インフィニオンがマルチレート/マルチチャネルの高集積型SONET/SDHフレーマICファミリを発表

2003/07/07 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、極めて高集積なマルチレート/多チャネル型高速データレートSONET/SDHフレーマチップを発表しました。業界をリードする同社の光ネットワーキング・ソ リューション・ラインナップが、これで一段と強化されます。新製品「Tethys(チチィース)」SONET/SDHマルチレート・フレーマICファミリは、ADM(アド/ドロップ・マルチプレクサ)やDCS( デジタル・クロスコネクト・スイッチ)などの次世代光ネットワーキング機器に不可欠な機能を、ワンチップに収めたものです。これを利用すれば、メーカーはラインカードに関して、ポ ートあたりコストや消費電力を低減させつつ、ポート数と容量を増やすことができます。しかも、SFPなどプラグブルの光モジュールを採用した場合は光部分を変更するだけで、1 枚で複数のデータ伝送速度に併用できるラインカードを設計できるようになります。

このシングルチップ型「Tethys」デバイスは、これまで4個から16個のICを必要としていた機能をワンチップに集積しました。集積された機能には、最 大16チャネルのトラフィック毎にSERDES(シリアライザ/デシリアライザ)、ポインタ処理、CDR(クロックおよびデータ回復回路)、TOH(トランスポート・オーバーヘッド)処理およびPOH(パス・オ ーバーヘッド)処理などがあります。これはSONET/SDHフレーマチップとしてはクラス最高の集積度であり、事実上、初の高密度「ラインカード・オン・ア・チップ」の誕生となります。「Tethys」フ レーマを用いれば、幹線路や支線路およびサービス・アプリケーション用のラインカードのメーカーは、低消費電力、ボードの設計密度やスペース、ソフトウェア開発費および総システムコストに関して、大 幅な低減がはかれます。

新フレーマ・ファミリの第1弾となるのは、「Tethys 448」と「Tethys 4192」の2製品です。ともに高密度の総合スループットをサポートする一方で、極 めて厳格なSONET/SDHジッタ特性の要件を満たします。「Tethys 448」は16チャネルのOC-3/STM-1、1 6チャネルのOC-12/STM-4および16チャネルのOC-48/STM-16を完全サポートし、それらを自在に組み合わせられます。「Tethys 4192」は、「Tethys 448」の その能力に加えて、4チャネルのOC-192/STM-64もサポートしています。

サボド・トプラニ(インフィニオンテクノロジーズ上席副社長兼インフィニオン・ノースアメリカ有線通信事業グループゼネラル・マネージャ)は、「Tethysチップは、広 範な光ネットワーク市場に対応する標準ベースのソリューションのポートフォリオ拡充計画に乗っています。市場ではSONET/SDHネットワークの70パーセント以上が「純然たる」T DMアプリケーションに関わっていますが、当チップは、その巨大な市場ニーズに対応した製品です。Tethysファミリのような、マルチレートで高プログラマブルなデバイスを、当 社の他のソリューションと組み合わせれば、顧客企業は、各自のロードマップで予定されるより高帯域で高機能な製品を、シングル設計の形で提供できるようになります」と、語りました。

「Tethys」フレーマは、比類ない柔軟性を持っています。各ポートごとに異なるデータ伝送速度を別々に設定でき、従って、「ポートごとにデータ伝送速度を自在に選べる」シ ステム構成が可能になります。光モジュールに直接、インターフェイスすることもできます。その結果、光モジュールを単純に変更するだけで、フィールド現場で機器をプログラミングできるようになります。このため、サ ービスプロバイダは、マルチアプリケーションに使用するためのカードは1枚購入するだけでよいことになり、メンテナンス費やインサービス・アップグレードおよび在庫数が大幅に低減されます。

通信業界アナリスト会社RHKのアラン・アームストロング氏(プログラム・ディレクタ)は、「サービスプロバイダは、ネットワークの新設費を低減する道をたえず模索しています。研 究開発費や生産コストを低減するため、システムベンダは現在、旧式のフレーマASICをより新しい標準製品に置き換えつつあります。様々なデータ伝送速度を、一つの共通ハードウェア/ソフトウェア・ア ーキテクチャでサポートできる、統一型のフレーマ・ソリューションは、システムベンダにとって、エンジニアリング努力をより高度化し、新 しいプラットフォームにかかる経費を大幅に低減できるというメリットがあります。さらに、集積度向上によって、システムベンダはより高密度のラインカードを作れるようになり、末 端と中核の両アプリケーションの方面で自社製品の競争力を強めることができます」と、述べました。

