インフィニオンとベリサインがトラステッド・コンピューティング・ソリューションのユーザビリティの向上に向け提携

2005/11/02 | マーケットニュース

 米ベリサインと独インフィニオンテクノロジーズは、エンドユーザー向けのトラステッド・コンピューティング・ソリューションのレベル向上を通じ、国 内外におけるPCのセキュリティレベルをさらに拡張することを目指した協業を発表しました。協業の条件に基づき、ベリサインはインフィニオンのトラステッド・プラットフォーム・モジュール(TPM)認証局(CA) をベリサインのトラステッド・コンピューティング・ルート認証局(CA)を通じて認証します。これにより、イ ンフィニオンのTPMソリューションを搭載したすべてのコンピューティングシステム上でセキュアなデジタル認証作成とその利用が確保されます。
信頼できるコミュニケーションと強力な認証手段を確立するため、トラステッド・コンピューティング・グループ(TCG)は、TPMの正当性(legitimacy)を証明する唯一の手段として保証鍵( Endorsement Key)証明書のコンセプトを導入しました。保証鍵認証はトラステッド・コンピューティング環境を構成する要素で、運用プラットフォームのTPM正当性を識別する情報を内蔵しています。 イ ンフィニオンはチップの製造・生産段階において、インフィニオンTPMの信頼性(authenticity)と無欠性(integrity)を確認するための保証鍵を生成し、デジタル署名を行います。次 いでベリサインが、業界の先導的で定評のあるステートメントである「Certificate Policies and Practice Statement」をバックボーンとするトラステッド・コ ンピューティング・ルート認証局を通じて、インフィニオンのTPM 認証局にクロス署名を行います。

さらに、インフィニオンは、ベリサインのクラス3プライマリ認証局証明書をインフィニオンのTPM 1.2にセキュアに組み込む予定です。これは、ネットワーキング・アプリケーションや、業 界で広く実施されている強力なPKIに対するセキュアな認証サービスや暗号のためのトラスト・アンカー(信用の拠り所)となります。これによって、インフィニオンのTPM対応システムを使用する顧客は、他 のコンピューティング・プラットフォームとの接続およびその受信データの正当性を最大限に強化することができます。

TCGのジム・ワード会長は、「証明書をセキュアに利用できるようにすることがTCG仕様の重要な要素です。保証鍵認証はルート・オブ・トラスト(Root-of-Trust)構 想の肝心な部分であり、それには保証鍵の生成・認証中に最高レベルの信用を確保する必要性が強調されています。ルート・オブ・トラストのセキュアな導入は将来のネットワークサービスにとって重要です」と、述 べました。

ベリサイン社 Authentication ServiceのVice PresidentであるNicolas Popp氏は、「PKIベースのデジタル認証の利用は、今 日のグローバルなデジタルネットワークを介したデジタル取引の基礎となっています。それがセンシティブなデータの暗号化と保護にもたらす重要性は、当然のことのように認識されています。ベ リサインの証明書をコンピューティング環境のまさに心臓部に埋め込むというインフィニオンとの提携を通じて、私たちは運用プラットフォームの正当性を最大限に強化することができます」と、語りました。

また、インフィニオンのトラステッド・コンピューティング製品ライン担当シニア・ディレクタ兼ヘッドのトーマス・ロステックは、「TCGソリューションの先導プロバイダとして、インフィニオンは、キ ー・マテリアルのセキュアな取り扱いを極めて重視しています。ベリサインとの協力を通じて、PCメーカーやシステム管理者、エンドユーザーに対し、信頼できる証明書を利用できるメリットを提供します」と、述 べました。

インフィニオンはTCG 1.1bおよび1.2仕様に準拠した自社製のハードウェアおよびソフトウェアの総合的ソリューションを提供している、世界で唯一のサプライヤです。イ ンフィニオンのTPMセキュリティ・ソリューションは、セキュアなチップ・ハードウェア、組み込みセキュリティおよびTPMシステム管理ユーティリティ一式およびアプリケーション・ソフトウェアを備えており、ハ ードウェア・ベースの鍵の生成・保管によって保護されたファイルとフォルダの暗号化を通して、データ保護を簡素化します。インフィニオンのTPMにより、PCメーカーは、蓄積されたデータの信頼性、無欠性、お よび機密性の確認に使用されるセキュリティ・サブシステムのすべてのコア・コンポーネントをセキュアにすることができます。

インフィニオンのTPMソリューションの詳細情報については、下記をご覧ください。
www.infineon.com/tpm

TCG仕様について
TCG(トラステッド・コンピューティング・グループ)は、100社以上の会員企業を擁する非営利組織です。ハ ードウェアによるトラステッドコンピューティングとセキュリティ技術に対する公開標準の開発、定義、普及を目的としています。対象には、多様なプラットフォーム、周辺装置、各 種機器のためのハードウェアビルディングブロックとソフトウェアインターフェイスが含まれています。TCG仕様は、機能の完全性、プライバシー、個人の権利などを損なうことなく、よ りセキュアなコンピューティング環境を実現します。第一の目標は、ユーザーが情報資産(データ、パスワード、暗号鍵)を外部からのソフトウェア攻撃や物理的窃盗から防御できるようにすることです。
TCGは、1999年にコンパック、HP、IBM、インテル、マイクロソフトが設立したTCPA(トラステッド・コンピューティング・プラットフォーム・アライアンス)を引き継いで編成されました。T CGは、TCPAの仕様を採用し、これらの仕様の強化と、多様なプラットフォーム(サーバ、PDA、携帯電話など)への拡張を行います。
TCG(Trusted Computing Group)についての情報は下記のURLをご参照ください:
http://www.trustedcomputinggroup.org


ベリサインについて
ベリサインは、世界中の音声およびデータ・ネットワーク上における日々の膨大な取引を可能にし、保護するインテリジェントなインフラサービスを運用しています。
ウェブサイト: http://www.verisign.com
 
 

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自動車・産業・マ ルチ市場や通信アプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューションと、メモリ製品を供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、アジア太平洋地域ではシンガポール、そ して日本では東京の子会社を拠点として活動しています。2004会計年度(9月決算)の売上高は71億9,000万ユーロ、2004年9月末の従業員数は約35,600名でした。インフィニオンは、フ ランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。インフィニオンについての情報は次のURLをご参照ください:
本社サイト: http://www.infineon.com

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INFAIM200510.004