インフィニオンがチャータード、IBM両社と65nm開発プログラムで提携

2003/08/06 | マーケットニュース

独インフィニオンテクノロジーズは、チャータード・セミコンダクター・マニュファクチャリング、IBM両社と、65nm半導体製造プロセス技術への動きを加速することを狙いとした、共 同開発契約を締結したと発表しました。

複数年契約に基づき、インフィニオンの低消費電力シリコンのノウハウ、IBMの先進的なプロセス技術およびチャータードの共通ファウンドリ・プロセス・プ ラットフォームへの取り組みが互いに緊密に連携され、90nmから次世代の65nm技術を経て、45nmへの道が切り開かれていきます。新契約の財務的詳細は公表されていません。

共同作業は、米国ニューヨーク州イースト・フィッシュキルに開所したIBMの300mm開発ラボで行われます。先月から活動を開始している「アドバンスト・セミコンダクター・テクノロジー・センター( 略称:ASTC 300)」と呼ばれる新施設でIBMとチャータードは65nm回路の開発と製作を行っており、両社はこの方面で先発組に属します。

3社が派遣する約200名の技術者が共同で、次世代半導体向けの業界をリードするプロセス技術の研究に当たります。

IBMシニア・バイス・プレジデント&グループ・エグゼクティブ、テクノロジー・グループのジョン・E・ケリーは、「“ナノ時代”における先端半導体技術の開発は、業界全体にとって、ま すますやりがいのあるものとなっています。IBM、チャータード、インフィニオンの3社が協力することにより、製品化までの時間を短縮し、お客様のコストを軽減する“first time right( 最初から正しく動作する)”チップ設計をもたらすこれらの技術開発を加速することができます」と、述べました。

チャータードとIBM、インフィニオンの3社は、構造幅65nmの先進的な共通ファウンドリ・プロセスを共同開発し、高性能と低消費電力の要件に合うよう調整された、バリアント(変形版)も 開発する計画です。3社はまた、45nmへの探求にも取り組んでいます。

また、そうした技術を使って設計するファウンドリ・カスタマを支援するため、3社は、最適な設計ツールの堅牢なエコシステムを提供することを目指して、サ ードパーティのプロバイダと協力することでも合意しました。

3社は、その共同開発プロセス技術をそれぞれ、自社製造施設に採用する能力を持つことになります。IBMとチャータードは、共 同開発の65nmプロセス技術を各々の300mmファブに導入することを計画しており、また、インフィニオンの65nm製品のアウトソーシング需要をサポートする立場も目指しています。

インフィニオンのアンドレアス・フォン・チッツェビッツ(取締役兼執行責任者COO)は、「IBM、チャータード、インフィニオン3社の新提携は、先 進ロジック製造技術に優先的に利用されることになる、先端的なプラットフォームを生み出す上で、非常に強力な力となり、それを大いに勢いづけるでしょう。インフィニオンはすでに、I BMとの研究開発協力で成果をあげてきた12年以上に及ぶ経験があり、その協力を継続できることを嬉しく思います。また、チャータードとの協力の機会を得たことも楽しみです。今回の契約は、先 導的な企業との提携ネットワークを拡充する当社の戦略の新たなステップとなり、また、経費とリスクを軽減しつつ、顧 客企業のために先端的なICプロセス技術をタイムリな方法で提供するための重要なステップともなります」と、語りました。

チャータードのチア・ソン・フェ(Chia Song Hwee)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「チップメーカーにとって、かつてないほど高速な、洗練されたシステムズ・イン・シリコン( systems in silicon)を供給し、しかも、それらが最初から正しく動作するようにしなければならないというニーズが切迫した状況にありますが、その機会をとらえて、I BMとチャータードが最初に共同開発した技術プラットフォームが、注目されるプロセス・プラットフォームとして台頭しています。今回の共同開発モデルは、ファブレスないしファブ・ライト( ファブへの投資を縮小している)の企業が、先端的なプロセス技術への足場を維持するうえで極めて重要です。それを当社のコスト効率のよいファウンドリサービスと組み合わせれば、イ ンフィニオンのようなワールドクラスのIDM(集積デバイスメーカー)にとって、魅力的な低リスクのアウトソーシング手段となります」と、述べました。

IBMマイクロエレクトロニクスについて
IBMマイクロエレクトロニクス部門は、IBMが世界最大のインフォメーション・テクノロジー・サプライヤーとして果たす役割に大きく貢献しています。IBMマイクロエレクトロニクス部門は、最 先端の半導体や相互接続技術、製品・サービスを開発、製造、販売しています。IBMマイクロエレクトロニクスは、カスタムASICチップ、PowerPCベースの標準チップ製品、そしてハイテク・ファウンドリー・ サービスの3つの主要分野に重点的に取り組んでいます。その卓越した統合ソリューションは、世界的に有名な数々のエレクトロニクス製品に採用されています。

IBMは、アルミニウムに代わるより高性能な銅配線技術、高速なシリコン・オン・インシュレーター(SOI)技術やシリコン・ゲルマニウム・トランジスター技術、そ してLow-kの配線間絶縁膜の改良などの業界初の新技術でチップ業界をリードしています。このような新技術開発により、IBMは10年間連続で米国特許の保有数第一位を維持しています。I BMのマイクロエレクトロニクス部門に関する詳細は http://www.ibm.com/chipsでご覧いただけます。

チャータードについて
チャータード・セミコンダクター・マニュファクチャリングは半導体ファウンドリ専業の世界上位三位に入る企業で、カスタマとの間で永続的で協調的な提携関係を築くことにより、半 導体のアウトソーシング生産においてカスタマイズされたアプローチを展開しています。カスタマに、柔軟でコスト効率のよい生産の解決策を提供し、通信、コ ンピューティングおよびコンシューマ市場の融合をバックアップしています。チャータードはシンガポールに5カ所の生産施設を持ち、6番目の施設は300mm工場として機能する予定になっています。

世界的なブレゼンスと展望を背景に、チャータードはナスダック(米国店頭市場)とシンガポール証券取引所に上場しています。世界各地に11ヵ所の拠点を持ち、社員数は3,500人です。チ ャータードに関する詳細情報は下記ウェブサイトをご参照ください:
http://www.charteredsemi.com

インフィニオンについて

インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies AG)は、ドイツのミュンヘンに本社を置き、自 動車および産業分野や有線通信市場のアプリケーションへ向けた半導体およびシステムソリューション、セキュア・モバイル・ソリューション、メモリ製品などを供給しています。米国ではカリフォルニア州サンノゼ、ア ジア太平洋地域ではシンガポール、そして日本では東京を拠点として活動しています。2003会計年度(9月決算)の売上高は61億5,000万ユーロ、2003年9月末の従業員数は約32,300名でした。イ ンフィニオンは、フランクフルトとニューヨークの証券取引所に株式上場されています。

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INFXX200308.110