インフィニオンが業界最小チップ面積の1GビットDDR SDRAMをサンプル出荷開始

2003/08/26 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、1GビットDDR(ダブルデータレート)SDRAM(シンクロナスDRAM)のサンプル出荷を特定の顧客企業向けに開始したと発表しました。このデバイスは、イ ンフィニオンの先進的な110nm CMOSプロセス技術を用いて生産されます。チップ面積はわずか160平方mmで、現時点で業界最小の1GビットDDR SDRAMです。

この1Gビット DRAMは、省スペース・アプリケーション向けに、標準400mil幅の66ピンTSOP(薄型スモール・アウトライン・パッケージ)または68ボールFBGA(微細ピッチ・ボール・ グリッド・アレイ)パッケージで供給されます。サポートするメモリ構成は×4ビット、×8ビット、×16ビットの3種です。この1Gビット SDRAMは、DDR266(クロック周波数133MHz)か らDDR400(同200MHz)まで、一般的なDDRデータ速度の全領域をカバーします。

インフィニオンのハラルド・エッガース(メモリ製品グループCEO)は、「インフィニオンは、新世代DRAMでまたも最小のダイ寸法を実現したことを誇りに思います。これは、当 社の先進的なトレンチセルDRAM技術の業界における価値を改めて強く裏付けます。この技術により、新世代DRAMを最も経済的に生産することが可能となります。その結果、高 性能サーバやワークステーションのメモリ密度限界が押し広げられ、同時に、コンピュータの速度、性能、使い易さの一層の向上がもたらされます」と、語りました。

1GビットDRAMデバイスを適用したモジュールで最高のメモリ密度を達成するため、インフィニオンは、4Gバイト・レ ジスタ付きモジュールの生産にスタック方式のFBGAパッケージを使用する予定です。「デュアル・ダイ・スタック」と呼ばれるこの技術は、シリコンチップの真上に2番目のシリコンチップを重ね、こ うして出来たスタックを、高さは増すが通常タイプのFBGAパッケージに封入したものです。この革新的なスタック方式により、これまでにないボード面積あたりのメモリ密度が達成され、しかも、こ の技術を用いて作られるメモリ・デバイスは優れた電気特性と熱特性を示します。また、別のタイプとして、スタック方式TSOPパッケージを用いた4Gバイト・レジスタ付きDIMM(デュアル・インライン・メモリ・ モジュール)も提供します。

この1Gビット DDR SDRAMは先ず、高性能サーバやワークステーション市場へ高密度レジスタ付きモジュールやバッファ無しモジュールを提供するために使用されます。ターゲットとする製品は、容 量4Gバイトおよび2Gバイトのレジスタ付きDIMMと、容量2Gバイトのバッファ無しDIMMです。また、ノート型PC向けのスモール・アウトラインDIMM(SO-DIMM)として、こ の新世代メモリを採用した、容量2Gバイトおよび1Gバイトの製品が提供される予定です。これらのモジュールは2003年第4四半期にサンプル出荷が開始され、2004年初から量産に入る予定です。

新しい1Gビット DDR SDRAMは、当初は、インフィニオンの三大陸にまたがるDRAMチップ国際工場群(ファブ・クラスタ)の中核を成す独ドレスデン工場で生産されます。このデバイスは、2 003年第4四半期中から一般販売を行う予定です。

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFMP200308.112

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  • The 1-Gbit Double Data Rate (DDR) Synchronous DRAMs (SDRAM) are fabricated using the company's advanced 110nm CMOS process. At only 160mm² chip size they are the industry's smallest 1Gbit SDRAMs to date.
    The 1-Gbit Double Data Rate (DDR) Synchronous DRAMs (SDRAM) are fabricated using the company's advanced 110nm CMOS process. At only 160mm² chip size they are the industry's smallest 1Gbit SDRAMs to date.
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