インフィニオンの蘇州工場が公式に開業
同時に、インフィニオンは蘇州市に生産プロセスを対象としたIT開発センターを開設しました。この開発センターは、技術者80~100名を雇用し、イ ンフィニオンが国際展開するIT生産コンピテンスセンターの一翼として、蘇州の後工程生産工場をサポートします。
インフィニオン蘇州工場
新工場は完成した段階で、年間最大10億個のメモリチップ処理能力を有することになります。新会社は上海の西80kmの蘇州工業園区内に立地し、「インフィニオンテクノロジーズ蘇州」の社名で運営されます。 この合弁会社には、独インフィニオンが72.5%、中国-シンガポール蘇州工業園区ベンチャー社(CSVC)が27.5%を出資しています。
新工場は、世界半導体市場の成長率や動向に応じて、何段階ものステップを経て発展を図ることになります。プロジェクトの予定投資総額は約10億ドルにのぼります。インフィニオンテクノロジーズ蘇州は、フ ル稼働時に1,000名以上の従業員を雇用する予定です。
独インフィニオンのペーター・バウアー(最高マーケティング責任者=CMO)は、「こうした協力を通じて、当社は将来の中国市場におけるプレゼンスを系統的に拡大しています。中 国の現地企業との提携は順調に進んでいます。現在、前工程および後工程生産とファウンドリサービスの分野で、いくつかのパートナーと協業を行っています。当社はまた、中 国全土の顧客企業と良好なパートナーシップを築いています。上海と西安の研究開発施設の拡張も順調に進展しています」と、述べました。
蘇州IT開発センター
蘇州IT開発センターは、アジア太平洋地域における主に生産プロセスに関連したインフィニオンのIT活動をサポートする目的で設立されました。その活動には、製造実行システム、機器統合および高度自動化、デ ータ収集および解析、ビジネスインテリジェンスシステムなどが含まれます。このセンターの開発グループは、イ ンフィニオンの標準生産プロセスをサポートする世界中の全生産拠点で使用されるシステムの構築と保守を行います。また、サポートグループは、業務・生産・研究開発・運 営に関連するシステムの地域的なITサービスを統括します。
独インフィニオンのカール・ポムシャール(最高情報責任者=CIO)は、「蘇州IT開発センターは、現在市場で入手できないサービスを自社で創出していく機会を与えます。その課題は、ア ジアの諸工場だけでなく、標準化された最新の先端技術を使用するインフィニオンの世界中の生産拠点をサポートするために必須な要件を創出することです。蘇州の新工場に近いこと、高い費用効果、地 元行政府の強力な支援など、このIT開発センターにとって蘇州は理想的な立地条件を備えています」と、述べました。
中国におけるインフィニオンの活動
インフィニオンは1994年10月から中国での活動を行ってきました(当時はシーメンスセミコンダクターズ)。現在、インフィニオンの中国における従業員数は約1,200名で、将 来は3,000名以上に増員する計画です。上海では、 SMIC(中芯国際集成電路製造)との協業を行っています。これにより、自社工場への投資を行わずにメモリチップの生産能力を確保することが可能になります。 その見返りとしてインフィニオンはSMICに対し、先進的な300mm生産技術をライセンス供与しています。蘇州では、このたびメモリチップの組立および試験を行う合弁会社が発足しました。無 錫にはロジック製品の後工程生産工場を有し、西安には通信・自動車・産業分野向け製品の開発センターを有しています。インフィニオンはまた、北京、上海、深セン、香港に営業事務所を持っています。現 地パートナーとの戦略的協業は、中国におけるインフィニオンの拡張戦略の基盤のひとつです。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFXX200409-100