インフィニオンの90nm技術によるHDDリードチャネルコアが業界最高性能を達成 6Gbpsシリアルインターフェース標準に対応したSoCをサポート
独インフィニオンテクノロジーズは、自社のハードディスクドライブ(HDD)リードチャネルICコアが2.6Gbpsを超える高速データ転送速度を達成したことを発表しました。こ れは90nm技術に基づくリードチャネルとしては業界最速で、前世代デバイスの性能を30%近く上回っています。このコアは、インフィニオンと日立グローバルストレージテクノロジーズ(以下、日立GST)が 共同開発するリードチャネルコアの第3世代にあたります。現在これをシステムオンチップ(SoC)デバイスに集積する作業が進行中で、4.25Gbpsのファイバチャネルと6GbpsのSAS( シリアルアタッチドSCSI)やS-ATA(シリアルATA)をいずれも標準でサポートする初のPHY(物理層)コアをはじめ、HDD制御に必要なあらゆる機能が組み込まれる予定です。こ のSoCのフル生産は2007年初頭となる見通しです。
日立GSTのミネソタ州ロチェスター事業所でシニアディレクター兼ジェネラルマネージャーを務めるスティーブン・スミス氏は、次のように述べています。「このリードチャネル技術の開発は、日 立とインフィニオンがイノベーションと専門ノウハウを結集し継続的に協力を続けた成果です。シリコンデバイスの開発と集積化をリードするこの90nmリードチャネルコアの性能には大いに満足しています」
インフィニオンのASICデザイン&セキュリティ事業ユニットでジェネラルマネージャー兼バイスプレジデントを務めるサンドロ・セラートは次のように話しています。「 高速データ転送と低消費電力を両立させることが、コスト効率の高いエンタープライズ向けHDD SoCソリューションを開発する鍵です。90nmリードチャネルコアが業界最速のデータ転送速度を達成したことは、H DD向けIC設計における当社の長年の経験と市場重視の姿勢を反映したものといえます」
2.6Gbpsの90nmコアは、2005年に発表しサンプル提供を開始したコアを一段と高速化したものです。このコアを含むインフィニオンのリードチャネルIPポートフォリオは、各種HDD市場( コンシューマ/超低消費電力、モバイル、デスクトップ、エンタープライズその他)のニーズに対応しています。チャネルコアの各バージョンは、同一のアーキテクチャをベースに各市場のパラメータに合わせて設計・製 造されています。
インフィニオンは2006年末までに、現行世代のリードチャネル技術に基づくS-ATA SoCデバイスを3,000万個以上出荷する見込みです。高い性能とコスト競争力を持つこれらS-ATA SoCソリューションにインフィニオンのASIC設計・製造ノウハウを組み合わせれば、短期間での量産化を望むHDDメーカーの厳しい要求にこたえて、優れた価値提案を示すことができます。
インフィニオンのASICデザイン&セキュリティ事業ユニットが供給する90nm SoC製品は、いずれも世界各地の複数の工場から安定供給が可能で、お 客様に柔軟なサプライチェーンと生産拡大の機会をもたらします。インフィニオンの90nm技術を利用したデバイス製造は、現在インフィニオンの独ドレスデン工場と台湾のUMCなどで行われています。
2005年のHDD市場の規模は33億ドルでしたが、2009年にはこれがほぼ30%増の45億ドルに達すると見られています(2005年8月ガートナー社調べ)。イ ンフィニオンは広範なリードチャネルIPポートフォリオに加えてセキュリティICの分野でもリーダーシップを発揮し、マイクロソフトのFlexGo ™(従量課金方式のコンピューティング技術)の開発パートナーを務めています。こうしてインフィニオンはHDD市場の進化を促し、よ り確実なセキュリティと革新的な機能を要する新たなアプリケーションにも対応できる実力を備えています。
インフィニオンについて
本社サイト: http://www.infineon.com
日本サイト: http://www.infineon.com/jp
Information Number
INFAIM200608-079