「Tethys」マルチレート・フレーマの特長
「Tethys」マルチレートSONET/SDHフレーマチップは、OC-3/STM-1、OC-12/STM-4、OC-48/STM-16、さ らにはOC-192/STM-64の各データ伝送速度で完全多重SONET/SDH処理を行える、高集積デバイスです。実行できる機能には、セクション、ライン、パスの各オーバーヘッド処理、フレーミング、ス クランブリング/デスクランブリング、アラーム信号挿入/検出、BIP(ビット・インタリーブド・パリティ:B1/B2/B3)処理およびポイント処理などが含まれます。加えて、ユニークなハードウェアFIP( Forced Input Path)機能も備えます。これは、パス全経路に上書きしてアラーム状態にできるもので、そうした作業にCPUやスイッチ・マトリックスを関与させる必要がなくなります。

アラーム・ドロップ・インターフェイスがLOS(信号損失)、LOF(フレーム損失)などの状況を検出して、FIP機能を、POH処理と合わせて可能にします。

TOHだけにアクセスするのが典型的な他のフレーマチップと違って、「Tethys」アーキテクチャでは、TOHとPOHの両バイトを、受信と送信のパスから抜き出したり、逆に再挿入もできます。こ のため、どんなオーバーヘッド・バイトも、追加の処理機能に利用できます。

チップに内蔵されたSERDES、CDRおよびCMU(クロック乗算ユニット)の各機能は、2.5Gbps、622Mbps、155Mbps対応のマルチレートI/Oをサポートしています。こ れまでのシリコン第1~3世代を基にして開発された「Tethys」フレーマは、シングルチップ上で32個のCDRをサポートする一方で、極めて厳格なSONET/SDHジッタ特性の要件を満たします。そ の要件には、トレランス、転送、世代などの項目が含まれます。

「Tethys 448」フレーマ用のライン側インターフェイスは、プログラマブルなシリアルポートです。一方、「Tethys 4192」チップは、O C-192/STM-64モードに必要な追加のインターフェイスとして、SFI-4.1とSFI-4.2を備えています。両デバイスとも、システム側インターフェイスはTFI-5をサポートしています。 SFI-4.1、SFI-4.2、TFI-5の各インターフェイスは、OIFと互換性があります。ライン側とシステム側のインターフェイスの選択や構成は、それぞれ独立して行えます。

フレーマチップの「Tethys 448」と「Tethys 4192」は、1400コンタクトBGA(ボール・グリッド・アレイ)パッケージで提供されます。両チップとも、サ ンプル出荷が2003年第3四半期に開始され、量産は今年後半にスタートする予定です。最大16チャネルのOC-48データをサポートする「Tethys 448」のサンプル・ロットの価格は1,450ドル、4 チャネルのOC-192データをサポートする「Tethys 4192」のそれは1,750ドルです。

「Tethys」SONET/SDHマルチレート・フレーマ・ファミリに関する詳細については、下記ウェブサイトをご参照ください;
http://www.infineon.com

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

Information Number

INFCOM200307.103

Press Photos

  • In addition to the Tethys 448 capabilities, the Tethys 4192 adds support for  four channels of OC-192/STM-64.
    In addition to the Tethys 448 capabilities, the Tethys 4192 adds support for four channels of OC-192/STM-64.
    Tethys 4192

    JPG | 415 kb | 1535 x 1063 px

    Tethys 4192

    JPG | 8 kb | 160 x 111 px

  • The first two members of the new framer family, the Tethys 448 and Tethys  4192, support high-density aggregate throughputs while meeting the most  stringent SONET/SDH jitter requirements. The Tethys 448 fully supports 16  channels of OC-3/STM-1, 16 channels of OC-12/STM-4, or 16 channels of  OC-48/STM-16, which can be mixed in any required combination.
    The first two members of the new framer family, the Tethys 448 and Tethys 4192, support high-density aggregate throughputs while meeting the most stringent SONET/SDH jitter requirements. The Tethys 448 fully supports 16 channels of OC-3/STM-1, 16 channels of OC-12/STM-4, or 16 channels of OC-48/STM-16, which can be mixed in any required combination.
    Tethys 448

    JPG | 415 kb | 1535 x 1063 px

    Tethys 448

    JPG | 8 kb | 160 x 111 px