インフィニオンが次世代LDMOS技術を発表、無線インフラ用パワーアンプの電力密度が25パーセント向上

2006/06/12 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、サンフランシスコで開催中のMTT国際マイクロ  ウエーブシンポジウムにおいて、次世代LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor:横方向拡散金属酸化膜半導体)技術を発表しました。この技術は、基地局や中継装置など無線インフラのパワーアンプ用高出力RFトランジスタの製造に適し、高 速  ワイヤレスネットワークの周波数帯域をサポートするほか、インフィニオンの現行プロセスに比べて電力密度が25パーセント向上します。さらに新しいプラスチックパッケージングを採用し、シ ステム全般のコスト軽減を図っています。

インフィニオンはモバイル接続用の重要なRFパワー技術の提供に意欲的に取り組んでおり、今回の次世代LDMOSプロセスの投入もその姿勢を明確に表すものです。イ ンフィニオンのRFシリコンソリューションに関するノウハウをベースとしたこの新プロセスは、コストダウン、パフォーマンス向上、高品質、高信頼性をもたらし、無 線インフラ装置の開発に取り組むメーカー各社を支えます。

インフィニオンのヘルムート・フォグラー(RFパワー事業ユニット バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ)は次のように述べています。「このプロセスを利用した製品は、よ りコンパクトな高効率パワーアンプ設計を目指すエンジニアの強い味方となるでしょう。当社の最新LDMOSプロセスは、最新世代のマルチキャリアパワーアンプ(MCPA)とデジタルプリディストーション(DPD) システムの優れた性能を引き出すよう設計されています」。

新プロセスによるトランジスタは最大3.8GHz帯域で動作し、WiMAXとIEEE 802.16の無線周波数帯域をカバーするだけでなく、前 プロセス世代の2.7GHz帯域を大きく上回っています。また、電力密度(単位シリコン面積あたりの出力)が25パーセント向上するため、より小型のパッケージに高出力のデバイスを実装でき、回 路ボード上のパワーアンプシステムの占有面積も縮小されます。ゲインも改善し、バックオフ動作時のリニアな増幅効率は現行世代の製品よりも3パーセントポイント向上します。そ のためデバイスの点数と電力消費を減らすことができ、基地局の空調ニーズも軽減されます。

新プロセスによって製造されるデバイスは、金の含有量が少ない銅ベースのオープンキャビティ・プラスチックパッケージに実装され、シ ステム全般のコスト低減と最先端の熱性能および無線性能を実現します。

新プロセスによる製品は、2006年末から供給可能となる予定です。これにより、先進的な移動通信向け基地局インフラを展開する無線通信事業者が求める、よ り小型でエネルギー効率のよいパワーアンプの設計が可能となります。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、子会社「Qimonda (キマンダ)」を通してメモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京の各子会社を拠点として活動しています。2005会計年度(9月決算)の売上高は67億6,000万ユーロ、2 005年9月末の従業員数は約36,400名でした。インフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください。
本社サイト: http://www.infineon.com 
日本サイト: http://www.infineon.com/jp

Information Number

INFCOM200606.069