シーメンスがGPRS/EDGEハンドセット用にインフィニオンのベースバンドICを採用
セキュア・モバイル・ソリューション用半導体の先導プロバイダである独インフィニオンテクノロジーズは、携帯電話の大手プロバイダである独シーメンス社・情報通信モバイル事業グループが、マ ルチメディア指向GPRS/EDGE方式携帯電話用にインフィニオンのGSMベースバンドIC「S-GOLD」ファミリの採用を決めたと発表しました。
インフィニオンのGPRS/EDGE携帯電話開発プラットフォームは、同社のGSMベースバンドIC「S-GOLDlite」と「S-GOLD」を基盤にしています。マルチメディア・ハ ンドセットの設計者は、このプラットフォームを利用することにより、Javaゲーム、位置情報およびナビゲーション、MP3ハイファイ音楽、着 信メロディなどの機能を備えたエンタテインメント指向のコンシューマ製品から、ビデオストリーミング、電子メール、タッチスクリーンや各種接続機能を搭載したビジネスフォンまで、ハ イレベルに最適化された機種を開発できます。
ガートナー・データクエストの2003年3月発行の市場調査レポート「セルラーおよびPCSモバイル用半導体の世界市場予測」では、全 世界の携帯電話販売台数は2003年には4億3,500万台と予想され、うち 26パーセントがGPRSタイプとなる見込みです。2004年には世界販売は4億7,000万台以上に達し、う ちGPRSタイプが37パーセントを占めると予想されています。
シーメンス・モバイルのリック・ディングルR&Dプラットフォーム担当上席副社長は、「当社は、次世代製品にS-GOLDファミリを採用することにより、S -GOLDlite搭載の普及価格帯のGPRS製品からS-GOLD搭載の高性能EDGEフォンに至るまで、多様な製品を取りそろえられます。加えて、イ ンフィニオンの革新的な開発プラットフォームの取り組みは共通アーキテクチャをベースとしているので、それを利用して、当社は競合相手との差別化に設計資源を集中できます」と、語りました。
インフィニオンのクラウス・ハウ(ワイドエリア無線事業担当副社長兼ゼネラルマネージャ)は、「今回のS-GOLDファミリの商談を通じて、インフィニオンはシーメンスに最新のセルラー技術を提供し、 これにより同社とのすばらしい取引関係を一段と拡大できます。インフィニオンの製品はハイレベルな革新性、短い設計サイクルおよび高品質を特長としており、これを背景に、イ ンフィニオンは携帯電話業界で優先されるパートナーとなっています」と、述べました。
技術情報:「S-GOLD」ファミリの特徴
「S-GOLD」ファミリは、インフィニオンが提供するGSM向け共通チップセット・プラットフォームです。このファミリには「S-GOLD」と「S-GOLDlite」の 両チップセットが含まれます。「S-GOLDlite」は、カメラ、カラーディスプレイおよび最高水準のJava機能を搭載するエンタテインメント指向コンシューマフォン向けに、ク ラス12までのレベルのGMS/GPRSをサポートします。「S-GOLD」は、これに加えて最大データ伝送速度384Kbps(キロビット/秒)までのEDGE機能をサポートします。「S-GOLD」では、特 にビデオ機能、タッチスクリーンや各種インターフェースを備えた高機能電話機をターゲットとしています。
両チップセットは、外部部品を必要とせずに、内蔵ハイファイステレオ、MP3、最大32和音の着信メロディなどを備える高性能オーディオ機能をサポートします。「S-GOLD」と「 S-GOLDlite」は同じコア・アーキテクチャをベースとしています。このため、携帯電話の設計者は、異なる機種間のソフトウェア・ポーティングに手間取らずに済むようになり、時 間と想像力を独自の新しい機能を開発するためのコア・コンピテンス(中核的な能力)に集中的に投入できます。
インフィニオンについて
インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。
Information Number
INFSMS200305.084