これにより、無 線上での外乱に強く信頼性の高いVoIP通話が可能となります。完全なハードウェア/ソフトウェア一体型のこのソリューションは、顧 客企業が複数の無線LAN端末やコードレス電話を単一のADSL2/2+ラインに接続するための、IADやホームゲートウェイのシステム開発を迅速に行い、市場投入することを可能にします。

IMSリサーチのアレックス・グリーン氏(アクセス&コネクティビティ担当リサーチ・ディレクター)は、「こうしたターンキーのリファレンス設計があれば、メ ーカーは基本的な技術統合作業から解放され、製品のカスタマイズや機能セットに専念できます。インフィニオンの新しいリファレンス設計は、メーカーが製品投入までに費やす貴重な時間を節約するだけでなく、競 合他社との差別化も可能にします」と述べています。ホームIADの市場規模は、2006年には出荷ベースで約600万台、2010年には約2,000万台に達するとIMSリサーチは見ています。こ れは年平均成長率にして26%、5年間の通算では212%の伸びに相当します。

インフィニオンのクリスティアン・ヴォルフ(通信ソリューション部門シニアバイスプレジデント 兼 有線通信アクセス事業ユニット ゼネラルマネージャ)は次のように話しています。「 インフィニオンは包括的で革新的なIADプラットフォームおよびシステム・ソリューションの構築を通じて、お客様により高い価値を提供し続けることを目指しています。当 社の充実したリファレンス設計ソリューションは、お客様の設計負担を軽減してより短期間での製品投入を可能にし、競争力を高めます」

インフィニオンのADSL2+ホームゲートウェイ用リファレンス設計は、同社の先進的な半導体ソリューションとLinuxベースのアプリケーションソフトウェアを基盤としています。こ の設計に基づくホームゲートウェイは、IPTV、VoD、オンラインゲームなどの高度なサービスに対応可能となります。この設計にDECTを組み込むことで、ユ ーザは経済的なデジタルコードレス電話でローコストのVoIPサービスを利用することができ、広い地域で通常の電話並みの音質による通話が可能となります。また、8 02.11nアクセスポイントを利用して家庭内全体をカバーする無線ホームネットワークを構築することもでき、150Mbpsから180Mbpsのピークスループットが得られます。


インフィニオンのADSL2+ IADについて
インフィニオンのホームゲートウェイ用リファレンス設計は、以下のコンポーネントで構成されています。

「Danube」
1枚のチップにADSL2/2+トランシーバ、32ビットMIPS CPU、VoIPコプロセッサ、2チャネルのコーデックを内蔵したソリューションです。抜群のCPUパワー、ハ ードウェアアクセラレーション機能、USB 2.0ホストインターフェース、統合VoIPテレフォニー機能を備えたこのシングルチップデバイスは、ADSL2+データ転送速度24Mbpsをサポートし、I PTVなどの先進的なメディアサービスに対応するほか、様々なアプリケーションを付加する十分な処理能力を提供します。

「DECT Step 8」
このDECTソリューションは、VoIPの無線通話に高い安定性と信頼性をもたらします。すでにベースバンドやハンドセットなどのアプリケーションで実証されているように、D ECTはループ長が長いためカバレージが広く、通話音質も優れています。また、部品点数が少なくハンドセットの消費電力も低いので、システムコストの低減にもつながります。

「Spinacer(スピネイカー)ソフトウェアパッケージ」
Spinacerは、インフィニオンの半導体ソリューションをベースとした各種のブロードバンドCPEアプリケーションをサポートするソフトウェアパッケージです。イ ンフィニオンの組み込み用Linuxディストリビューションに対応したSpinacerは、アプリケーションによっては必要メモリ容量を最大60%削減することができ、柔軟性を最大限に高めます。S pinacerのモジュール式アーキテクチャと、組み合わせが容易なビルディングブロックにより、必要なソフトウェア機能だけを選んでフレキシブルにシステムを設計することができます。

「WLAN 802.11n」
インフィニオンのホームゲートウェイ用の設計では、802.11n(ドラフト1.0仕様)に基づくソリューションを採用しています。8 02.11nチップはホームネットワーク全体をカバーするよう最適化されており、ピークスループットは150Mbpsから180Mbpsで802.11gや802.11a/gのレガシー製品を大幅に上回るほか、信 頼性も向上しています。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、子会社「Qimonda (キマンダ)」を通してメモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2 005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp
 
 

Information Number

INFCOM200610.003

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